「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」言い方・使い方を例文で解説

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」言い方・使い方を例文で解説

ビジネスの場で、立場が上の人に判断を求める場合に使える言葉が「判断を仰ぐ」です。

「教えてください」「どうしたらいいでしょう」では、なんだか場にそぐわない…
そんなときは、「ご判断を仰ぎたく存じます」という言葉の出番です。

意見を求めながら、相手を敬う気持ちを伝えられるでしょう。

似ている言葉に「指示を仰ぐ」があります。
こちらは、具体的な行動を教えてほしいときに使えるでしょう。

 

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の使い方を例文で解説します。
言い換え表現などもご覧ください。

 

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の読み方と意味

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の読み方と意味

 

「判断を仰ぐ」の読み方は、「はんだんをあおぐです。
また、「指示を仰ぐ」は、「しじをあおぐと読みます。

 

【判断を仰ぐ】

自分だけでは決められない事柄について、立場が上の人に、決定や考えを求めること。

 

【指示を仰ぐ】

立場が上の人に対して、具体的な指図を求めること。

 

何かを決定してもらいたいときには「判断を仰ぐ」、具体的に指図してもらいたいときには「指示を仰ぐ」が使えます。

ともに、丁寧な表現であるため、ビジネスシーンで役に立つ言葉です。

 

仰ぐ

気になるのが、「仰ぐ」という言葉です。

判断を求めたり、指示を求めたりするのに、なぜ「仰ぐ」という言葉を使うのでしょう。

 

デジタル大辞泉には、次のように記載されています。

 

あおぐ【仰ぐ】

 上を向く。上方を見る。あおむく。「星空を―・ぐ」
 尊敬する。敬う。「師と―・ぐ」
 教え・援助などを求める。請う。「指示を―・ぐ」「助力を―・ぐ」
 あおむいてひと息に飲む。あおる。「毒を―・ぐ」

小学館「デジタル大辞泉」

 

「仰ぐ」には、「教え・援助などを求める」という意味があるのがわかります。

また、「仰ぐ」は、「尊敬する」という意味をもつ言葉であるため、敬語ではないのですが、尊敬するニュアンスをもっているのです。

 

【例文】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の言い方・使い方

【例文】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の言い方・使い方

 

それでは、「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の使い方を例文で紹介します。

 

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」は、敬語ではないため、立場が上の人に使う際には、次のように敬語を添えると丁寧です。

 

  • 判断を仰ぎたい→ご判断を仰ぎたく存じます
  • 指示を仰ぎたい→ご指示を仰いでもよろしいでしょうか。

 

判断を仰ぐ

「判断を仰ぐ」は、自分だけでは、方針や方向性を決められないときに、目上の人に判断を委ねて、決めてもらうために使います。

 

【実行してよいか決定してほしいとき】

この契約を進めて問題ないか、社長のご判断を仰ぎたく存じます。

 

【選択してほしいとき】

タイトル案を3つ用意しました。どのタイトルにするかご判断を仰ぎたく存じます。

 

【今後の方針を決めてほしいとき】

プロジェクトについて、進めるか撤退するか、社長のご判断を仰ぎたくご相談に参りました。

 

指示を仰ぐ

「指示を仰ぐ」は、自分だけでは作業の進め方がわからないときや、具体的な行動を指示してほしいときに使います。

 

【次の行動を教えてもらいたいとき】

今後の進め方についてご指示を仰いでもよろしいでしょうか。

 

【トラブル対応について教えてもらいたいとき】

システムエラーが発生しました。対応についてご指示を仰ぎたいです。

 

【具体的なやり方がわからないとき】

新しい業務の手順について、ご指示を仰いでもよろしいでしょうか。

 

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」の違い

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」の違い

 

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」の違いを説明します。

どちらも、ビジネスシーンで、指示が上の人に対して使われる言葉です。

 

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」では、使える状況が違います。

  判断を仰ぐ 指示を仰ぐ
状況 意思決定をしてもらう 具体的な行動を教えてもらう
求めること 意思決定 行動、方法、作業内容などの指示
問いかけのイメージ 「どう決めるのか」 「どうやるのか」
使用場面の例 記事の方向性を決めるとき 記事の文字数を指示してもらうとき

 

「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」の違いを例文で確認してみましょう。

 

例文:判断を仰ぐ】

仕様変更について判断を仰ぎたく存じます。

 

 

【例文:指示を仰ぐ】

仕様変更がありました。何から対応すべきかご指示を仰ぎたいと思います。

 

つまり、方針を決定する段階では「判断を仰ぎ」、決定された事柄について具体的な行動を教えてもらう段階では「指示を仰ぐ」ことになります。

 

【ビジネスメール】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の使い方

【ビジネスメール】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の使い方

 

ビジネスメールを作成する際、「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」は、とても便利な表現です。

「教えてください」というよりも、より敬う気持ちを表現できるでしょう。

 

【例文:判断を仰ぐ】

件名: 新商品販促キャンペーン企画のご判断のお願い

本文: 〇〇部長

いつもお世話になっております。
マーケティング部の佐藤です。

新商品「〇〇」の販促キャンペーン企画につきまして、A案とB案の2案を作成いたしましたので、添付にてお送りいたします。

各案の概要とメリット・デメリットを資料にまとめております。
どちらの案で進めるべきか、〇〇部長にご判断を仰ぎたいと存じます。

お忙しいところ恐れ入ります。

よろしくお願いいたします。

 

【指示を仰ぐ】

件名: 定例会議資料の作成完了のお知らせ

本文: 〇〇部長

いつもお世話になっております。
企画部の鈴木です。

〇月〇日の定例会議で使用する資料が完成いたしました。
添付ファイルにてお送りいたします。

ご確認いただき、問題がなければ、印刷して配布準備を進めたいと考えております。
その場合、印刷部数や配布範囲についてご指示を仰ぎたく存じます。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

 

【類語】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の言い換え表現

【類語】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」の言い換え表現

 

同じような状況で使える表現をご紹介します。

伝えたいニュアンスに合わせて使い分けてみましょう。

言い換え ニュアンス
ご判断いただく 相手に敬意を払いながら、物事を決めてもらうときの表現。

(「仰ぐ」の方がへりくだった印象)

ご意見を伺う 参考として相手の考え方を聞きたいときに使う。
ご教示ください 知識や方法などを「教えてください」とお願いする言葉
ご決裁をいただく 立場が上の人から承認をしてもらうときの表現

 

 

「ご教示いただく」「ご教授いただく」について解説した記事もご覧ください。↓

「ご教示ください」と「ご教授ください」の違いを解説!意味・違い・使い分け

 

【注意点】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」は失礼?

【注意点】「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」は失礼?

 

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」は、ビジネスシーンで立場が上の人に決定や指示を求める際に使う正しい表現です。
失礼な表現ではありません。

ただし、丸投げのような印象をもたれてしまわないよう注意が必要です。

状況・自分の意見・選択肢などを提示したうえで使用することで、主体性と敬意を示せます。

また、同僚や部下に使うと不自然な印象があるため、目上の人や社外の人に対して使うようにしましょう。

 

【使用上の注意点】

  • 丸投げしない
  • 意見や選択肢を提示する
  • 立場が上の人に使う

 

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」で言葉に敬意を込める

「判断を仰ぐ」「指示を仰ぐ」について解説しました。

ビジネスの場では、ただ丁寧に尋ねるだけではなく、言葉に敬意を込めたい場合があります。
そのようなときに使えるのが、「ご判断を仰ぎたく存じます」「ご指示を仰いでもよろしいでしょうか」という言葉です。

自分だけでは意思決定が難しいときや、次の行動を指示してほしいときに、使ってみましょう。
ただ、承認や指示を求めているだけではなく、日頃から尊敬し、信頼している気持ちも伝わることでしょう。