「青田刈り」を「青田買い」の意味で使う人が約30%!正しい意味と使い方を解説

青田刈りと青田買いの使い方を解説

文章が上手い学生さんを「青田刈り」しました!これで来年度は安泰です。

ちょっと、待ってください。

それを言うなら、「青田買い」です。

 

「青田刈り」と「青田買い」は意味が異なります。

  • 青田刈り:相手を弱らせる戦術。あるいは、人材の質を吟味せずに大量採用すること。
  • 青田買い:優秀な人材を早めに確保すること。

 

戦国時代、敵方を兵糧攻めにするため、穂が青いうちに刈り取ってしまう戦術がありました。そこから、「青田刈り」とは、「相手を弱らせる戦術」を指すようになりました。転じて、「人材などの質を吟味せずに早めに確保すること」を指します。

一方「青田買い」は、「就活などで優秀な人材を早めに確保すること」を指します。

今回は、「青田刈り」と「青田買い」について解説します。

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【青田刈りの意味】大量採用のこと

青田刈りの意味

 

「青田刈り」の意味や由来など、詳しく教えてください。

「青田刈り」は、「あおたがり」と読みます。

「青田刈り」は、稲が未熟なうちに刈り取ることです。戦国時代、敵方の田が青いうちに刈り取ってしまい、敵の食糧を減らして弱らせる戦術がありました。ここから、「青田刈り」は、「相手を弱らせる戦略」を指すようになりした。

なんでも刈り取るイメージからか、「就職活動で企業が学生を大量採用すること」を指す場合もあります。

 

あおたーがり【青田刈(り)】あをた-

1 稲が未熟なうちに刈り取ること。

2 →青田買いの誤用

 

青田は、稲の苗が未熟で、青々としている田のことです。

「青田刈り」とは、稲がまだ未熟な青い田を刈り取ってしまうことです。

戦国時代、敵方の食糧の供給を断つため、敵地の青田を刈る戦術がありました。

敵は、食糧が得られなければ、弱ってしまいます。ここから、「青田刈り」とは、「相手を弱らせる戦術」を指す言葉となりました。

さらに、就職活動などの際には、「企業が学生を大量採用すること」を指すようにもなりました。

 

「青田買い(あおたがい)」と響きが似ているためか、同じ意味で使われがちですが、意味は全く異なります。

 

参考元:小学館/デジタル大辞泉

 

【青田買いの意味】優秀な人材を早めに採用すること

青田買いの意味

 

なるほど。「青田刈り」の意味はわかりました。

それでは、「青田買い」の正しい意味も教えてください。

「青田買い」とは、「田の収穫量を見越して先買いすること」を指します。

転じて、「青田買い」は、就職活動でよく使われる言葉となりました。「企業が、卒業予定の優秀な学生を確保するため、早くから内定を出すこと」を指します。いわゆる「早期内定」ですね。

詳しく見ていきましょう。

 

あおたがい【青田買い】あをたがひ

1 稲の収穫前に、その田の収穫量を見越して先買いすること。

2 企業が人材確保のため、卒業予定の学生の採用を早くから内定すること。卒業前の学生を実る前の稲に、能力を収穫量に例えた語。

 

青田買いは、まだ青い田を見て、「この田はたくさん収穫できそうだ」と判断できたときに、「田を先買いすること」を言います。

転じて、「就活の際に、優秀な人材を早期に確保すること」を表すようになりました。

通常の採用期間を収穫時期とし、それより前の「青田」の段階で、優秀な人材を見極め、早期内定「=買い」を行います。

 

参考元:小学館/デジタル大辞泉

 

オタク界における「青田買い」

さらに、オタク用語の「青田買い」もあります。これは、まだ知名度の低いアイドルに着目し、将来性を見越して応援したり投資したりすることを指します。

なるほど!

私もジャニーズjr.の◯◯くんに注目していますが、これも「青田買い」の一種なんですね。

 

「青田買い」の類語

青田買いには類語があります。

  • 先物買い
  • 唾をつける

 

どれも「将来性に期待して投資する」意味合いがあります。詳しく見ていきましょう。

 

【先物買い】

将来性に期待して買うこと。「株の先物買い」

その将来を見込んで事業や物・人物などに投資すること。また、その行為。

 

【唾をつける】

他人に取られないように、前もって手を打っておく。

「売り出す前に唾をつけておく」

 

私も1つ知っています!

「フライングゲットする」という新しい言い方もあります。

 

参考元:小学館/デジタル大辞泉

 

「青田刈り」と「青田買い」の違い

青田刈りと青田買いの違い

 

「青田刈り」と「青田買い」の大きな違いは次の点です。

青田刈り: 田が青く、稲が実る前に刈り取ってしまうこと

青田買い: 田が青いうちに先買いすること。刈り取るのは稲が実ったあと

そう考えると、よくわかりますね!

「青田刈り」は、まだ稲が未熟で、田が青々としたうちに刈り取ってしまうことを言います。戦国時代に、敵地の田を青いうちに刈り取り、敵方の食糧を減らしました。転じて、相手を弱らせる戦術や、質より量で、大量採用することを指します。

一方、「青田買い」は、田の収穫量を見越して先買いすることを言います。先買いなので、青いうちに刈り取るわけではありません。転じて、将来性を見越して、優秀な人材を早めに確保することを指します。

 

約30%が「青田買い」を「青田刈り」と間違えている

「青田買い」を本来の言い方で正しく使える人は44.7%しかいないというデータもあります。[注1]

そうですか!半数未満の人しか、「青田買い」を正しく使用できていないのですね!

 

【文化庁/平成26年度「国語に関する世論調査」】

「企業が学生を早い時期に採用すること」 平成26年度
◯ 青田買い 47.4%
✕ 青田刈り 31.29%
両方とも使う 2.0%
どちらも使わない 10 %
分からない 8.7%

 

上記は、「企業が学生を早い時期に採用すること」に対してどの言葉を使うかという調査です。

「青田買い」と正解できたのは、47.4%と、半数にも満たない人数でした。また、「青田刈り」を間違えて使用してしまう人が31.29%もいます。約3人に1人が間違えて使用しているようです。

勘違いしやすい言葉であるのがよくわかります。

 

[注1]文化庁/平成26年度「国語に関する世論調査」/6慣用句の意味・言い方について[pdf]

 

【例文】青田刈りの使い方

「青田刈り」の使い方を例文で確認しましょう。

【青田刈り】

  • 敵方の田を青いうちに刈り取って戦力を削ぐこと
  • 人材の質を吟味せずに大量採用すること

 

【例文:青田刈り】

あの企業は人材を大量採用したようだ。あれこそ青田刈りだろう。

青田刈りで人材を確保しても、後悔することもある。

青田刈りで敵を兵糧攻めにする。

青田刈りでどうにか採用されたものの、能力不足で悩んでいる。

 

なるほど。このように使うようにします。

 

【例文】青田買いの使い方

「青田買い」の使い方を例文で確認しましょう。

【青田買い】

  • 収穫量を見越して先買いすること
  • 優秀な人材を早めに採用すること

 

【例文:青田買い】

あの企業は学生を青田買いしている。

彼は優秀なので青田買いの対象になっているようだ。

ジュニアの〇〇くんを青田買いする。

まだ10代の選手を青田買いする。

青田買いは当てが外れることもある。期待したほどの将来性はなかった。

 

わかりました。青田買いは正しく使用します。

 

【その他】間違えやすい慣用句

慣用句

 

ほかにも、本来の言い方ではない言い方が広まってしまっていることがあります。

文化庁の調査をもとにご紹介します。[注1]

 

熱にうかされる

「熱にうかされる」は、「夢中になって見境がなくなること」です。

この言葉を「熱にうなされる」と勘違いしている人が27.1%もいます。

本来の「熱にうかされる」と正しく理解している人は57.2%です。

 

【例文:熱にうかされる】

彼は、熱にうかされて 絵を描き続けている。

意味:彼は、夢中になって見境がなくなる まで絵を描き続けている。

 

さすがに私は「熱にうなされる」とは間違えませんが、約30%もの人が誤答しているのだから、紛らわしいことがわかります。

 

いやがうえにも

「いやがうえにも」は、「いよいよ、ますます」という意味です。

この言葉を、「いやがおうにも」と勘違いしている人が42.2%もいるようです。

「いやがうえにも」と正しく回答した人は34.9%と半数を下回ります。

 

【例文:いやがうえにも】

敵を前に いやがうえにも 士気が高まる。

意味:敵を前に ますます 士気が高まる。

 

「いやがうえにも」を正しく使うように気をつけます。

 

眉をひそめる

「眉をひそめる」は、「心配や不安を感じ、表情に出すこと」です。

この言葉を、「眉をしかめる」だと勘違いしている人が44.5%もいるようです。

「眉をひそめる」と正しく回答した人は同じく44.5%でした。

 

【例文:眉をひそめる】

ピンク色に染められた私の髪を見て、母は 眉をひそめた

意味:ピンク色に染められた私の髪を見て、母は 心配や不安を感じ表情に出した

 

「顔をしかめる」と混同しやすいのかもしれません。「眉をひそめる」と正しく言うように気をつけます」

 

[注1]文化庁/平成26年度「国語に関する世論調査」/6慣用句の意味・言い方について[pdf]

 

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意味を確認してから使おう

就活で「優秀な学生を早めに採用すること」を指す言葉は、「青田買い」です。よく似ている「青田刈り」と間違えないようにしましょう。「青田刈り」を使うと、「優劣関係なく大量採用する」意味になってしまいます。

ほかにも、ご紹介したように、言い方を間違えて覚えられている言葉はいくつもあります。

とくに慣用句は、あやふやな理解のまま使用するのはやめ、必ず、言い方や意味を確認してから使いましょう。

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