卒寿(そつじゅ)とは90歳のお祝いです。
読み方は「そつじゅ」です。
シンボルカラーは紫色です。
厚生労働省の調査では、令和4年の平均余命は、男性が約81歳、女性が約87歳とされています。[注1]
90歳は、長寿のとてもおめでたいお祝いです。
かつては、紫色のちゃんちゃんこでお祝いされたようですが、現在ではこれにこだわる必要はありません。
お祝いもプレゼントも、ご本人の意向を確認して、希望に沿うお祝いをしましょう。
卒寿とは何か、卒寿の色、お祝いのやり方、プレゼント、お祝いメッセージについて解説いたします。
90歳を迎える卒寿には、「自分史」を作成してプレゼントするのがおすすめです。
目次
卒寿(そつじゅ)とは?何歳?:90歳のお祝い
卒寿は90歳のお祝いです。
読み方は「そつじゅ」です。
長寿の代表的なお祝いは、還暦(60歳)から始まり、古希(70歳)、喜寿(77歳)、傘寿(80歳)、米寿(88歳)と続きます。
「卒寿とは何歳だろう…」
だんだん、何が何歳のお祝いなのか混乱してくるかもしれません…
由来を知れば、卒寿は90歳のお祝いだと覚えられます。
卒寿の由来
卒寿の由来は、「卒」の略字にあります。
「卒」の略字は「卆」です。
「卆」の字が、分解すると「九十」と読めることから、「九十歳のお祝いは卒寿」とされるようになりました。
他にも、90歳のお祝いとして「星寿(せいじゅ)」「鳩寿(きゅうじゅ)」という呼び方もあります。
- 星寿(せいじゅ):囲碁盤の9個の交点が由来
- 鳩寿(きゅうじゅ):漢字に「九」がつくことと音読みが「きゅう」であることが由来
「卒」の字は「卒業」のイメージもあり、別れを連想する人もいます。
もし、他の字を望む場合には「星寿」か「鳩寿」としてお祝いしましょう。
長寿のお祝い【一覧】
長寿のお祝いは、60歳の還暦(かんれき)から始まります。
90歳の卒寿は、長寿の代表的なお祝いの6番目にあたります。
表で確認してみましょう。
長寿祝い | 年齢 | 色 | 由来 |
還暦
(かんれき) |
満年齢60歳
数え年61歳 |
赤 | 干支が一巡する周期
「暦が還る」→「還暦」 |
古希
(こき) |
70歳 | 紫 | 杜甫の詩の一節
「人生七十古来稀なり」より。 |
喜寿
(きじゅ) |
77歳 | 紫 | 「喜」の略字が「㐂」
↑七十七に見える |
傘寿
(傘寿) |
80歳 | 黄
金茶 |
「傘」の略字が「仐」
↑八十に見える |
米寿
(べいじゅ) |
88歳 | 黄
金茶 |
「米」の字を分解すると「八十八」になる |
卒寿
(そつじゅ) |
90歳 | 紫 | 「卒」略字が「卆」
↑「九十」に見える |
白寿
(はくじゅ) |
99歳 | 白 | 漢数字の「百」から「一」を除くと「白」 |
百寿
(ひゃくじゅ) 紀寿 (きじゅ) |
100歳 | 桃色 | 100歳だから「百寿」
1世紀だから「紀寿」 |
上記は代表的な長寿のお祝いです。
他にも、次の長寿祝いがあります。
【その他の長寿祝い】
- 緑寿(ろくじゅ):66歳:緑
- 半寿(はんじゅ):81歳:金茶
- 茶寿(ちゃじゅ):108歳
- 皇寿(こうじゅ):111歳
- 大還暦(だいかんれき):120歳
茶寿・皇寿・大還暦は、シンボルカラーがありません。
大還暦(120歳)は、2度目の還暦(60歳)ということから大還暦とされました
長寿のお祝いについてまとめた記事があります。こちらもご覧ください↓
卒寿の色「紫色」
卒寿のシンボルカラーは紫色です。
70歳の古希や77歳の喜寿と同じ色です。
紫色は、古来より高貴な色として尊ばれてきました。
また、心理学的にも心身を癒やす色です。
紫色は、90歳を迎える卒寿のお祝いに、敬意といたわりの気持ちを伝えてくれます。
紫色は高貴な色
紫色は、日本でも西洋でも、高貴な色として尊ばれてきました。
聖徳太子が定めた「冠位十二階」でも、最も位が高い「大徳」に与えられたのが「紫色」でした。
紫色が高貴な色とされた理由は、紫色の染色は、とても難しく手間がかかるため、必然的に身分が高い人が身につけるようになったためです。
尊い90歳の卒寿に紫色の高貴なイメージはよく合います。
紫色は心身を癒やす色
紫色は、治癒力をもつ色であり、心身を癒やす効果があるとされています。
情熱の赤と冷静の青が混ざり合っている紫色は、心をほどよくリラックスさせてくれるでしょう。
疲労回復やリラックス効果のある紫色で、「この先も健やかでいられますように」という願いを伝えましょう。
卒寿のお祝いのやり方
卒寿のお祝いのやり方に決まりはありません。
90歳を迎えるご本人に負担のないお祝いをしましょう。
満年齢で祝うのが一般的
卒寿のお祝いは、現在では満年齢で祝うのが一般的です。
昔は数え年が主流でしたが、満年齢が認識されるようになった昨今では、満年齢で祝うのが一般的です。
ただし、数え年で祝っても、満年齢で祝っても、どちらも問題はありません。
ご本人にこだわりがある場合には、そちらの年齢でお祝いしましょう。
小規模な食事会がおすすめ
長寿のお祝いといえば、食事会や温泉旅行が主流です。
90歳の卒寿では、移動が少なく、ご本人が楽に過ごせるお祝いを考えましょう。
- 親しい方と個室で食事会
- 身内と自宅で食事会
レストランやホテルであれば、個室を予約して、身内だけで気楽に過ごされるとよいでしょう。
あるいは、ご自宅に集まるという方法もあります。
ただし、ご自宅に人が集まると疲れてしまう人もいらっしゃいます。
ご本人と周囲で相談して、どなたにも無理がないよう配慮しましょう。
紫のちゃんちゃんこにこだわらないお祝いをしよう
卒寿のお祝いとして、紫色のちゃんちゃんこを着て記念撮影をする慣習もあります。
しかし、これにこだわらなくても大丈夫です。
現在では、ちゃんちゃんこを着るのを好まない人も増えています。
その場で使用して、その後はしまいっぱなしになるものをプレゼントするのも考えものです。
「紫色のちゃんちゃんこを着るのは不本意」
「終活で物を減らしたのに…」
そんな気持ちにさせてしまうかもしれません。
慣習にはあまりこだわらず、ご本人の希望に沿うお祝いを考えましょう。
卒寿のプレゼントおすすめ4選
卒寿におすすめのプレゼントをご紹介します。
90歳ともなると、健康状態は人によりさまざまです。
食べられないものはないか、体調はどうかなど、ご本人の状態をよく知ってからプレゼントを選びましょう。
次の4つがおすすめです。
- カタログギフト
- リラックスグッズ
- プリザーブドフラワー
- 自分史
詳しく見ていきましょう。
【カタログギフト】
カタログギフトなら、ご本人にお好きなものをお選びいただけます。
食事・アイテム・体験が選べるタイプのカタログなら、ご本人がお好きなタイプのプレゼントを選べます。
プレゼントをどうしても決められないときにはカタログギフトがおすすめです。
【リラックスグッズ】
上質なひざ掛けや部屋着など、リラックスグッズを贈るのもおすすめです。
卒寿を迎える頃は、ご自宅で過ごす時間を大切にされている方が多くなります。
上質なリラックスグッズをプレゼントして、ご自宅での時間を快適に過ごしていただきましょう。
ただし、寝具は「寝たきり」を連想させるため、長寿のお祝いにふさわしくないという考えもあります。
寝具やパジャマは避ける方がよいでしょう。
【プリザーブドフラワー】
卒寿の色である紫色を取り入れたプリザーブドフラワーを贈るのは、華やかでお祝いらしいです。
生花は、花瓶を用意したり、水換えをしたりと、お世話が必要です。
プリザーブドフラワーであれば、保管場所さえ気をつければ、お世話なしで数年間は美しい状態を楽しめます。
ただし、よい置き場所を確保できない場合や、ご本人が花が好きではない場合もあります。
ご本人の好みもよく確認しておきましょう。
【自分史】
90歳の卒寿に、「自分史」を作成してプレゼントするのもおすすめです。
「自分史」とは、ご本人の人生の歩みを一冊に仕上げた本のことです。
生まれたときからの人生の軌跡を大切につづります。
自力で作成することもできますが、仕上がりのクオリティを考えたら、専門知識とスキルを持つプロに依頼するのがおすすめです。
卒寿のプレゼントのマナー:NG
長寿のお祝いでは、避けたいプレゼントがあります。
せっかく長寿をお祝いするプレゼントを贈るのです。
タブーやマナー違反になるものは避けましょう。
【長寿のプレゼントのタブー】
- 縁起が悪い
- 目上に贈るのは失礼
- お年寄り扱い
表で確認しましょう。
【長寿祝いで避けたいプレゼント】
縁起が悪い | ・櫛:「苦」「死」を連想
・菊の花:仏事を連想 ・お茶:香典返しを連想 ・ハンカチ:「手巾(てぎれ)」が「手切れ」をイメージさせる ・刃物:「縁を切る」イメージ 寝具:「寝たきり」を連想 |
目上に贈るのは失礼 | ・履物:「踏みつける」イメージ
・敷物:「踏みつける」イメージ ・時計・文具・かばん:「もっと勤しめ」というイメージ ・現金・商品券:上から目線と捉えられる ・ベルト:「気を引き締めて」のメッセージ |
お年寄り扱い | ・老眼鏡
・補聴器 ・杖 |
卒寿のお祝いメッセージ
90歳を迎える卒寿のお祝いメッセージは、簡潔に伝わりやすい文章にしましょう。
文字は大きく、濃く、はっきりと書くと読みやすいです。
次の3つを簡潔に記しましょう。
|
【例文:卒寿祝いのメッセージ】
卒寿おめでとうございます。
いつもやさしくしてくれてありがとう。
これからも一緒に笑顔で過ごせますように。
【例文:卒寿祝いのメッセージ】
卒寿のお祝いを申し上げます。
いつも見守ってくださってありがとうございます。
これからも健やかでいらっしゃるようお祈り申し上げます。
お祝いメッセージで忌み言葉は避ける
長寿のお祝いメッセージでは、老いや死を感じさせる忌み言葉は避けましょう。
【例:避けたい忌み言葉】
「死」「病」「終わる」「枯れる」「切れる」「朽ちる」「倒れる」「曲がる」「折れる」
長寿のお祝いで、上記のような忌み言葉を使うことはないかもしれませんが、念のため、確認しておきましょう。
卒寿(90歳)のお祝いに自分史を贈ろう
卒寿のお祝いに特別な贈り物をするなら、「自分史」をプレゼントするのがおすすめです。
「自分史」とは、生まれてから今に至るまで、人生の軌跡をまとめて本にしたものです。
現在、90歳を迎えられる方々は、太平洋戦争開戦時に7歳ほどでした。(2024年現在)[注2]
貴重な戦争の記憶をお持ちの方々です。
「自分史」があれば、貴重な人生の経験を伝えていくことができます。
90歳という長寿を迎える卒寿の方こそ、ぜひ、自分史の作成をおすすめします。
「自分史」を作成するなら、自分史作成の専門業者に依頼しましょう。
専門業者に依頼すると、自分史専門ライターがインタビューをし、人生の重大事をつづり、ご希望の写真も使い、人生の歩みを一冊の本に仕上げます。
90歳の節目は卒寿(星寿・鳩寿)のお祝いをしよう
90歳の節目の年には、卒寿(星寿・鳩寿)のお祝いをしましょう。
- 卒寿とは90歳のお祝い
- 卒寿のシンボルカラーは紫色
- 卒寿のお祝いは楽に過ごせるように行う
- プレゼントはご本人の希望を取り入れる
- 卒寿のお祝いメッセージも贈ろう
90歳はたいへんおめでたい長寿のお祝いです。
特別な贈り物をお考えなら、「自分史」を作成してプレゼントしましょう。
「自分史」の専門業者に依頼すれば、スムーズに作成できます。
世界に一つだけの特別な「自分史」で卒寿をお祝いしましょう。