パーマリンクの設定はウェブメディア運営の初期段階に必ず調節しておくべき項目です。パーマリンクはSEOへの影響はもちろん、メディア閲覧ユーザーの利便性にも関わりますから、正しい知識のもとご自身のメディアに最適なパーマリンク設定を施しましょう。
本記事では、パーマリンクの設定に関わるSEO項目からパーマリンクの設定方法、パーマリンク変更の注意点などを解説していきます。
目次
パーマリンクとは?
パーマリンクとは、ウェブサイトの特定ページに対して設定されているURLのことを指します。パーマネント+リンク(Permanent Link)の略称で、恒久的に変わることのないリンクであることが名前の由来となっています。
また、ドメイン名(ルートドメイン)より下の階層に位置する変更可能なスラッシュで囲まれている部分(ディレクトリ)単体のことをスラッグと呼びます。今回の記事で頻出する概念なので、覚えておきましょう。
他にもURLに関連する用語は多く存在し、しばしば誤用されます。
言葉の意味を今のうちに知っておけば今後の活動に生かすことができるでしょう。ウェブサイト運営者として、以下の用語は最低限抑えておいてください。
【ウェブサイトをインストールする場所を指す名称】
- サブドメイン
- ルートドメイン
- サブディレクトリ
パーマリンクはSEOへ影響する?効果について紹介
さて、ここからはパーマリンクに関係するSEOの項目についてご紹介します。パーマリンクとSEOの関係には、直接的な影響を与えるものから間接的な影響を与えるものまで様々あります。
パーマリンクがSEOへ与える直接的な影響と効果
ウェブサイトのパーマリンク構造を体系化することで、Googleクローラーがサイト監査するときのクローラビリティが高まります。
そもそもGoogleなどの検索エンジンは、自社サービスにインデックス(登録)する記事の内容や質を機械的に判断しています。つまり、一定のアルゴリズムに基づいて評価を下しているのであって、Googleの社員が目視で記事を読んでいるわけではないのです。
また、クローラビリティの低いウェブサイトはGoogleクローラーが適切に評価付けをすることができません。
したがって、Googleクローラーがウェブサイトの構造を正しく理解できるようなパーマリンクを設定する必要があります。このことをクローラビリティ(が高い/低い)サイトと呼びます。
パーマリンクをSEOの面で最適化するには、以上の画像のように、ウェブサイト内の構造がどういう体系をとっていて、コンテンツ(記事)がどのカテゴリーに属しているのかを明確に設定することが必要です。
そのためには、複数の記事をカテゴリー分けした上で、一定の法則に従ってカテゴリー群をサイト内に作ります。複数の記事を1つのカテゴリーに紐づけることで、Googleクローラーはどの記事情報がどの記事情報と関連付けされているのかを簡単に見分けることができます。
(例)https://ドメイン名.com/category/article_num_01/
1つのドメイン内で複数の情報を取り扱っているウェブサイトが、以上の画像のような「ルートドメイン直下に複数の記事が位置しているパーマリンク構造」になっていると、Googleクローラーはコンテンツの情報を正しく評価することができません。wordpressのカテゴリー機能を利用していてもパーマリンクが正しく設定されていない状態であれば意味がないのです。
Googleクローラーについては、下記の記事をご参照ください。
パーマリンクがSEOへ与える間接的な影響と効果
パーマリンクの文字列は検索結果の一覧にも表示されます。
したがって、検索結果を閲覧した方がサイトの情報を瞬時に理解できるように、コンテンツやテーマに関連したわかりやすいパーマリンクを設定しておくことも推奨されます。
また、GoogleはサイトURLのあるべき姿について次のように明記しています。
サイトの URL 構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で(可能な場合は ID ではなく意味のある単語を使用して)URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。
引用:『Google Search Console ヘルプ』
wordpressのデフォルトパーマリンク設定はSEO的には推奨されない
以上の内容を踏まえると、wordpressでデフォルトになっているパーマリンク設定はSEOのことを考慮すると推奨できません。記事のスラッグがルートドメイン直下に位置していて、スラッグの文字列も記事IDが自動的に設定される仕組みになっているからです。
長期的にウェブサイトを運営することを考えれば、「論理的かつ人間が理解できる方法でURLを構成できるようにコンテンツを分類(引用:Google Search Console ヘルプ)」できていないウェブサイトはパーマリンク設定を見直すべきだと言えるでしょう。
wordpress記事公開後のパーマリンク変更には注意が必要
ただし、すでに公開されている記事のパーマリンクを変更する場合には注意が必要です。以下では記事公開後のパーマリンク変更に伴う注意点と危険性についてご紹介します。
(注意)単に記事のスラッグを変更するだけでなく、リンク構造自体を変更した場合も今回紹介するケースに当てはまります。良くある勘違いですから、注意しましょう。
すでに検索エンジンへインデックスされている記事のURLが無効になる
すでに複数の記事を投稿されている方で、それらが検索エンジンからインデックスされていて、オーガニック検索トラフィックも一定数存在している場合にパーマリンクの変更を行うと、インデックス情報が無効になってしまいます。
厳密には、投稿した記事が置かれている場所(URL)が変わることでウェブサイト閲覧ユーザーが正しいURLにたどり着けないという状況が発生するのです。
これは現在お住まいの住居から引越しをする場合を例にすると理解しやすいので、ご紹介します。
引越し・住所を変更(パーマリンクを変更)してしまうと、これまで正しく届いていた郵便物(ウェブサイト閲覧ユーザーや被リンク)が届かなくなってしまいます。そこで、住所を変更した際は郵便局へ転送依頼をしたり本籍を変更したり(301リダイレクトを行う)するはずですね。
パーマリンク変更によってサイトコンテンツのSEO評価が低下するケースがある
記事のパーマリンクを変更すると、これまでに引用・紹介されていたウェブサイトからの被リンクがリセットされてしまいます。Googleはウェブサイトコンテンツの評価にページ間のリンク(被リンク)を重視していると明記していますから、ウェブサイトの評価を低下させないためにも適切な対応が必要です。
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。
被リンクはウェブサイトのトップページに設定される場合と、ウェブサイトの記事に設定される場合とがありますが、今回問題となるのは後者の場合です。
記事のパーマリンクが変更されるとせっかく獲得した被リンクが「なかったこと」になってしまいます。
パーマリンクの変更によって被リンクを失ってしまった例
被リンクを獲得していた記事のパーマリンクが変更されると、Googleはリンク変更後の記事を全く別の記事であると認識します。(全く別物のURL構造になる)
そこで、記事のパーマリンクを変更した際は301リダイレクトの設定を行い、パーマリンク変更前のURLに紐付けられていた評価を変更後のURLへ引き継ぎましょう。次項からはパーマリンクの変更方法・変更後の301リダイレクト設定方法について解説します。
SEO評価を引き継ぐパーマリンク変更、設定方法
お使いのウェブサイトの環境によっても設定方法は異なりますが、今回はwordpressを例に挙げて解説します。
1.wordpressダッシュボードを開く
まず、wordpressのダッシュボード左サイドメニューから、「設定」⇨「パーマリンク設定」をクリックします。
2.パーマリンク設定で、リンク構造を変更
「パーマリンク設定」の下部、「カスタム構造」にチェックを入れます。
チェックを入れた後、入力欄に次のいずれかの文字を入力します。
- /%postname%(ルートドメイン直下に記事のスラッグ設定される)
- /%category% /%postname%(カテゴリースラッグ直下に記事のスラッグが設定される)
前者に設定した時のパーマリンク例:https://ドメイン名.com /article_num_01/
後者に設定した時のパーマリンク例:https://ドメイン名.com/category/article_num_01/
wordpressのデフォルトのパーマリンク設定から以上の設定に変更した場合、すでに投稿していた記事のURLが全て変更されます。ウェブサイト閲覧ユーザーが正しいURLにたどり着くようにするためにも、ウェブサイトのSEO評価を下げないためにも、301リダイレクトを行なって対策しましょう。
wordpressのパーマリンクとSEOの関係まとめ
今回パーマリンクとSEOとの関係や、それにまつわる様々なことについて紹介しました。
パーマリンクはウェブサイトのURL全体のことを指していて、ウェブサイトの内部構造やGoogleクローラーの仕組みが理由でSEOの諸要因と深い関係を持っています。
一度設定したパーマリンクを後から変更することにはリスクがあります。したがって、ウェブサイト運営の初期段階から内部構造やパーマリンク設定を決めておき、もし後から変更することがあれば、今回紹介した注意点を十分に考慮しましょう。