演繹法(えんえきほう)は、論理展開の手法の1つです。
演繹法では、最初に結論を定めず、根拠、事実に基づいて論理を展開していき、最後に結論を導き出します。
演繹法とよく一緒に語られるのが帰納法ですが、帰納法はいくつかの事例から共通項を抜き出し、結論を導き出します。
- 演繹法: 根拠に基づいて論理を展開 → 最後に結論
- 帰納法: いくつかの事例の共通点を観察 → 結論を導き出す
今回は、演繹法について、簡単に理解したい方のため、わかりやすくシンプルに解説いたします!
目次
【演繹法とは】根拠に基づいて論理を展開→最後に結論
演繹法の「演繹」には、広く説かれている法則(演)から、糸口を引き出す(繹)という意味があります。
演繹法には次の3つのステップがあります。
- ルール・根拠・事実を前提にする
- その前提に物事をあてはめる
- 結論を導き出す
では、さっそく例文で演繹法を使ってみましょう。
【例文:演繹法(えんえきほう)】
「車は赤信号で止まらなくてはならない」
交通ルール
↓
「車に乗っている今、目の前の信号は赤になった」
信号が赤ということは…?
↓
「よって、この車は止まらなければならない」
このように、一般的かつ普遍的な事実(ルールやセオリー)を前提とし、結論を導き出すのが演繹法です。結論は誰が見てもそうであるという前提から自然な形で論理的に導かれます。
デジタル大辞泉には次のように記載されています。
【デジタル大辞泉】
演繹による推理の方法。三段論法が代表的。⇔帰納法。
例文をもう1パターン挙げてみましょう。
【例文:演繹法(えんえきほう)】
「人間はトイレに行く(排泄する)」 誰もが当てはまる
↓
「アイドルも人間である」 一般的にアイドルは人間
↓
「アイドルもトイレに行く(排泄する)」
演繹法の結論としては当然過ぎるでしょうが、わかりやすくするため選びました。
演繹法について、記事ブログ内にもっと詳しく解説した記事があります。帰納法(きのうほう)との違いもわかるようにご説明してあります。例文を挙げて比較してあるため、演繹法と帰納法の違いをはっきり知りたい方は必見です。ぜひ、ご覧になってくださいね↓
【演繹法の注意点】不確かな根拠で論理は破綻する
論拠を積み重ねて結論に導く演繹法ですが、注意すべき点が2つあります。
- 前提とする事実や根拠が間違い→導き出す結論も間違いになる
- 一般論や普遍的事実に偏った主観が入る→論理が破綻する
こういった事態を防ぐため、論理展開の前提となる事実や根拠は、「正確であること・主観が入らないこと」を徹底しましょう。
【演繹法の活用場所】ビジネスシーンでコミュニケーションツールとして
ビジネスシーンで演繹法の活用場所は次の3つがあります。
- 新しいものを開発して商品化するとき
- 組織構成を立案するとき
- 戦略を考えるとき
このような場面では、過去の実績のうえに次の展開を積み重ねるため、演繹法は適しています。
ビジネスシーンで演繹法を使用する場合には、正解を導き出すツールとしての役割よりも、論理の道筋を他者と共有し、さまざまな可能性を検証するためのコミュニケーションツールとしての活用が期待されます。
演繹法を活用して論理的な文章を目指そう
演繹法は、事実や根拠を積み重ねて結論を導くため、文章に説得力が出ます。ただし、前提となる事実や根拠は、しっかり調べて信頼できる情報を使用し、主観が入らないようにしましょう。
「もっと論理的な文章にも挑戦してみたい」
そんな方は、演繹法や帰納法など、論理展開の手法について知っておくとよいでしょう。
記事ブロブ内に、演繹法と帰納法について比較してわかりやすく解説した記事があります。もっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらもご覧になってください↓
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