「承知しました」は、「わかりました・引き受けました」の敬語表現です。
「かしこまりました」と言い換えることもできます。
「承知しました」は英語でも言えますか?
「certainly」が適しています。
「承知しました」の意味・使い方・言い換え・英語表現をご紹介します。
「了解しました」「かしこまりました」との違いも解説いたします。
目次
「承知しました」の意味:「引き受けました」の敬語
「承知しました」の意味は、「わかりました」「引き受けました」です。
依頼を引き受けるときの丁寧な言葉です。
「承知」の意味は、3つあります。
- 知っている、わかっていること。
- 依頼・要求などを聞き入れること。
- 理解して許すこと。
デジタル大辞泉には次の記載があります。
しょうち【承知】
1. 事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
「無理を承知でお願いする」「君の言うことなど百も承知だ」「事の経緯を承知しておきたい」
2. 依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
「申し出の件、確かに承知した」
3. 相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打ち消しの語を伴って用いす。
「この次からは承知しないぞ」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
「承知」に「する」の丁寧語「します」がつくのが「承知しました」です。
「承知しました」を例文で確認してみましょう。
【例文:承知しました】
「この案を30日までにまとめておいてください」
「承知しました」
「承知しました」は、何かを依頼されて引き受けるときに使う言葉です。
「承知しました」の使い方:例文
「承知しました」は、ビジネスシーンでとても便利な言葉です。
「承知しました」は謙譲語であるため、目上の人や取引先の人に使える言葉です。
さらに、同僚や後輩に使っても丁寧で違和感がありません。
「承知しました」の使い方を例文でご紹介いたします。
【例文:承知しました】
上司:「次のミーティングまでに資料を作成しておいてください」
部下:「承知しました」
取引先:「3日後までに納品をお願いできますか?」
業者: 「承知しました」
部下:「お手すきのときに資料のご確認をお願いします」
上司:「承知しました」
「承知しました」は、依頼されたことを引き受けるとき、シンプルで丁寧でとても便利な言葉です。
「承知しました」と「承知いたしました」
「承知しました」と「承知いたしました」はどちらが丁寧でしょうか。
「承知いたしました」のほうがより丁寧です。
「承知いたしました」には、より自分をへりくだらせて、相手を高めるニュアンスがあります。
「承知いたしました」を使うと、かしこまった印象になります。
例文で確認してみましょう。
【例文:承知いたしました】
上司:「次のミーティングには必ず出席してほしい」
部下:「承知いたしました」
「承知しました」と「了解しました」の使い分け
「承知しました」と「了解しました」の違いと使い分けをご説明します。
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「了解しました」を目上の人に絶対に使ってはいけないわけではありません。
しかし、「了解しました」を敬うべき対象に使うと、失礼な印象もあります。
検証してみましょう。
まず、「了解」には次の意味があります。
りょうかい【了解】
① 物事の内容や事情を理解して承認すること。了承
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
では、承認とはどのような意味でしょうか。
しょうにん【承認】
①そのことが正当または事実であると認めること。
②よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
つまり、「了解」には、「認める」というニュアンスも含まれています。
そのため、目上の人に使うと、どこか失礼な印象になってしまうのかもしれません。
例文で確認しましょう。
【例文:「承知しました」「了解しました」】
【上司に対して】
△: 「例の案件について、了解しました」
◯: 「例の案件について、承知しました」
【取引先に対して】
△: 「ご提示いただきました日程で、了解しました」
◯: 「ご提示いただきました日程で、承知しました」
「承知しました」の言い換え
「承知しました」の言い換えには、次の2つが適切でしょう。
- かしこまりました
- 承りました
詳しく見ていきましょう。
「かしこまりました」
「かしこまりました」は、依頼などを謹んで承る意味があります。
「承知しました」と「かしこましました」の違いは、「かしこまりました」のほうが、さらに丁寧で柔らかい表現です。
【例文:かしこまりました】
お客様:「このデザインの色彩を赤系統に変更してください」
業者側:「かしこまりました」
目上の人やお客様に対して使うのに適した言葉です。
「承りました(うけたまわりました)」
「承る(うけたまわる)」は、引き受ける意の謙譲語でもあります。
謹んでお引き受けする、という非常に丁寧な言葉です。
【例文:承る(うけたまわる)】
お客様:「この商品を注文したいのですが…」
お店側:「ご用命、承りました」
お客様や、社外の人に対して使うのに適した言葉です。
「承知しました」の英語表現
「承知しました」の英語表現をご紹介します。
「承知しました」は「わかりました」「引き受けました」の意を丁寧にした言葉です。
英語では次の2つが適しています。
- certainly (もちろん、承知しました)
- I understand(わかりました)
例文で確認してみましょう。
【例文:「承知しました」英語表現】
I will certainly attend to your request.
(あなたのご要望を承知いたしました)
I understand. I will do it right now.
(承知しました。ただちにいたします)
「承知です」「了解です」
明日までにこの記事を修正してください。
了解です!
その言い方、カジュアルすぎませんか。
目上の人からの依頼を引き受けるときに、「承知です」「了解です」と返答するのはやめておきましょう。
「承知です」「了解です」は、カジュアルな話し言葉です。
人によっては失礼に感じることもあります。
特に、目上の人に返答するときに「承知です!」「了解です!」を使わないようにしましょう。
「承知いたしました」「かしこまりました」が適しています。
「承知できない」場合には、「承知いたしかねます」
この部分をもっと違う表現に修正したほうがいいと思うのだけど…
申し訳ありませんが、それは承知いたしかねます。
依頼されたことを断らなければいけないときもあります。
そのようなときには、「承知いたしかねます」と返答するのがよいでしょう。
「申し訳ありませんが」と一言添えてもよいかと思います。
「承知できません」では拒絶の印象が強くなってしまいます。
少し柔らかくお断りするためには「承知いたしかねます」を使いましょう。
丁寧に依頼を引き受ける言葉が「承知いたしました」
「承知いたしました」は、丁寧に依頼を引き受ける言葉です。
目上の人にも、目上の人以外にも使える便利な言葉です。
少し柔らかい言葉で言い換えるなら、「かしこまりました」、丁寧な感じを出すなら「承りました」が適しています。
ニュアンスを考えて使い分けましょう。