終活は「人生の終わりのための活動」 です。
そんな終活の一環として「自分史」を作成する人が増えています。
自分史を作成することで、人生を振り返り、自分を知り、これからの人生をより豊かに過ごすことができます。
こちらでは、終活のための自分史について、作成するメリットなどを解説いたします。
就活のための自分史との違いや、自分史を作成するためのポイントについてもご覧ください。
「自分史」を自力で作成するのが難しいと感じたら、自分史作成サービスに依頼するのがおすすめです。
目次
終活のための「自分史」とは:人生の振り返り
終活とは、「人生の終わりのための活動」の略称です。
人生の終わりを迎えるために、身辺整理などのさまざまな準備をします。
【終活の例】
- 医療の希望を示す
- 片付けをする
- 資産の整理をする など
これら終活の一環として、「自分史」の作成が挙げられます。
終活のための「自分史」とは、シニア(高齢者)世代が、これまでの人生の経験を書き記したもののことです。
自分史の形式に決まりはありませんが、一般的には次の3つで形成されます。
【自分史】
- 自分史年表
- ライフステージごとのエピソード
- それぞれの時期の写真
自分史では、自分がこれまで歩んできた過去を書き記します。
自分史の作成をすることで、ご自分の人生を振り返り、記録として残すことができます。
自分史があれば、貴重な経験や知識を、子々孫々まで伝えられます。
それぞれの年代の経験、それぞれの時代の変遷は、周囲の方には、興味深く受け止められることでしょう。
終活のための「自分史」:7つのメリット
終活の一環として「自分史」を作成することには次の7つのメリットがあります。
- 自分の人生の軌跡が残せる
- 自分への理解が深まる
- 自己肯定感が高まる
- 自分の人生を知ってもらえる
- 家族とのコミュニケーションが深まる
- 楽しく脳を活性化できる
- これからの生き方を見つけられる
自分史を作成すれば、ご自分の人生経験がいかに貴重であるかを感じることになります。
自分だけが知っている、歩んできた道のり、出会った人たちを、ぜひ、記録として残してみましょう。
自分史を作成することで、人生を振り返り、大切なことに気づき、これからの時間をより有意義に過ごせます。
楽しく脳を活性化できるのも嬉しいメリットです。[注1]
「終活やることリスト」についての記事もご覧ください。↓
エンディングノートと「自分史」の違い
エンディングノートと自分史は違います。
エンディングノートは、人生の終わりに備えて、必要な情報を整理して書き残しておくノートです。
「終活ノート」とも呼ばれます。
エンディングノートには次のような内容を書き記します。
【エンディングノートの内容】
- 自分についての基本情報(氏名・生年月日・住所・連絡先)
- 財産について
- 葬儀やお墓について
- 医療や介護の希望
- 遺言書の有無
エンディングノートがあれば、いざというときに、ご家族は必要な情報をすぐに知ることができます。
自分史は、自分のこれまでの人生の経験を書き記したものです。
エンディングノートの中に自分史を含める人もいますが、両者は異なるものです。
【自分史とエンディングノートの違い】
自分史 | エンディングノート | |
目的 | ・人生の振り返り
・人生の気づき ・これからの生き方を豊かにする ・自分の人生を他者と共有する |
・必要な情報の整理
・遺族が困らないようにする |
内容 | ・自分史年表
・ライフステージごとのエピソード ・それぞれの時期の写真 など |
・自分についての基本情報 (氏名・生年月日・住所・連絡先)・財産について・葬儀やお墓について・医療や介護の希望・遺言書の有無 など |
エンディングノートが必要な情報を整理して記載するのに対し、自分史はこれまでの人生を書き記すものです。
就活のための「自分史」は自己分析のためのツール
シニア・ミドルが作成する終活のための「自分史」と、若者が就職活動のために作成する「自分史」は性質が異なります。
就活のための自分史は、自己分析を目的に作成されます。
自分史を作成しながら自己分析をすることは、自分の強みを効果的にアピールするために役立ちます。
これまでの経験を振り返ることは終活のための自分史と同じですが、作成目的が大きく異なります。
就活のための自分史は、次の目的で作成されます。
【就活のための自分史:作成目的】
・自己分析に役立てる
・自己PRに活用する
・面接でエピソードを話せるようになる
また、終活のための自分史は一冊の本に仕上げますが、就活のための自分史は、もっと簡潔(A4サイズ2枚程度)にまとめます。
「自分史」の作り方4つのポイント
自力で「自分史」を作るときの知っておきたい4つのポイントをご紹介します。
ポイント1. 構成パターンを選ぶ
自分史には構成パターンがあります。
構成パターンに沿って作成していきます。
【自分史の代表的な構成パターン】
・時系列式
・テーマ式
・エッセイ式
時系列式が一般的ですが、これでなければならないという決まりはありません。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【時系列式】
時系列式は、自分史の最もオーソドックスな作成方法です。
誕生から現在までを、時系列に記していきます。
ライフステージを時系列に区切って書き出します。
【ライフステージの例】
- 誕生したとき
- 幼少期(0-6歳)
- 学童期(6-12歳)
- 思春期(13-18歳)
- 青年期(19-39歳)
- 壮年期(40-65歳)
- 老年期(65歳ー)
例えば、次の手順で作成できます。
- 手順1. 自分史年表をまとめる
- 手順2. ライフステージごとに思い出す
- 手順3. エピソードを選び出す
- 手順4. 構成を作る
- 手順5. 執筆
時系列といっても、年代によっては、なかなか思い出せないということもあります。
よく思い出せる年代から、どんどん書いてみましょう。
連鎖的に、ほかの年代も思い出せるようになってきます。
最終的には時系列に仕上げます。
【時系列で書くのが向いている人】
・人生の重大事をすべて書き記したい人 ・自分の変遷を書き記したい人 |
【テーマ式】
自分史のテーマを決めて作成する方法もあります。
自分史のテーマには、次のようなものが挙げられます。
【自分史のテーマの例】
- 仕事
- 子育て
- 恋愛
- 趣味(音楽・美術など)
- ボランティア活動
人には、それぞれ、人生をかけて打ち込んだ何かがあるものです。
それは必ずしも仕事や子育てであるとは限りません。
自分が人生をかけたと思えるものを自由に選び、それについて書き記します。
テーマを決めたら、そのテーマをステージで区切り、エピソードを書き出していきましょう。
【テーマ式で書くのが向いている人】
・人生をかけて打ち込んだものについて書きたい人 ・自分が夢中で取り組んできたものを伝えたい人 |
【エッセイ式】
エッセイ式は、順序だてて作成していくことはハードルが高いと感じる人に最適です。
「何から書いてよいかわからない」
「最初に構成を組むのが億劫」
そんな方は、思いつくことから、気ままに書いていくエッセイ式がおすすめです。
【エッセイ式の書き方の例】
・順不同
・それぞれのエピソードは簡潔に(500文字以内など)
とりあえず書き溜めるために、無料ブログを利用してみてもよいでしょう。
手書きが好きな人であれば、原稿用紙に書く形でも大丈夫です。
まずは、気軽に書き始めてみましょう。
ある程度のエピソードを書き溜めたら、厳選して自分史にまとめます。
【エッセイ式で書くのが向いている人】
気軽に始めたい人 ライフステージやテーマに縛られず、好きなことだけ書きたい人 |
ポイント2. 自分史に必要な資料を集める
自分史は、やみくもに書き始めても頓挫してしまうことがあります。
書き始めることと並行して、必要な資料を集めましょう。
【自分史作成に必要な資料の例】
誕生から今に至るまでの写真
自分に関するビデオやDVD
学校の卒業アルバムなど
学生時代の文集や作文
手紙・年賀状
自分の名刺やいただいた名刺
自分のルーツや、それぞれの年代の社会情勢については、インターネットを利用して情報収集することもできます。
【自分のルーツが分かるホームページ】
【社会情勢が分かるホームページ】
写真の整理をしていると、ついつい見入ってしまって整理できないまま時間だけが過ぎていくことがあります。
あまりにも膨大な資料を前に手がとまってしまうなら、自分史作成サービスを頼ってみるのも一つの方法です。
作成サービスであれば、インタビューした内容に合うよう、お送りいただいた写真を厳選して、素敵な自分史を仕上げてくれるでしょう。
ポイント3. 完成したら見直しをする
完成したら、数日おいてから新しい気持ちで見直しをしてみましょう。
おそらく、誤字脱字や修正部分が見つかるはずです。
漢字・平仮名・算用数字・漢数字などの表記に迷ったら、「記者ハンドブック」を参考にしてみましょう。[注2]
出版業界のスタンダードが分かります。
編集や校正を専門的にやりたいとお考えなら、自分史作成サービスに依頼するのがおすすめです。
専門知識をもつライターが、誰にでも読みやすいスタンダードな文章で仕上げてくれるでしょう。
[注2]一般社団法人共同通信社「記者ハンドブック」株式会社共同通信社
表記について迷ったら、こちらの記事もご覧ください。↓
ポイント4. 自分史の終わり方はこれからの人生への希望を書き記す
人生の終焉のために自分史を作成するとしても、自分史の最後はこれからの希望を書き記すようにしましょう。
次の効果が狙えます。
【自分史の最後にこれからの希望を記す効果】
- 自分史で綴られる人生全体を明るい印象にできる
- 厳しい人生であっても希望が残ることで勇気が出る
- 人生を肯定できる
- 今の心境を共有できる
ご自分の人生を振り返ることで、今後の生き方を新しく考えることができるのは、自分史を作成する大きなメリットです。
自分史作成で得られた今後への希望をぜひ、言語化して、自分史の結びとしましょう。
自分史の作り方については、こちらで簡単な作り方を解説しています。↓
「自分史」作成に役立つツール
自分史作成に役立つツールをご紹介します。
自分史ノート
市販の自分史ノートを利用すれば、シニア世代の人も気軽に自分史作成に取り組めます。
自分史を作成する前の準備として、自分史ノートを活用しましょう。
次の方は、自分史ノートを利用するのがおすすめです。
- パソコンが苦手
- 手書きが好き
自分史ノートに書き込んで、ある程度エピソードを整理できたら、本格的に自分史作成に取り組むとよいでしょう。
自分史年表テンプレート
自分史年表のテンプレートを活用するのもおすすめです。
時系列にざっくりと人生を俯瞰できます。
【自分史年表テンプレート】
Microsoft | ・PowerPointで自分史年表を作成・シンプル |
Digipot | ・フリー素材・世界の動向、日本の動向も入力できる |
Think over | ・Excel版、PDF版がある
・Googleスプレッドシートで利用可能 ・未来の年表もある |
自分史年表についての記事もご覧ください。↓
情報収集に役立つホームページ
前述したように、自分史を作成するためには情報収集が必要です。
次のツールを活用してみましょう。
【自分のルーツが分かるホームページ】
【社会情勢が分かるホームページ】
「自分史」は作成サービスに依頼するのがおすすめ!
終活の一環として自分史の作成を始めて気がつくのが、「思っていたより大変」だということです。
【自分史を作成するために必要な作業】
- 思い出す作業
- 情報収集する作業
- 思い出や情報を整理する作業
- 執筆作業
上記の作業を1人で進めるのは、とてつもない根気が必要です。
ご自分だけで煮詰まってしまうと、本来は楽しいはずの自分史作成が億劫になってしまいます。
せっかく取り組み始めた自分史作成を、途中であきらめてしまうのはとてももったいないことです。
そこで、自分史作成サービスを頼ってみることをおすすめします。
自分史作成サービスに依頼することには、次の4つのメリットがあります。
【作成サービスに依頼するメリット】
1. 時間と労力を上手に使える 2. 誰にとっても読みやすい自分史ができる 3. 専門家と一緒に取り組めるから楽しい 4. 美しいデザインに仕上がる |
終活のために「自分史」は楽しく作成しよう
終活のための「自分史」について解説いたしました。
「自分史」を作成することには、人生を振り返り、自分を知り、これからの人生をより豊かにする効果があります。
ご紹介したポイントを参考に、まずは作成に取り組んでみてください。
実際に自分史の作成を始めてみると、自力での作成はなかなか難しいと感じるかもしれません。
そんなときには、作成サービスを頼ってみましょう。
専門知識をもつライターと一緒に、楽しく自分史作成ができます。