「おられる」「いらっしゃる」敬語の意味・使い方・言い換え方法

おられる・いらっしゃる

ビジネスの場やメールで使われる「おられる」ですが、違和感を覚える方が多いようです。

 

  • 「こちらにおられるのが〇〇様です」
  • 「先生はあちらにおられる」

 

上の「おられる」はどちらも尊敬語の正しい使い方です。

それでも、正しい表現なのかわからない気持ち悪さがあります。

そんな「おられる」を言い換えるなら、「いらっしゃる」が適切です。違和感があるなら、「いらっしゃる」を使いましょう。

 

こちらでは、「おられる」と「いらっしゃる」の意味、使い方、言い換えをわかりやすくご説明します。

「おられる」は間違いではないが「いらっしゃる」を使うのが無難

いらっしゃるを使うのがおすすめ

「おられる」について、デジタル大辞泉には下記の記載があります。[注2]

【参考元/デジタル大辞泉】

お・る【居る】

1㋐人が存在する。そこにいる。

㋑「いる」の古風な、尊大な言い方。また、「いる」に比べて方言的な響きを帯びる。

2 「いる」の丁寧な言い方

〈中略〉

◆助動詞「れる」の付いた「おられる」「…ておられる」の形で尊敬表現に用いられる。

つまり、「おられる」は、「存在する」「いる」ということを、尊敬して表す言葉です。

 

しかし、文化庁は、「おる」は、謙譲語Ⅱ(丁重語)として分類しています。

この考え方が馴染んでいる方は、謙譲語(丁重語)の「おる」に尊敬語の「れる」がつくため、「なんだか変だな」という違和感を覚えるのでしょう。

また、謙譲語の「おる」「おります」のイメージもあるため、敬う相手の行動に「おられます」を使うのは抵抗を感じます。

「おられる」を例文で見てみましょう。

【例文:おられる】

この内容で契約している取引先様もおられらます

ビジネスメールを読んでいて、上記のような文章に出くわすと、なんともいえない引っかかりを感じます。

「おられる」は尊敬の意味を持って使用して間違いありません。ただし、違和感を覚える方も少なくないため、「いらっしゃる」を使うほうが無難です。

より多くの方にスムーズに理解していただこうと考えるなら、文章作成の場でも、「いらっしゃる」を使うのがおすすめです。

 

謙譲語についてもっと知りたい方は、記事ブログ内に謙譲語について私が詳しく書いた記事があります。謙譲語はへりくだることで相手を高める敬語です。こちらも、ぜひ、ご覧くださいね↓

謙譲語とは?3つのパターンでわかりやすく解説【尊敬語との違いも簡単に】

 

[注2]デジタル大辞泉/小学館

 

「おられる」の意味と使い方

それでは、「おられる」の意味と使い方を詳しく見ていきましょう。

 

「おられる」は「いる」の尊敬語

いらっしゃる・おられるは地域によって使用感が異なる

「おられる」は「いる」の尊敬語です。

「おられる」は、明鏡国語辞典には、次のように記載されています。[注1]

【参考元:明鏡国語辞典】

おられる

「いる」「…て[で]いる」の尊敬語。

「その頃向島に文淵先生という方がおられた〈鴎外〉

「この物語を最初から読んでおられる読者は、多分覚えておられるでしょうが〈谷崎潤一郎〉

②(…て)おることができる。(…て)いられる。(…て)おれる。

「長くおられません」「泣かずにはおれない」

◆動詞「おる(居る)の未然形+尊敬・可能の助動詞「れる」。

もともと、「おる」は、無生物の存在を表す「ある」に対して、「いる」とともに人や動物の存在を表す語として使われた。江戸時代に「いられる」、近代に「おられる」の尊敬語の用法も生まれた。

「お客様は今別室におられます」などは、現在では西日本的な言い方。東日本では一般的に「いらっしゃいます」「おいでになります」となる。

つまり、「おられる」は、「いる」の尊敬語です。

地方によっても用法に違いがあるようです。

  • 西日本:「お客様は別室におられます」
  • 東日本:「お客様は別室にいらっしゃいます」「お客様は別室においでになります」

西日本のほうが、「おられる」の使用に抵抗がないようです。

 

[注1]参考元:明鏡国語辞典/大修館書店

 

「おられる」の使い方:例文

尊敬語の「おられる」を例文で見てみましょう。

【例文:尊敬語「おられる」】

こちらにおられるのがクライアント様です。

「いる」を「おられる」にすることで、尊敬を表現しています。

もう一つ、例文を見てみましょう。

【例文:尊敬語「おられる」】

部長はどちらにおられますか

「部長はどちらにいますか」を、尊敬語で表した例文です。

もう一つ、例文を見てみましょう。

【例文:尊敬語「おられる」】

田中さんは、総務部におられました

「田中さんは、総務部にいました」を尊敬語で表現しています。

上の例文は、どれも正しい尊敬語ですが、「どうも違和感を感じる…」という方もいることを覚えておきましょう。

それでは、「おられる」を違和感なく言い換えるにはどうしたらいいでしょう。次でご紹介します。

 

「おられる」を「いらっしゃる」に言い換える

おられるをいらっしゃるに言い換える

上の例文の「おられる」を、すべて「いらっしゃる」に言い換えましょう。

【例文:尊敬語「おられる」を「いらっしゃる」に言い換える】

こちらにおられるのがクライアント様です。

言い換え

こちらにいらっしゃるのがクライアント様です。

 

【例文:尊敬語「おられる」を「いらっしゃる」に言い換える】

部長はどちらにおられますか

言い換え

部長はどちらにいらっしゃいますか

 

【例文:尊敬語「おられる」を「いらっしゃる」に言い換える】

田中さんは、総務部におられました

言い換え

田中さんは、総務部にいらっしゃいました。

 

「おられる」を「いらっしゃる」に言い換えると、誰にとっても違和感なく尊敬表現であると受け取れます。

「おられる」を使用して、少しでも引っかかりを感じたら、「いらっしゃる」に言い換えてしまいましょう。

 

「いらっしゃる」の意味:尊敬語

尊敬語いらっしゃるの4つの意味

それでは、「いらっしゃる」についても知っておきましょう。

「いらっしゃる」は、「いる」の尊敬語です。ほかにも、「来る」「行く」「である」の尊敬語でもあります。

いらっしゃる(尊敬語)

いる
来る
行く
である

「いらっしゃる」の例文

「いらっしゃる」の4つの意味ごとに、例文で見ていきましょう。

【例文:「いる」と「いらっしゃる」】

カメラの前に、大統領がいる。

カメラの前に、大統領がいらっしゃる

 

【例文:「来る」と「いらっしゃる」】

東京方面から、お客様が来る。

東京方面から、お客様がいらっしゃる

 

【例文:「行く」と「いらっしゃる」】

部長は、5時に、会社から渋谷に行く。

部長は、5時に、会社から渋谷にいらっしゃる

 

【例文:「である」と「いらっしゃる」】

 

こちらが、私の師匠であります。

こちらが、私の師匠でいらっしゃいます

 

例文のように、「いる」「行く」「来る」「である」の4つは、「いらっしゃる」という尊敬語で表現できます。

 

「おられる」は気になる言い方

文化庁の平成10年度「国語に関する世論調査によると、次の結果が発表されています。

【文化庁/ 平成10年度「国語に関する世論調査」】

3.気になる言い方〈Q6〉ー「おられる」は気になるかー分かれる感じ方ー

(1)「先生は心配しておられたよ」 気になる43.1% 気にならない 51.8%

4割強の人が「気になる」と答えている。平成9年度の調査で、「総務課の武田さんは、どちらにおられますか」について「敬語が正しく使われていないと思う」と答えた人の割合が30.0%だったことを考え合わせると、「おられる」という言葉については3〜4割程度の人が違和感を持っているものと思われる。

3〜4割程度の人が違和感を持っているのが「おられる」という言葉です。

メールの相手先や、読み手に、「本当にこの使い方で合っているのかな」と思われてしまうと、文章力に不信感を抱かれてしまいます。

正しい、正しくないはおいておき、3〜4割もの人が違和感を抱くのだから、「おられます」の使用はできるだけ避けましょう。

 

誰もがスムーズに受け取れる表現を目指そう

尊敬語の「おられる」「いらっしゃる」についてご説明しました。

「おられる」は、尊敬表現として使っても間違いではありません。しかし、違和感を覚える人が多い表現だと覚えておきましょう。

より多くの方に違和感なく理解していただこうと思うなら、「いらっしゃる」を使うのがおすすめです。

たとえ正しい表現だとしても、違和感や気持ち悪さを与える表現は避けるほうがよいです。正しく、同時にわかりやすい表現があるなら、迷わずそちらを選択しましょう。

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