呼応(こおう)の副詞の意味と使い方【一覧つき】

呼応の副詞の意味と使い方

呼応は、「こおう」という読み方をします。

「たぶん〜だろう」などのように、ある言葉に対して決まった言葉で受ける表現のことです。

「たぶん」という副詞に対しては、「〜だろう・でしょう」という推量の言葉で受けます。

 

×たぶん 彼女はコペンハーゲンへ行く。

たぶん 彼女はコペンハーゲンへ行く だろう

 

意味がわかるからといって、「たぶん〇〇する」と書いてしまうのは誤りです。

文頭は推量なのに文末は断定になっていては、チグハグな印象は否めません。

読み手にストレスを感じずに読んでいただくためにも、呼応表現はしっかり覚えておきましょう。正しく組み合わせられた文章はスムーズに読み進められて好印象です。

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呼応(こおう)とは?意味と使い方

呼応とは

 

呼応(こおう」とは、ある言葉に対して決まった言葉で受けなければならない表現のことです。

 

  • 彼女が笑うとまるで蕾が開くようだ。(呼応)

 

例文は、「まるで」を「ようだ」で受けています。

このように、それぞれの言葉に応じて、受ける言葉が決まっています。

 

呼応には、次の7種類があります。

【呼応の7種類】
推量 きっと〜だろう
否定(打ち消し) 決して〜ない
否定の推量 まさか〜まい
疑問・反語 どうして〜か
希望 どうか〜たい・ください
仮定 もし〜しても
たとえ まるで〜ようだ

 

呼応する言葉があるのに、受けるべき言葉で受けずに書かれている文章も目にします。

意味がわからなくもないのですが、やはり決まった言葉で受けるほうが据わりがよくスッキリと理解できます。

 

呼応については、副詞の記事でも詳しく解説しています。こちらもご覧ください↓

副詞とは用言を修飾する品詞!3つの種類を簡単解説

 

よく使う呼応5選

よく使う呼応5選

 

まず、特によく使う呼応を簡単にご紹介します。

その後、種類別に詳しく確認していきましょう。

 

次のよく使う呼応に関しては、受ける言葉を忘れないように覚えてしまいましょう。

 

呼応
たぶんだろう たぶん彼は来ないだろう

たぶん納品できるでしょう

もしかしたらかもしれない もしかしたら電車は遅れるかもしれない

もしかしたら世界を変えるかもしれない

決してない 決して忘れない

決してなくすはずがない

全然ない

  ※否定で使う

全然やる気がない

全然問題ない

まるでようだ まるで風のようだ

まるで太陽のようだ

 

特に、「全然〜ない」は、否定の意味で使うように気をつけましょう。

「全然大丈夫です!」のように肯定で使うのは間違いです。

ありがちな間違いですね。

気をつけます。

 

呼応を種類別に紹介

呼応の7種類を例文で解説

 

それでは、呼応を7つの種類別に詳しくみていきましょう。

 

1. 推量

推量では、「たぶん」などの推測する意味の副詞を使い、「〜だろう・〜はずだ・〜と思う」などで受けます。

推量

  • たぶん  〜だろう・〜はずだ・〜と思う
  • きっと 〜だろう・〜はずだ・〜と思う
  • おそらく  〜だろう・〜はずだ・〜と思う
  • もしかしたら 〜かもしれない
  • ひょっとしたら 〜かもしれない

 

よく使われる表現です。

受ける言葉の「でしょう」を「です」にしてしまっている文章もよく見かけます。

「おそらく雨が降ります」では、据わりが悪い印象です。

おそらく雨が降るでしょう」と書くのが正しい表現です。

 

【例文:推量の呼応】

たぶん合格する。

たぶん合格するだろう

 

きっと世界を変えていく。

きっと世界を変えていくはずだ

 

おそらく間に合う。

おそらく間に合うと思う

 

もしかしたら優勝だ。

もしかしたら優勝するかもしれない

 

ひょっとしたらあなたに会える。

ひょっとしたらあなたに会えるかもしれない

 

2. 否定(打ち消し)

否定の呼応は、打ち消す意味があります。

「〜ない」で受けます。

否定(打ち消し)

  • 決して  〜ない
  • 全然  〜ない
  • とうてい  〜ない
  • 少しも  〜ない
  • 必ずしも  〜ない

 

例文で確認してみましょう。

 

【例文:否定の呼応】

決して諦める

決して諦めない

 

全然大丈夫だ

全然大丈夫ではない

 

とうてい信じてもらえるだろう

とうてい信じてもらえない

 

少しもできる

少しもできない

 

必ずしも幸せだ

必ずしも幸せではない

 

3. 否定の推量

否定の推量は、「まさか〜まい」などの型で、副詞の後の内容を打ち消す推測をします。

【否定の推量】

  • まさか まい
  • よもや まい

 

文学的な言い回しに感じます。

確かにそうです。

話し言葉よりは書き言葉として使われることが多いです。

例文で確認してみましょう。

 

【否定の推量】

まさかこの秘密を知っているだろう。

まさかこの秘密を知るまい

 

よもやわかる者はいる。

よもやわかる者はいるまい

 

4. 疑問・反語

疑問・反語の呼応は、「〜か」で受けます。

反語とは、強調するために、断定したいことと反対の内容を疑問の形で述べる表現です。

「どうしてあり得ようか」と表現して、「あり得ない」ことを強調しています。

文学的な言い回しに適しています。

 

【疑問・反語の呼応】

  • どうして  
  • なぜ 
  • 果たして 〜

 

例文で確認してみましょう。

 

【例文:疑問・反語】

どうして奪える。

どうして奪えるもの

 

なぜそれをしていいと思える。

なぜそれをしていいと思えるの

 

果たして達成できる。

果たして達成できるの

 

5. 希望

希望の呼応は、「どうか〜たい」などの型で要望を伝えます。

【希望の呼応】

  • どうか たい・ください
  • ぜひ   〜たい・ください
  • どうぞ  〜たい・ください

 

例文で確認してみましょう。

 

【例文:希望の呼応】

どうか笑っている。

どうか笑ってください

 

ぜひお会いします。

ぜひお会いしたい

 

どうぞお座りになる。

どうぞお座りください

 

6. 仮定

仮定の呼応は、「たとえ〜ても」などのように、「ても」で受けます。

仮定の意味を表します。

  • たとえ 〜ても
  • もし 〜ても
  • 仮に 〜ても

 

例文で確認してみましょう。

 

【例文:仮定の呼応】

たとえ死んだら忘れない。

たとえ死んでも忘れない。

 

もし反対されたら諦めない。

もし反対されても諦めない。

 

7. たとえ

たとえの呼応は、「まるで〜ようだ」のように、物事をたとえる表現です。

  • まるで ようだ
  • さも 〜ようだ

 

例文で確認してみましょう。

 

【例文:たとえの呼応】

まるで魔法だ。

まるで魔法のようだ

 

さも自分が頑張った。

さも自分が頑張ったかのようだ

 

呼応を間違えるとどうなるか

呼応を間違えるとどうなるか

 

まず、次のような文章だったらどうでしょう。

 

  • ☓ 彼女が笑うとまるで蕾が開く。

 

意図はわかるのですが、読み手はなんだかしっくりこない気持ち悪さを感じます。

呼応を使って改善しましょう。

 

  • ◯ 彼女が笑うとまるで蕾が開くようだ。(呼応)

 

これならすっきりします。

 

もう一つ見てみましょう。

 

  • ☓ 検定に合格した。なぜなら毎日2時間勉強した。

 

意味はわからないではないのですが、「何かおかしい」印象を与える文章になってしまいます。

呼応を使って改善してみましょう。

 

  • ◯ 検定に合格した。なぜなら毎日2時間勉強したからだ。

 

これなら、すっきり読み進められます。

呼応で受けるべき言葉を省いてしまうと、読み手に少なからずストレスをかけてしまうことになります。

なんとなく噛み合わない気持ち悪さを感じたら、呼応の受ける言葉を省いてしまっていないか確認してみましょう。

 

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呼応はしっかり組み合わせる

呼応は、受けるべき言葉を使わなくても、意味がわかることもあります。

しかし、呼応も日本語の大切な表現技法です。決まった言葉で受け、しっかり組み合わせることで気持ちよく理解してもらえます。

呼応の受ける言葉を省いてしまったばかりに、読み手はなんだか心地悪い文章と感じてしまうかもしれません。

よく使う呼応表現はしっかり覚えておいて、忘れずに呼応の型にはめましょう。

小さな積み重ねを大切にすることが読みやすい文章を作る秘訣です。

 

 

参考文献:山口拓朗「文章が劇的にウマくなる接続詞」明日香出版社

山口拓朗「伝わる文章が『速く』『思い通り』に書ける87の法則」明日香出版社

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