ライターの皆さんは、コラム記事の依頼を受けることもあるでしょう。
コラムといえば代表的なものに朝日新聞の「天声人語」や、読売新聞の「編集手帳」が挙げられます。学生時代にこれらをお手本にするようにと教わった方も多いかと思います。
読み手としては気軽に読めて楽しいコラムですが、書き手になると「面白いものを書くぞ!」と、少し気合が必要です。
Webライターとして活動する筆者が、エッセイではなくコラムの構成を意識している理由を、「コラム風に」ご紹介します!
目次
そもそもコラムって何?
コラム(column)とは、もともとは「円柱」の意味があります。
横書きの英字新聞では縦型の余白がしばしば出ることがあり、その余白に収まる批評や意見を書いた短い記事が柱のように見えることから「コラム」と呼ばれるようになったそうです。
現在でもその定義には曖昧な部分はあるのですが、一般的に次の条件を満たすものがコラムといえるでしょう。
記事にあらず!筆者の意見が書かれている
基本的に新聞や雑誌、Webなどの「記事」が事件やある物について客観的に事実を伝えるものであるのに対し、コラムはある事柄について筆者の個人的な意見や見解を書くことができます。
ただし、掲載されること、他人に読まれることが前提であるため、多くの人が知っている物事をテーマにする必要があります。
エッセイとの大きな違いは「根拠となる情報が書かれている」
上述のとおり、コラムは「記事」とは違って自分の意見を書くことができます。
しかし、コラムは自分の意見を述べるうえで、根拠となる情報や個人的な分析を書いて説得力を持たせる必要があります。イメージとしては、ごく小さな論文と考えていただくとよいかもしれません。
一方、コラムと同様に自分の意見を自由に書ける文章としてエッセイがあります。こちらは、基本的に他人が読むことや特定の場所への発表を前提としていないため、根拠は必要とせず、筆者の思っていることや身近な体験などを自由な形式で書けます。
インターネットの普及によって誰でも自分の文章を社会に発表できるようになった今、コラムと言いつつも内容的にはエッセイである文章も少なくありません。文章作成に携わる方は、この違いはしっかりと理解しておきたいところです。
コラムはサッと読めて主張や結論が端的に書かれている
コラムという言葉の由来からもおわかりのように、コラムはあくまでも「ちょっとした記事」であり、長々と書くものではありません。
限られたスペースの中で筆者の主張や結論を端的に表現するとともに、どんな人が読んでもすぐに内容が理解できる読みやすい文章である必要があります。
ついつい読んでしまうコラム3つの書き方
世にある無数のコラムの中から、ついつい読んでしまうコラムの共通点をご紹介したいと思います。
すべてのコラムに通じるわけではありませんが、コラムを書くうえでどれも重要なポイントです。ぜひ参考になさってください。
1.構成が「序破急」
コラムという限られた文字数の中では、「序破急」という3部構成にすることで、短いながらもまとまりのある文章を作成できます。
「序破急」の「序」は書き出しのことで、ここに結論や自分の意見を持ってくることで読む側の関心をひきつけます。「ん?どういうこと?」「うんうん、そうそう…」と思わせることができればこちらのものです。
次に「破」は展開部で、「序」の具体的な説明などを、根拠や分析を交えてできるだけ論理的に書きます。コラムの核となる部分ですので、気合を入れて調査しましょう。
そして最後の「急」で、感動や痛快、納得など、読む側に何らかの感情が湧くまとめの文章を書きます。ここで「面白かった!」と感じてもらえれば、コラムとして成功です。
2.独特の切り口を持つ
少し前にネット上でも「秀逸すぎる」と話題になった、読売新聞「編集手帳」のコラムをご紹介します。
公認会計士の武田雄治(@takeda_cfo)さんがTwitterで紹介された読売新聞「編集手帳」のコラムです↓
なんでこんなすごい文章がかけるんだ。。 pic.twitter.com/fI75d5Ls4x
— 公認会計士 武田雄治 (@takeda_cfo) February 15, 2017
まず、国語辞書の「新郎」の隣の言葉に着目するところから驚きなのですが、さらにその隣の言葉を「隣人」と比喩し、話題のニュースへと話を繋げていきます。
最後は、ニュースで流れた「バレンタインデー」の「隣人」について紹介し、いわゆる「オチ」をつけて文章をしめています。
400字ほどの文章でありながら、時事ネタを織り交ぜつつ読む側に「なるほど!」「すごい!」と思わせるのは、まさに知識と経験の豊富なベテラン記者だからこそなせる技です。
ここまで見事なコラムはなかなか書けるものではありませんが、このコラムのように独特の切り口、独自の視点で話を展開していく手法は、面白いコラムにある大きな特徴です。
「つかみ」が独特なだけに、この話はどういう「しめ」になるのかな?と気になってついつい最後まで読んでしまうのです。
独特な切り口は、日頃のネタ探しから
独特の切り口や独自の視点を持つにはどうすればよいのか、それはやはり日頃から「ネタ探し」をしておくことでしょう。
ニュースなどで社会の動きにアンテナを張っておくことももちろん必要ですが、普段の生活でなんとなく気になったことや、面白いと思ったこともメモしておくとよいですね。記事の内容に直結しなくても、さまざまな事柄に関心を持つことで、自分の文章に深みが出ます。
実際に、コラムの執筆を依頼された場合には、まずはテーマに関係することを何でも書き出してみます。
「おにぎり」というテーマであれば、私は「コンビニ」「お弁当」「お母さん」「米」「昔話」「山下清」「冷凍」「おむすび」などのキーワードを連想します。
これらのキーワードを展開して「おにぎり」に話を繋げていくのです。この際、話の始点となるキーワードがテーマから遠いほど意外性のある文章になります。
3.文字のバランスなどとにかく読みやすい
コラムはサッと読めるものであるべきです。読む側がスムーズに理解できる文章を意識して書きましょう。
文字数は、一文40文字程度が理想です。文章を短くすることで、読む側にリズムが生まれます。
次に、文字のバランスです。一般的に、読みやすい文章の黄金バランスは、【漢字:ひらがな:カタカナ=2:7:1】と言われています。
ご紹介した「編集手帳」のような新聞コラムの場合は、社会問題などを扱うことが多いため、漢字の割合が多くなりがちです。Web上の文章においては、この黄金比をなるべく意識して、ページを開いたときに柔らかく感じる文字の並びにするとよいでしょう。
漢字・カタカナ・ひらがなの表記に関しては、記事ブログ内にわかりやすく説明した記事があります。「漢字は堅実な印象」「ひらがなは柔らかい印象」「カタカナは軽快な印象」など、狙った印象を作り出す効果について解説してあります。こちらもご覧くださいね↓
読みやすい文章は、読み手に理解されやすいだけでなく、ページの離脱率も低くなるというメリットもあります。
さらに、句読点を適切な位置に打つこと、余分な接続詞を使わないことなど、読みやすいコラムを書くために心がけたいことがあります。
記事ブログ内に、「句読点の打ち方のルール」に関する記事があります。句読点について知っておきたい知識をお伝えしています。ぜひ、目を通してみてください↓
記事ブロブ内には、接続詞の効果的な使い方について、わかりやすく解説した記事もあります。使い過ぎないことが大切な接続詞ですが、効果的に使えば、後にくる文へとスムーズにつないでくれる案内板のような役割をしてくれる大切な品詞です。こちらを参考に、上手に接続詞を取り入れてみてください↓
書きながら知識を積み上げていこう
読み手を惹きつけるコラムを書くためには、実際に記事を書いて、どんどん経験を積みましょう。
知識を丁寧に積み重ねながら、たくさんの作品を書いてみてはいかがでしょうか。
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