謙譲語とは?へりくだって相手を敬う表現 【例文で簡単解説】

謙譲語とは?尊敬語との違いも簡単に解説

謙譲語とは、自分側の動作をへりくだって言うことで、結果として相手を敬う表現です。

 

  • 「見る」→「拝見する」
  • 「聞く」→「伺う」「拝聴する」
  • 「行く」→「伺う」

 

謙譲語は尊敬語と混同されがちですが、謙譲語は主語が自分であることがポイントです。

こちらでは、簡単に見分ける方法を例文つきでわかりやすく紹介いたします。

謙譲語から枝分かれした謙譲語Ⅱについてもお伝えします。

謙譲語の基礎知識をこちらでサクッと理解しましょう。

 

敬語でのコミュニケーションスキルは、品のある文章作成にもつながります。

ぜひ、美しい言葉遣いを磨いていきましょう。

 

 

【謙譲語とは】へりくだって相手を敬う表現

謙譲語はへりくだって相手を高めて敬う

敬語には次の5種類があり、謙譲語も含まれます。[注1]

  • 尊敬語       「いらっしゃる・おっしゃる」型
  • 謙譲語I       「伺う・申し上げる」型
  • 謙譲語II(丁重語)  「参る・申す」型
  • 丁寧語       「です・ます」型
  • 美化語       「お酒・お料理」型

 

一般的な謙譲語は上記の分類による謙譲語I」を指します。

この謙譲語は、自分を相手より下に置くことで、相手を敬う表現です。

「私は先生の言葉を聞く」という文章を謙譲語になおしてみましょう。

 

【例文:謙譲語】

私は先生の言葉を聞く

謙譲語例1. 「私は先生の言葉をお聞きする

謙譲語例2. 「私は先生の言葉を拝聴する

 

例文のように、自分の行動をへりくだって表現し、結果として相手を高めて敬意を表します。

 

また、謙譲語には、2007年に枝分かれした「謙譲語Ⅱ(丁重語)」という種類もあります。

謙譲語Ⅱ(丁重語)に分類される言葉は少なく、おもに「参る・申す・いたす・おる・存じる」を覚えておけば大丈夫でしょう。

[注1]文化審議会答申/敬語の指針[pdf]

 

謙譲語の3つのパターン

謙譲語の作り方3つのパターン

謙譲語には、次の3つのパターンがあります。

  • 1. 謙譲語ならではの特定の言葉を使う特定型                「伺う」「申し上げる」
  • 2. 自分の動作に「お・ご〜する」などを付け足し型   「お聞きする」「お届けする」
  • 3. 敬う人物へのものごとに接頭語「お・ご」をつける  「お手紙」「ご挨拶」

 

詳しく見ていきましょう。

 

パターン1. 特定の言葉で言い換える特定型の謙譲語

謙譲語には、特定の言葉で言い換える表現があります。

「行く」を「伺う」と表現したり、「もらう」を「いただく」と表現します。

特定型の謙譲語は、後述の「よく使う謙譲語一覧表」でご確認ください。

 

特定型の謙譲語は、自分側の動作に使う表現です。敬う相手に対して使わないよう注意しましょう。

 

【例文:特定型謙譲語の間違った使用例・正しい使用例】

「あちらの窓口で伺ってください」

◯「どこで買えるか伺いたいのですが」

 

「明日、弊社に伺ってください」

◯「明日、御社に伺います

 

「美味しくいただいてください」

○「美味しくいただきました

 

パターン2. 「お(ご)〜する」付け足し型の謙譲語

付け足し型の謙譲語についてご説明いたします。

 

【付け足し型の謙譲語】

基本形 謙譲語
聞く

会う

お聞きする

お会いする

案内できる

報告できる

ご案内できる

ご報告できる

連絡をもらう

知らせをもらう

ご連絡いただく

お知らせいただく

 

自分の行動に「お(ご)〜する」を付け足すことで、へりくだって相手を高めます。

「お」は「会う」などの和語に、「ご」は「連絡」などの漢語に付きます。

 

このパターンでは、尊敬語と間違える方が少なくありまえん。

前述したように、謙譲語は主語が自分のときのみ使えます。

 

  • 謙譲語は、「お(ご)〜する」「お(ご)〜いたす」
  • 尊敬語は、「お(ご)〜になる」「お(ご)〜くださる」

 

上記の違いを覚え、間違えないように注意しましょう。

自分を主語にして「お(ご)〜する」は謙譲語、と覚えておきましょう。

 

例文:相手を主語に謙譲語を使ってはいけない】

「先生がお話しします」

◯「私がお話しします」

 

「部長がご報告できます」

◯「私からご報告できます」

 

「お客様からご連絡していただく」

◯「こちらからご連絡いたします」

 

バツ印の例文ように、謙譲語の「お(ご)〜する」を、相手の行動を表現するのに使ったらとても失礼な敬語になってしまいます。注意しましょう。

 

パターン3. 名詞に「お・ご」をつける謙譲語

自分の物や行為に「お・ご」をつける謙譲語もあります。

  • お手紙
  • ご説明
  • お電話

 

自分の物や行為に「お」や「ご」をつけるのはおかしいのではないか、と感じるかもしれません。

しかし、自分が書いた手紙や、自分がする連絡であっても、敬う相手に向けたものであれば、謙譲語の表現として「お」や「ご」をつけます。

 

「先生にお手紙をお送りします」の「お」は謙譲表現です。

「お」によって丁寧に相手を敬う気持ちを表しています。

 

例文で見てみましょう。

 

例文:名詞の謙譲語】

×「先輩に手紙を送りました」

○「先輩にお手紙をお送りしました」

 

×「連絡はいつしますか?」

○「ご連絡はいつしましょうか?」

 

×「社長への説明」

○「社長へのご説明」

 

このように、自分の物、自分の行為に「お」「ご」をつけることは、謙譲を表現しているのです。

 

【謙譲語と尊敬語の違い】簡単に見分ける方法

謙譲語と尊敬語の見分け方

「この言葉は尊敬語?それとも謙譲語?」と迷ったときに簡単に見分ける方法は、その言葉に「私は」をつけて文章にしてみることです。

 

たとえば、「伺う」は「聞く」の謙譲語です。

主語を「私は」にして文章を作ってみましょう。

 

  • 私は そのことについて先生に 伺います ←OK

 

「伺う」は主語を「私は」にして成り立つので、謙譲語とわかります。

 

一方、「聞く」の尊敬語「お聞きになる」はどうでしょう。

  • 私は そのことについて先生に お聞きになりました ←NG

 

主語を「私は」にして尊敬語を使うと、なんだか変に感じますよね。

主語を変えてみましょう。

 

  • 先生が そのことについて私に お聞きになりました←OK

 

これなら大丈夫ですね。

このように、主語を相手側にして成り立つのが尊敬語です。

 

 

謙譲語と尊敬語はよく間違われます。

どちらも「相手を高めて敬う表現」なのは同じです。

違いは主語です。

 

  • 「謙譲語」は自分側の行為を低めて相手を高める表現
  • 尊敬語」は相手側の行為を直接高めて敬う表現

 

つまり、下記のように覚えておきましょう。

 

  • 謙譲語の主語は自分側
  • 尊敬語の主語は相手側

 

よく使う謙譲語一覧表【尊敬語・謙譲語・丁寧語を比較】

よく使う敬語を一覧で見てみましょう。

実際に敬語を使うシーンで参考になさってください。

 

基本形 尊敬語 謙譲語 丁寧語
見る ご覧になる 拝見する 見ます
聞く お聞きになる 拝聴する

伺う

聞きます
行く いらっしゃる

おいでになる

伺う

参る(謙譲語Ⅱ)

行きます
もらう お受け取りになる

お納めになる

いただく

賜る

頂戴する

拝受する

もらいます

受け取ります

食べる 召し上がる

おあがりになる

いただく

頂戴する

食べます
する なさる いたす(謙譲語Ⅱ) します
いる いらっしゃる

おいでになる

おる(謙譲語Ⅱ) います
来る いらっしゃる

おいでになる

お見えになる

伺う

参る(謙譲語Ⅱ)

着ます
言う おっしゃる 申し上げる

申す(謙譲語Ⅱ)

言います
思う お思いになる

思し召す

拝察する

存じる(謙譲語Ⅱ)

思います
知る ご存知だ

お知りになる

存じ上げる

存じる(謙譲語Ⅱ)

知っています

 

謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)の違い

謙譲語Iと謙譲語Ⅱ(丁重語)

謙譲語についてあまり知られていない重要な情報があります。

実は、謙譲語は、謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)に分けられるのです。

これは、文化審議会より2007年に示された「敬語の指針」によります。

 

謙譲語Ⅱ(丁重語)の数はそれほど多くはありません。

おもに次の5つが挙げられます。

 

【謙譲語Ⅱ(丁重語)】

基本形 丁重語
言う 申す
行く、来る 参る
いる おる
する いたす
思う、知る 存じる

 

このほか、「拙著」「小社」など、自分側を控えめに表す名詞も、謙譲語Ⅱと位置付けられています。これらはおもに書き言葉で使われます。

 

謙譲語Ⅱを例文で見ていきましょう。

 

【例文:謙譲語Ⅱ(丁重語)】

基本形:       「明日から東京へ行きます」

謙譲語Ⅱ(丁重語): 「明日から東京へ参ります

 

「行く」を「参る」と丁重な言い方にすることで、聞き手に対しての敬意を表現します。

 

また、謙譲語Ⅱは、主語を自分として使うこともできますが、主語を自分側の誰かとして使うこともあります。

例文で見てみましょう。

 

【例文:謙譲語Ⅱ(丁重語)】

自分が主語:     「私は明日から東京へ参ります

自分側の誰かが主語: 「妹が明日から東京へ参ります

 

つまり、謙譲語Ⅱ(丁重語)は、自分側の動作を丁重に表現して、聞き手を敬う表現です。

謙譲語Ⅰと丁重語の大きな違いは、へりくだることで高める相手がいるかいないかです。

 

  • 謙譲語Ⅰは自分側がへりくだることで相手を高めて敬う表現(向かう先がある)
  • 謙譲語Ⅱ(丁重語)は自分側の動作を丁重に表現して聞き手を敬う表現

 

「先生」や「社長」のように、自分側の動作の向かう先があるのが謙譲語Ⅰ

向かう先がなく、聞き手を敬うために自分側の動作を丁重に表現するのが謙譲語Ⅱなのです。

 

【参考元】文化審議会/敬語の指針/敬語の形/3謙譲語Ⅱ(丁重語)28ページ[pdf]

 

【注意】よくある謙譲語の間違い

相手側の動作は謙譲語ではなく尊敬語

謙譲語でよくありがちな間違いをご紹介いたします。

チェックしてみてくださいね。

 

「お〜する」は、謙譲語です。自分を低める表現であるため、相手側に使うと失礼になってしまいます。気をつけましょう。

 

【例文:謙譲語「お聞きする」】

×「受付でお聞きしてください」

◯「私がお聞きします

 

このほかにも、相手側に使ってしまいがちな謙譲語を見ていきましょう。

 

【例文:謙譲語「伺う」】

×「お客様はこの件について伺っていますか?」

◯「私はこの件について伺っております

 

【例文:謙譲語「いただく」】

×「どうぞ冷やしていただいてください」

◯「冷やしていただきます

 

【例文:謙譲語「差し上げる」】

×「先生から生徒さん達に差し上げてください」

◯「私から先生に差し上げます

 

【例文:謙譲語「拝見する」】

×「お客様は資料を拝見してどう思われましたか?」

◯「私が資料を拝見して思ったのは…」

 

美しい言葉遣いを身につけ文章作成に活かそう

「謙譲語は主語が自分側のときに使う」という原則を覚えておきましょう。

この原則をおさえておけば、謙譲語で失礼な敬語になってしまう事態を防げます。

 

敬語はうっかり間違えがちです。

スラスラと使うためには、なんといっても研鑽を積むことです。

ビジネスの場面やメールなど、確認しながら経験を重ねることで、美しい言葉遣いを身につけられます。

 

美しい日本語力をもてば、文章作成にも必ずや活きてきます。

普段の言葉遣いにも美しさや思いやりを心がけてみてください。

 

 

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