エディターとしての矜持を持ち、妥協を許さない記事作成を続けています。
矜持って何ですか?
「矜持」とは、「自分の能力を誇る気持ち」です。
読み方は「きょうじ」です。
「プライド」は「他者より優れている誇り」なのに対し、「矜持」は「自分の能力を信じて抱く誇り」のことです。
「矜持」の意味と使い方、プライドとの違い、類語、英語表現を解説いたします。
目次
【意味】「矜持」とは:自分の能力を誇る気持ち
「矜持」の読み方は「きょうじ」です。
「矜持」の意味とは、「自分の能力を誇る気持ち」です。
デジタル大辞泉には次の記載があります。
きょうじ【矜持/矜恃】
〚慣用読みできんじとも〛
自分の能力を優れたものとして誇る気持ち。自負。プライド。
「ーを傷つけられる」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
「矜持」は自分の能力を優れていると評価し、自ら誇りに思う気持ちです。
ここで注意したいのは、「矜持」は自分として自分を誇る気持ちのことです。
自分と他者を比べて、自分は他者より優れていると思う「傲慢」とは違います。
傲慢な人は、他者は自分より低いと見下しています。
このため、傲慢な人は、他者への尊敬の気持ちがなく、不遜な言動で他者を辟易させてしまいます。
これに対し、「矜持がある人」は、他者を尊重する思いを持ちながら、誇り高く、品性ある振る舞いができます。
何をよしとするかは人それぞれですが、私は矜持を持ちたいです。
「矜持」と「プライド」の違い:ニュアンス
「矜持」と「プライド」は、同じ誇りでもニュアンスが違います。
- 矜持 : 自分の能力を信じて抱く誇り
- プライド: 他者より優れているという誇り
「矜持」は、自分の能力を自分で信じて抱く誇りです。周囲の評価には左右されません。
一方、「プライド」は、他者と比べて自分が優れているという、周囲を意識した誇りです。
日本語の「プライド」を辞書で確認しても、「誇り、自尊心」という意味の記載しかありません。
しかし、英語の「pride」には、「高慢」という意味が含まれています。
このことから、「矜持」と「プライド」はニュアンスが異なることが分かります。
表で確認してみましょう。
矜持 | プライド(pride) | |
意味 | 自分の能力を誇る気持ち | 誇り 自尊心 高慢 |
ニュアンス | 自分としての誇り | 他者より優れているという誇り |
ニュアンスを間違えないように使いましょう。
特に、「プライド」には「高慢」のニュアンスがあることに気をつけましょう。
品格を持って自分を誇る場合には、「矜持」を使うのがよいでしょう。
「矜持」の使い方:例文
「矜持」の使い方を例文で解説いたします。
「矜持」には、主に次の使い方があります。
「矜持を持つ」
「矜持を持つ」とは、自分の能力を信じて誇りを抱くことを意味します。
例文で確認してみましょう。
【例文:矜持を持つ】
彼女は、自分の仕事に矜持を持っている。
【例文:矜持を持つ】
彼は、困難を前に矜持を持って立ち向かう。
「矜持を保つ」
「矜持を保つ」とは、誇りを持つ振る舞いを続けることです。
例文で確認してみましょう。
【例文:矜持を保つ】
私は失敗しても次に活かすことで矜持を保つことができている。
【例文:矜持を保つ】
彼女は、病気になっても懸命に治療に取り組むことで、矜持を保つことができた。
「矜持を正す」は間違い?
「矜持を正す」という言葉も見かけますが、これは正しい表現ではないようです。
「矜持を正す」という慣用表現はありません。
「襟を正す」と混同された間違いかもしれません。
「矜持」の類語
「矜持」の類語をご紹介します。
- 自負
- 自認
- 誇り
- 自尊
詳しく見ていきましょう。
自負
「自負」とは、「自分の才能などに自信と誇りを持つこと」です。
例文で確認してみましょう。
【例文:自負】
この仕事にかけては、誰にも負けないと自負している。
【例文:自負】
歌手として、一時代を築いたという自負がある。
誇り
「誇り」とは、「名誉に感じること」「名誉に感じる心」です。
例文で確認してみましょう。
【例文:誇り】
一族の誇りを守る。
【例文:誇り】
自分の国に誇りを持つ。
自尊
「自尊」とは、「自分をすぐれたものと思い込むこと」「自分を大切にして品位を傷つけないようにすること」です。
「うぬぼれる」というニュアンスもあるため、使用には気をつけましょう。
例文で確認してみましょう。
【例文:自尊】
彼女は、自尊心を傷つけられて怒っている。
「矜持」の英語表現
「矜持」にあたる英語表現をご紹介します。
- be proud of myself
例文で確認してみましょう。
【例文:be proud of myself】
I’m proud of myself for being able to cook.
(私は料理できることに矜持を持っている)
矜持を持つ
「矜持(きょうじ)」とは、「自分の能力を誇る気持ち」です。
人と比べて自分を優れていると思う気持ちとは違います。
周囲の人々を尊重しながらも、自分として自分を誇る気持ちのことです。
誇り高く生きるために大切なものです。
「矜持」は、周囲からどう見えるかではなく、自分がどうあるかということです。
揺るがない自分自身の価値観に基づいて行動するときにこそ意味を持ちます。
「矜持を持つ」という言葉を使うときには意味を考えて大切に使いましょう。