文章を作成する上で、文中に名詞を使うことは必要不可欠です。名詞を上手に使うことで、文章が個性豊かに、味わい深いものになりますよね。
しかし、何気ない名詞の使い方で、他人の名誉毀損になってしまったり、権利を侵害してしまったりする場合があることをご存知でしょうか。
この記事では、日本語の名詞を使うときに気をつけたい落とし穴3つをご紹介します。
ライティングの際にご参考にしていただければ幸いです。
目次
そもそも名詞にはどういう役割がある?
名詞とは、モノ、人、コトなどを指し示す言葉です。様子を表す形容詞や、動作を表す動詞などとは対極的な概念です。
ところで、名詞の中には、普通名詞と固有名詞の2つの種類が含まれます。両者の違いとしては、同じ種類の対象物をある程度包括した名詞が普通名詞、ある特定の対象のみに与えられた名詞が固有名詞です。
例をあげると、金閣寺は京都府東山にある足利義満が建てた特定の寺で固有名詞であるのに対して、寺という一般名詞は、およそ仏様を祀った日本中の多くの宗教施設を含みます。固有名詞のほうが、圧倒的に範囲が狭く、特定性が高いと言えます。
意識しないで固有名詞を使っていることがある
私たちは、それと意識しないで固有名詞を使っていることもよくあります。上述の金閣寺のような例では考えにくいですが、例えば、「けがをしたのでバンドエイドを貼りまし」、という文章に含まれるバンドエイドとは、実は固有名詞なのをご存知でしょうか?
バンドエイドは特定の会社が出している商品名で、一般名詞としては絆創膏といいます。
他にも、万歩計は商品名としての固有名詞で、一般名詞としては歩数計という名前になります。
このように、意識しないで固有名詞を使うことによって、固有名詞の対象物に関係する第三者の権利を、知らず知らずに侵害してしまうことがあります。文章を書くときに知らず知らずこのような落とし穴にはまらないように、正しい知識を身につけましょう。
固有名詞を誤って使うと、他人の商品のイメージを傷つけたり、特定の商品のみを宣伝することになったり、商標権や不正競争防止法等の法律に触れたりするなど3つの落とし穴にはまってしまうことがありえます。
公表される文章に使うと商品の評判を傷つけることもある
言葉は本来個人が自由に表現して良いものではあるので、例えば個人的な日記など、他人に見せない文章であれば、どういう名詞を使っても自由です。
しかし、ウェブ上の記事や広告宣伝物など、不特定多数の人が目にする可能性がある文章に固有名詞を使うことで、固有名詞の指す事物の関係者の名誉を害したり、逆に宣伝し過ぎたりしてしまうことがあります。
例えば、商品をけなすような文章に固有名詞を使うと、その商品だけが競合商品に比べて劣っているような印象を与えることがあります。セロテープは固有名詞ですが、セロテープは粘着力が弱い、と書くと他の接着テープに比べてセロテープの性能が悪いような印象を与えます。
意図せず特定の商品のみを宣伝することになることも
悪い評判に限らず、良い評判でも、固有名詞を一般名詞と混同して使うことで、思わぬ影響が出ることもあります。例えば、「虫歯対策にはフロスピックだよね」という表現の場合、フロスピックという特定の商品が他の糸ようじ全般に比べて優れているという解釈にもなります。
意図して宣伝する場合であればともかく、意識せずに特定の商品のみに言及することによって、逆に他の商品の広告宣伝効果を損なってしまうこともあります。
商標登録や不正競争防止法上問題になることも
特定の商品やサービスについては、商標登録がされており、商標権者以外は商用で名称を利用してはいけないことがあります。文章の中で商標名に触れたからといって、すぐさま商標権侵害になることは少ないですが、商標権登録をしているということは、名称をつけた人が名称にブランド価値を感じているということです。
商標権の登録と維持にはお金もかかりますので、商標登録されていない名称と比べると、他人が使用することにセンシティブな場合が多く、迂闊に使うとクレームリスクがあります。
また、非常に有名な名称の商用利用は、名声にただ乗りしているということで、不正競争防止法上の問題になることもあります。
固有名詞の誤用によるトラブルを避けるために
思わぬ名詞が固有名詞だったりすることもありえるため、すべてのトラブルを事前に察知することは難しいかもしれません。しかし、この名称は使用しても大丈夫かと不安に思ったら、商標登録がないか調べてみたり、他の一般名詞に置き換えたりすることで、ほとんどのトラブルは未然に防げることでしょう。
ウェブライティングでは、クライアントによってレギュレーションが定められていることも多く、名詞の使い方についてもルールがあることも多いです。合わせてよく目を通しましょう。
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