専門知識を特に必要としていないWebライティングの案件が増える中、日本語を間違って使っている文章も増えています。
読みやすい文章を書く上で、副詞の使い方はとても重要です。特に程度や状態を表す副詞を間違って使うと、意味の違う文章になってしまいます。
正しく日本語の副詞を使うことでワンランクアップした質の高いWebライティングを目指しましょう。
目次
副詞は状態・程度・呼応を表現する言葉
副詞とは文中の言葉の意味をより詳しく説明するために使われる言葉です。活用されず、大半が平仮名で表記されています。
副詞には大きく分けて
- 状態の副詞
- 程度の副詞
- 呼応の副詞
の3つがあります。まずは種類を知って正しい使い方を学びましょう。
状態の副詞
状態の副詞は、動作の状態を表現するため、どのような動作かが容易にイメージできるようになります。
自然の音や動物の声、または物事の様子を想像させる擬態語や擬声語も含まれます。
(例)
- 「子どもがのびのび育つ。」
- 「川の水がさらさら(と)流れる。」
- 「星がきらきら光っている。」
- 「雷がごろごろと鳴った。」
程度の副詞
程度の副詞は、状態や性質をより詳しく描写している言葉です。どの程度その言葉のような状態になっているのかを教えてくれます。
副詞は用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する語ですが、程度の副詞は他の副詞を修飾することがあります。
(例)
- その結果はたいへん残念だ。
- 彼女の話し方には少々乱暴なところがある。
- 今日の夜は結構寒い。
- 彼女のドレス姿は一段と美しい。
- もっと早く起きてほしい。(「早く」は副詞です)
呼応の副詞
呼応の副詞は、下に受ける言葉が決まっているため、セットで文中に登場します。この呼応の副詞の中にもいろいろな種類があり、問題提起、推量、打消、願望を述べる時に使われます。
(例)
- 「彼の力には到底かなわない。」
- 「おそらく彼は戻ってこないだろう。」
- 「たとえ失敗してもあきらめない。」
- 「どうしてそんなに泣いているの。」
- 「ぜひ私の話を聞いてほしい。」
- 「まるでリンゴのような頬をしている。」
日本語における副詞の正しい位置
日本語の副詞を正しく使うにはその位置を理解しておく必要があります。先ほども述べましたが、副詞は用言を修飾するものであり活用できません。
例外もあり、体現や他の副詞を修飾していることもありますが、ほとんどの場合は用言の前に置かれる言葉です。
副詞は物事を詳しく説明するために不可欠な要素ですが、あまりにも多用してしまったり、間違った位置に置いてしまったりすると、文章が分かりにくくなります。思いついた順番に言葉を並べて、文章を作る傾向にある人は要注意です。
例えば赤いバラについて文章を作るとします。
(例)
「赤いとても魅力的なバラがありました。」
「とても赤い魅力的なバラがありました。」
どちらも使っている副詞は「とても」です。しかし、「とても」の位置が変わることにより、「魅力的な」を強調したいのか、「赤い」を強調したいのか異なります。
前者は「魅力的な」の前に「とても」が置かれているため、「魅力的な」が強調されています。後者は「赤い」の前に置かれているので、「赤い」が強調されていますね。
このように読者と執筆者の感じ方が変わり、トピックによっては大きな誤解を生じさせることもあります。
誤解を与えやすい副詞のOK例とNG例を3つ解説
正しい副詞の使い方を覚えることで、分かりやすくてイメージしやすい文章を書くことが出来ます。
下記では3種類の副詞を紹介します。それぞれのOKな使い方とNGな使い方を解説しますので、今後の副詞を使った分かりやすい文章の作成にお役立ていただければ幸いです。
だいぶ(大分)
「だいぶ(大分)」は時間の変化を測るときに使われる副詞です。
(OK例)
「だいぶ暖かくなってきましたね。」
(NG例)
「だいぶ痛みが軽くなってきました。」
前者の「だいぶ」は、「暖かい」という用言(形容詞)を修飾しているので使用可能です。
しかし、後者の場合は「痛み」という体言(名詞)の前に「だいぶ」をもってくると意味が伝わりにくくなります。
よりスムーズに違和感なく読み進めてもらうためには【用言の前に副詞】という基本を忘れないようにしましょう。
もっと
「もっと」は程度を表す副詞です。以前のものと比べて増しているさまを表す副詞として使われます。
(OK例)
「この前見た時より人がもっと増えています。」
「これから北海道はもっと寒くなります。」
(NG例)
「もっとこの前見た時より人が増えています。」
「もっとこれから北海道は寒くなります。」
「もっとこの前見た時より人が増えています。」の「もっと」は、「この前」に関する程度を表しているのか、人数が増えたことに関しての程度を表しているのかがはっきりしません。
また、「もっと」はある時点から時間が経過して増加していることを示すのに、「これから」の前に置くと時系列がよく分からなくなってしまいます。
まるで
「まるで」は呼応の副詞です。比況や例示を表す時にこの副詞を「〜のように(だ、な)」とセットで用います。
(OK例)
「まるで太陽のようにキラキラと輝いています。」
「まるでお菓子の家のような可愛らしい家だ。」
(NG例)
「この輝きはまるで太陽だ。」
「まるで」は「〜のように(だ、な)」とセットで使わなければなりません。これがこの副詞を正しく使うためのルールです。
体言の前に用いたり、「だ」と言い切ったりしてしまうとそれは副詞としての役割を果たしていない間違った使い方になるのです。
副詞を正しく使って分かりやすいWebライティングにしよう
文中の用言を修飾し、詳細なイメージを読者に抱かせる便利な言葉が副詞です。
使い方次第で文章が分かりにくくなったり、意味が伝わらなくなったり、誤解させてしまう可能性があるので正しい使い方をマスターして上手に使いましょう。