「話のさわり」とは話の中心部分!本来の意味・誤用・使い方・類語

「話のさわり」とは話の中心部分のこと

「話のさわり」とは、「話の最初の部分」のことではありません。

話のさわりとは、「話の中心部分」「話の要点」のことです。「さわり」は、芸能でいえば、一番のみどころのことです。

ところが、「さわり」という言葉が、表面を触れるような連想をさせるためか、「話の最初の部分」と勘違いされています。

今回は、「話のさわり」について、本来の意味・誤用・使い方・類語をご紹介いたします。

合わせて、勘違いされがちな言葉を一覧でお伝えいたします。

【話のさわりの意味】話の中心部分・要点

「話のさわり」とは話の中心部分

「話のさわりだけ…」というと、「話の最初だけ」と考えてしまいがちですが、これは間違いです。

「話のさわり」とは、「話の中心部分」「話の要点」という意味です。

つまり、「話のさわりだけお伝えしますね」と言われたら、「話の中心部分だけお伝えしますね」「話の要点だけお伝えしますね」という意味なのです。

 

デジタル大辞泉には次の記載があります。

【デジタル大辞泉】

さわり【触り】

4 義太夫節の一曲の中で、一番の聞きどころとされる箇所。

5 [4から転じて]広く芸能で、中心となる見どころ・聞きどころ。

また、話や文章などで最も感動的、印象的な部分

「小説のーを読んで聞かせる」

「小説のさわりを読んで聞かせる」とは、「小説の最も感動的な部分、印象的な部分を読んで聞かせる」ということのようですね。

「話のさわり」の「さわり」という言葉の響きが、「軽くふれる」という意味に感じさせるためか、「話の最初の部分」と勘違いされがちな言葉です。しかし、これは間違いです。[注1]

「話のさわり」と言われたら、「話の中心部分」「話の要点」と思って聞くようにしましょう。

 

[注1]文化庁/文化庁月報/連載「言葉のQ&A」/「さわりだけ聞かせる」の「さわり」とは?

 

話のさわりの使い方:例文

「話のさわり」の使い方を例文で解説

「話のさわりだけでも聞かせてください」なんて、耳にすることがありますね。意味するところは、「話の要点だけでも聞かせてください」ということです。

それでは、「話のさわり」「さわり」の正しい使い方を例文で確認しましょう。

【例文:話のさわり】

  • 時間がないので、話のさわりだけお伝えします。
  • 意味: 時間がないので、話の要点だけお伝えします。

 

  • 時間がないので、話のさわりだけでも教えてください。
  • 意味: 時間がないので、話の要点だけでも教えてください。

 

  • その件は、話のさわりだけ覚えています。
  • 意味: その件は、話の印象的な部分だけ覚えています。

 

「さわり」は、「話のさわり」だけでなく、「曲のさわり」「舞台のさわり」など、芸能分野のもっとも感動的な部分にも使えます。

 

【例文:さわり】

  • 曲のさわりを演奏します。
  • 意味:曲のサビを演奏します。

 

  • その舞台のさわりを説明してください。
  • 意味:その舞台の一番の見どころを説明してください。

 

  • その小説のさわりを覚えています。
  • 意味:その小説の感動する部分を覚えています。

 

「話のさわり」であれば、「話の要点」「話の中心部分」という意味で使いましょう。「曲のさわり」であれば「曲の一番の聞きどころ、サビ」、「小説のさわり」であれば「小説の感動する部分」などのことです。

間違えがちな「最初の部分」という意味で使わないよう注意しましょう。

 

【誤用】「話のさわり」は「話の最初の部分」と誤解している人が53.3%

「話のさわり」を、本来の意味とは違う意味に勘違いされている人はとても多いようです。

文化庁の平成28年度「国語に関する世論調査」では、次のような結果が発表されています。[注2]

【文化庁/平成28年度「国語に関する世論調査」】

さわり

(例文:話のさわりだけ聞かせる)

平成28年度 19年度 15年度
ア:話などの要点のこと 36.1% 35.1% 31.1%
イ:話などの最初の部分のこと 53.3% 55.0% 59.3%
アとイの両方 4.5% 2.7% 3.9%
アとイとは全く別の意味 1.8% 0.2% 0.8%
わからない 4.3% 7.0% 4.8%

 

 

「話のさわり」が、「話などの要点のこと」と正解した人は36.1%で、「話などの最初の部分のこと」と誤答した人が53.3%と半数を超えています。

なんと、53.3%もの人が、「話のさわり」の意味を間違えて覚えてしまっているのです。

「話のさわり」を間違えて覚えてしまう理由は明確にされていません。おそらく、「さわり」という言葉には軽く触れるイメージがあるため、「話の最初の部分に軽く触れる」という意味に誤解されて広まったのではないかと考えられています。

 

[注2]文化庁/平成28年度/「国語に関する世論調査」/p23どちらの意味だだと思うか[pdf]

 

【類語】「話のさわり」を言い換えてみよう

「話しのさわり」という言葉を使ったときに、相手が「話の最初の部分」と勘違いしている場合、会話が噛み合いません。

【例文:噛み合わない会話】

「話のさわりだけ聞かせてください」(←話の要点を聞かせてほしいという意図の質問)

「まずお世話になった挨拶から始めます」(←話の最初の部分を説明してしまう)

「話のさわり」を「話の最初の部分」と勘違いしている人と話すと、上記のような噛み合わない会話が生じてしまいます。

こういった事態では、「話のさわり」をほかの言葉に言い換えて伝えてみましょう。

【例文:「話のさわり」を言い換える】

話のさわりだけ聞かせてください。

話の要点だけ聞かせてください。

「話のさわり」ではなく、「話の要点」と言えば、勘違いされることなく伝わります。

 

ほかにも、「さわり」を誰にでも伝わる言葉に言い換えてみましょう。

【例文:「さわり」の言い換え】

その物語のさわりを教えてください。

その物語の佳境を教えてください。

 

【例文:「さわり」の言い換え】

舞台のさわりはどうですか?

舞台の見せ場はどうですか?

 

【例文:「さわり」の言い換え】

その曲のさわりを歌ってみてください。

その曲のサビを歌ってみてください。

 

【例文:「さわり」の言い換え】

映画のさわりについて語り合いましょう。

映画の名場面について語り合いましょう。

 

例文のように、状況に応じて様々な言い換えが可能です。

次の言葉を状況に応じて使い分けてみてください。

【「さわり」の類語】

要点・中心部分・見どころ・見せ場・聞きどころ・ハイライト・佳境・ピーク・名場面

 

 

【豆知識】意味や言い方に間違いが多い言葉

うがった見方など誤解されやすい言葉

さて、間違えて覚えてしまいがちな言葉は、「話のさわり」のほかにもたくさんあります。

この機会にチェックしてみましょう。

ぞっとしない

「ぞっとしない」の意味は「面白くない」です。

しかし、言葉の響きから、「恐ろしくない」と勘違いしている方も多いようです。平成28年度国語世論調査によると、56.1%の人が、「ぞっとしない」の意味を「恐ろしくない」と間違えて回答しています。「ぞっとする」という言葉が勘違いを生んでしまうのでしょう。

本来の意味である「面白くない」と回答した人は22.8%でした。[注2]

【例文:ぞっとしない】

  • 昨日のドラマは、あまりぞっとしない内容だった。
  • 意味:昨日のドラマは、あまり面白くない内容だった。

「ぞっとしない」は、例文のように、「面白くない」という意味で使いましょう。

 

知恵熱

「知恵熱」の意味は、「乳幼児期に突然起こることのある発熱」です。

「深く考えたり頭を使ったりした後の発熱」であると、意味を勘違いされがちな言葉です。平成28年度国語世論調査によると、40.2%の人が、「知恵熱」の意味を「深く考えたり頭を使ったりした後の発熱」と間違えて回答しています。「知恵」という言葉が勘違いを生んでしまうのでしょう。

本来の意味である「乳幼児期に突然起こることのある発熱」と回答した人は22.8%でした。[注2]

【例文:知恵熱】

  • 娘が、知恵熱を出した。
  • 意味:娘が、乳幼児期に突然起こることのある発熱をした。

「知恵熱」は、例文のように「乳幼児期に突然起こることのある発熱」という意味で使いましょう。

 

うがった見方をする

「うがった見方をする」の意味は「物事の本質を捉えた見方をする」です。

「穿つ(うがつ)」には、「貫く」という意味があり、それが、物事の本質を的確に捉えるという意味につながるようです。

しかし、言葉の響きから、「疑って掛かるような見方をする」と勘違いしている人も多いようです。平成23年度国語世論調査によると、48.2%と、半数近くの人が、「うがった見方をする」の意味を「疑って掛かるような見方をする」と間違えて回答しています。「うがった」という言葉の響きが勘違いを生んでしまうのでしょう。

本来の意味である「物事の本質を捉えた見方をする」と回答した人は26.4%でした。[注3]

【例文:うがった見方をする

  • さすが、うがった見方をされますね。
  • 意味:さすが、物事の本質を捉えた見方をされますね。

つまり、「うがった見方をする」と言われたら、「洞察力がある」と褒められているようなものなのです。「疑った見方をしている」と言われたと勘違いしないようにしましょう。

 

口を濁す

「口を濁す」は、「言葉を濁す」と言い方を間違えている人が多い言葉です。

本来の言い方は「口を濁す」で、意味は「はっきりと言わない曖昧な言い方をする」です。

平成28年度国語世論調査によると、なんと74.3%もの人が、「言葉を濁す」を使ってしまっています。本来の言い方である「口を濁す」を使っている人は17.5%と、とても少ないようです。[注2]

本来の言い方を例文で確認しましょう。

【例文:口を濁す】

そのお父さんは、お子さんの成績については、口を濁した

意味:そのお父さんは、お子さんの成績については、曖昧な言い方をした

つい「言葉を濁す」を使ってしまう人が多いようですが、例文のように、「口を濁す」を使いましょう。

 

足をすくわれる

「足をすくわれる」は、「足下(あしもと)をすくわれる」と言い方を間違えている人が多い言葉です。

本来の言い方は「足をすくわれる」で、意味は「卑劣なやり方で、失敗させられること」です。

平成28年度国語世論調査によると、こちらも64.4%もの人が「足下をすくわれる」という間違った言い方を使ってしまっています。本来の言い方である「足をすくわれる」を使っている人は26.3%と、やはり少ないようです。[注2]

本来の言い方を例文で確認しましょう。

【例文:足をすくわれる】

油断していて、仲間に足をすくわれた

意味:油断していて、仲間に卑怯なやり方で失敗させられた

「足をすくわれる」が正しい言い方です。「足元をすくわれる」を言ってしまわないよう注意してくださいね。

 

存亡の機

「存亡の機」は、「存亡の危機」と言い方を間違えている人が多い言葉です。

本来の言い方は「存亡の機」です。意味は「存続するか滅亡するかの重大な局面」です。

平成28年度国語世論調査によると、こちらはなんと83%もの人が「存亡の危機」という間違った言い方を使ってしまっています。本来の言い方である「存亡の機」を使っている人はわずか6.6%です。[注2]

本来の言い方を例文で確認しましょう。

【例文:存亡の機】

国家は、存亡の機に立たされている。

意味:国家は、存続するか滅亡するかの重大な局面に立たされている。

「存亡の機」が本来の言い方です。「存亡の危機」と言ってしまわないようご注意ください!

 

[注2]文化庁/平成28年度「国語に関する世論調査」/p23[pdf]

[注3]文化庁/平成23年度「国語に関する世論調査」/p18[pdf]

 

本来の意味・本来の言い方を確認してみよう

「話のさわり」は、「話の最初の部分」であると勘違いされがちですが、正しい意味は「話の中心部分・要点」のことです。「最初の部分」と「中心部分」では、ずいぶん違いますね。

このように、意味や言い方が間違って広まってしまっている言葉はたくさんあります。記事でご紹介した言葉はその代表的な例です。ぜひ、確認してみてくださいね。

「理解があやふやな気がする」と感じる言葉に出会ったら、その都度、確認して覚えていきましょう。

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