いろいろな書籍やweb記事で、読みやすい文章のバランスは「漢字3割:ひらがな7割:(カタカナ0〜1割)」と言われていますが、弊社でもこの割合を尊重して記事作成を行っています。
正直理由はわかりませんが、弊社サイトのユーザーやクライアント様がご満足されている様子を見ると、この黄金比が良いという事に確信に近いものを持っています。
本記事では以下の内容を解説します。
- 「漢字3割:ひらがな7割」は実際にどのくらいのバランスか
- 漢字の使用率を確認する方法
- 「漢字3割:ひらがな7割」をつくるコツ
ぜひ本記事を最後まで読んで、読みやすい文章を書くための参考にしてください。
目次
読みやすい文章のバランスは「漢字3割:ひらがな7割」
文章を書く時は、「漢字3割:ひらがな7割」を意識しましょう。
ピッタリに収めるのは難しいので、漢字の使用率は20%〜30%くらいを目安にすると良いです。
漢字が30%ほど含まれている文章は読みやすいといわれています。
30%以下では締まりがなくなり、40%ではいくらか硬い感じになるといいます。
(参考元:「大漢和辞典を読む」紀田順一郎編・大修館書店)
では、漢字とひらがなのバランス3:7は、実際にはどのくらいなのでしょうか。
例文をもとに見ていきましょう。
「漢字3割:ひらがな7割」の例文
漢字が多い文章と、ちょうど良い文章を比べてみます。
漢字の使用率:42%
読み易い文章を書くコツは、漢字と平仮名のバランスです。
漢字が多すぎると文章は読み辛く、反対に平仮名が多すぎると稚拙な文章に成ります。
漢字の使用率:25%
読みやすい文章を書くコツは、漢字とひらがなのバランスです。
漢字が多すぎると文章は読みづらく、反対にひらがなが多すぎると稚拙な文章になってしまいます。
後者の方が読みやすいと思います。
後者の漢字の使用率が25%なので、だいたいこのくらいの漢字のバランスがちょうど良いことを感覚的に覚えておきましょう。
カタカナは最小限しか使わない
カタカナの名詞や、どうしてもカタカナでないと読者に伝わらないという場合だけカタカナを使いましょう。
漢字やひらがなを使って言い換えられる言葉であれば、変換するのも1つの手です。特にビジネスシーンでは、カタカナを多用すると頭の悪そうな印象や誤解を与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
<例文>
ダイバーシティを重視した経営を心がけ、ワークシェアリングの徹底と社員のモチベーション管理にもコミットしている
カタカナを多用した文章は読者にとって意味が分かりづらく読みづらいケースもあります。この例文でもワークシェアリング(業務分担・雇用の分け合い)やモチベーション(やる気)、コミット(目標に対して責任をもつ)は一般的にも使われているため比較的わかりやすい言葉でしょう。
しかし、ダイバーシティに多様化・相違点という意味があると分かる人は少ないでしょう。
「なぜ都内にある商業施設の名前がここに出てくるの?」と思ってしまう読者もいるかもしれません。
言葉の意味がわかりにくく、誤解を与えやすい可能性も高くなるので、本当にカタカナでなければ伝わらない場合を除いて、カタカナを使うのは避けたほうがいいでしょう。
漢字の使用率を確認する方法
自分が書いている文章の中で、漢字の使用率を確認したい時は、以下のツールなどで確認することができます。
参考:『漢字使用率チェッカー』
使い方は、調べたい文字を貼り付けて「漢字率を算出」をクリックするだけです。
ちなみにこの記事の漢字使用率は27%でした。
漢字3割・ひらがな7割のバランスで読みやすい文章をつくるコツ
では、実際どうすればバランスの良い3:7に近づける事ができるのでしょうか。
以下の3つのコツを意識するだけで、バランスの良い文章が作れるようになります。
- ひらがなでも不自然じゃない言葉はひらがなにする
- 難読漢字(難しい漢字)の使用は控える
- 助詞を入れる
順に解説していきます。
ひらがなでも不自然じゃない言葉はひらがなにする
1つ目のコツは、「ひらがなでも不自然じゃない言葉はひらがなにする」です。
「ひらがなでも不自然じゃない言葉」はたくさんあります。
例えば以下のような言葉です。
等:など
時:とき
事:こと
程:ほど
所:ところ
是非:ぜひ
様々:さまざま
下さい:ください
更に:さらに
宜しく:よろしく
致します:いたします
例えば:たとえば
出来ます:できます
面白い:おもしろい
〜と言う物が:〜というものが
私:わたし
何時:いつ
良い:よい(いい)
〜の様に:〜のように
上手く:うまく
丁度:ちょうど
これらの漢字の使用を控えるだけで、文章は読みやすくなり、漢字とひらがなの割合もちょうど良くなるでしょう。
反対に、上記の漢字を多用した場合、固く読みにくい文章になってしまいます。
なので、ひらがなでも不自然じゃない言葉は、ひらがなで書くようにしましょう。
ただし、サイト内で表記が決められているものや、正式表記が漢字の名称、固有名詞などはそのままにする必要がありますから注意してくださいね。
漢字をひらがなにする目安としては、以下を参考にしてください。
- 動詞が続く場合は、後半の動詞をひらがなに
ドラマを見つづける(見る+続ける) - 補助で使う場合の動詞(補助動詞)
おみやげにケーキを買ってきてあげる - 副詞
まったく(全く)、ほとんど(殆ど) など - 具体的な意味をもたない名詞
とき(時)、こと(事)、もの(物)など
漢字かひらがなで迷ったときは?
もの、いく、など漢字かひらがなで変換を迷うこともあるでしょう。名詞や動詞は漢字にするなどルールを決めておくと、表記ゆれも起こしにくくなり、おすすめですよ。例を参考になさってください。
<例>
人は誰でも失敗するものだ
物の価値がわからない(名詞)
困ったときにはお互い様だ
時の流れには逆らえない(名詞)
聞いたところによると、かなり無理をしていたらしい
メモを置いた所を忘れてしまった(名詞)
引き出しの中は整理しておく
書類を机の上に置く(動詞)
不安になってきた
彼女は先週末にやって来た(動詞)
参加していただきたい
名刺を頂きたい(動詞)
新聞社や出版社が監修・発行している用事用語集なども参考になりますよ。
難読漢字(難しい漢字)の使用は控える
2つ目のコツは「難読漢字の使用は控える」です。
難しい漢字とは、例えば以下のようなものです。
<例>
蟠り→わだかまり
企む→たくらむ
ひらがなにすると意味が分かる言葉ですが、漢字で書くと読めない人が多いですよね。
なので、こういった難しい漢字はひらがなで書くようにしましょう。
このような難しい漢字を使った場合、ユーザーが読むのを中断してしまう可能性があります。検索ユーザーは、一つでも読めない漢字が出てきた時点で離れていく事がしばしばありますからね。
少しでも「読めない人がいるかもしれない」と思った漢字は、使用を控えましょう。
助詞を入れる
3つ目のコツは「助詞を入れる」です。
助詞とは、「が」「を」「は」「の」「に」のようなもので、言葉と言葉をつなぐ文字です。
漢字の熟語が続いて、読みにくい文章になることってありますよね。
そういう時は、助詞を入れることで解決する場合が多いです。
以下の例文を見てみましょう。
<例文>
最重要項目は〇〇です。
↓
最も重要な項目は、〇〇です。
来週多分雪が降ります。
↓
来週は多分、雪が降ります。
助詞を少し入れた程度ですが、読みやすい文章になりましたね。
このように熟語が連発してしまう時は、適度に助詞を入れるようにしましょう。
そうすることで、漢字とひらがなのバランスがちょうどよくなり、読みやすい文章になります。
漢字とひらがなのバランスを整えるのはユーザーの読みやすさのため
漢字3割:ひらがな7割で文章を作成するのは、全てユーザーの読みやすさのためです。
下記のような考えは、今日から捨てましょう。
- ひらがなが多い文章は幼稚な印象を与える
- 自分が読めなくても、漢字にしておけば間違いない
ユーザーに文章の内容を理解してもらうために、快適に読み進めてもらうために、3つのコツを取り入れて、読みやすくて綺麗な文章を作ってください。