医療広告ガイドライン違反は最大30万円の罰則!記事作成時の注意点を徹底解説

医療用品

医療広告ガイドライン違反は6か月以下の懲役、又は最大30万円の罰則があります。

これらの罰則だけではありません。

医療広告ガイドラインを無視した過度な表現や誇張された記事やコンテンツを見て、治療や受診、施術などを受けてしまい、場合によっては医療被害に遭われてしまう方を増やす結果となっては、30万円では済まない大きな問題に発展する危険があり、知らないまま記事やコンテンツを作成するのは、あまりにも危険です。[注1]

今回は、厚生労働省が発表している医療広告ガイドラインの概要や規制、罰則を見ながら、医療関連の記事やコンテンツ作成時の注意点についてご説明します。

医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドライン違反の商品を買ってしまった人

医療広告ガイドラインとは厚生労働省で定めた、医療関係における広告に対する指針や指標であり、下記引用部分が基本的な考え方となっています。

  1. 医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。
  2. 医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

引用元:厚生労働省「医療広告ガイドライン 第1-2 基本的な考え方 ページ1」[pdf]

医療に関する知識や経験は、一般の人から見れば専門性が高く、本当か嘘かがわかりにくい分野です。

事実や結果が誤解を招く表現になっていると、直接人体に影響を及ぼす重大なケースに発展しかねないため、厚生労働省が医療広告ガイドラインという「マニュアル」を作ったというところでしょうか。

この医療広告ガイドラインという「マニュアル」に違反しているかについては、ネットパトロールや通報などによって、違反者の情報が収集されています。

虚偽や誘引を引き起こす悪質な医療広告による誤認や錯覚

例えば、「痩せる薬」や「痩せる食品」などの広告で、飲む前と飲んだ後の写真などを見かけたこがあると思います。いわゆるビフォーアフターといった、わかりやすい写真や数字とともに載せられている広告で、飲めば自分も痩せられると誤認します。

もちろん、飲んだ人の体質や環境、タイミングによっては実際に効果が出たり、薬や食品の効果はなくても、飲んだことがきっかけで痩せることもあるかもしれませんね。

しかし、医療分野において絶対はありませんから、痩せられない人も必ず現れます。痩せられると書いてあった、痩せられると思ったのに痩せられなかったとなれば、結果的に嘘の広告であり、お金や時間を失う結果となります。

また、痩せる薬が体に悪影響を与えるかどうかも個人差がありますから、痩せないだけならまだしも、何らかの疾患を帯びる可能性さえあるのです。[注2]

お医者さんの言うことや薬剤師さんの言葉を疑う人がいないのと一緒で、医療分野のもっともらしいwebサイトやCM(広告)でウソが語られていたとしても、ユーザーは信じてしまうのかもしれません。

決してリテラシーが低い事が理由ではなく、今までの医療業界が作り上げた信頼があるからこそ、つい信じてしまうのです。

実際に悩みを持っている人は解決するためにお金を払ったり時間を使うことに抵抗はありません。言うなれば人の悩みやコンプレックスなどを刺激し、心理的に煽ったりすることを悪用するような広告はNGだということです。

医療被害が増加したために対象範囲が広がり規制が強化された

クレーム対応

悪質な医療広告によって、被害に遭った方からの国民生活相談センターなど国の相談窓口に苦情や通報が増加し、今までのガイドラインでは抑制できなかった範囲まで規制が強化されました。

従来はテレビCMやチラシ、看板、バナー、リスティング広告が対象範囲でしたが、さらにウェブサイトやメールマガジン、パンフレットなどが対象範囲に含まれます。

禁止される広告の表現方法についても、虚偽、比較優良、誇大、公序良俗に反する広告が規制されており、新たに禁止事項として患者の主観に基づく体験談、治療前と治療後の写真の掲載など、よく見かけた広告手法も今では禁止されています。[注3]

また、医療広告ガイドラインに則って広告が作られているという嘘を盛り込んだり、これは広告ではないという形で逃れようとしている悪質なケースもあります。

医療広告ガイドラインの基本的な考え方と同じで、医療の分野については、素人が正しいのか間違っているのか判断できない分野であるということを忘れてはいけません。

医師や薬剤師の監修が必須で第三者の感想などは禁止

専門家の指導

省令第1条の9第1号に「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」と規定されています。[注4]

もし、医師や薬剤師などの資格を持っていない方が、憶測や与えられたデータのみで文章を作成した場合、例え悪意がなくても結果として被害者を生み出す可能性が出てしまいます。

広告は利益を上げるために認知度を上げたり、商品の購入や病院や医院への訪問者を増やす事が目的ですから、少しでも効果があるような表現をしたくなったり、させてしまいたくなりがちです。

しかし、実際の効果や結果のみを抽出して、さらに誇張したり、話を盛ってしまえば、ただの嘘となってしまいます。

また「個人の感想です」といった表現や「個人差があります」などの医療関係の資格や知識を持たない第三者の感想や意見も禁止となりました。

他の人にも効果があったんだから、自分にも効果があるかもと誤解させてはいけないということです。

医師や薬剤師などの資格や知識が必要だと思われる記事やコンテンツを作成する時は、確実に信頼できるデータや情報を揃えるだけでなく、必ず監修や指導してもらえる体制を持っている必要があります。

その際、医師や薬剤師などの氏名、資格、資格を発行や認定している機関、所属している病院の明記も必要ですから、無記名の医療広告の記事やコンテンツは実質的には存在しなくなるはずです。

医療系のWEBライティングでの3つの注意点

ライター

まず、あなた自身が医療関係の資格を所持していない状態で安易に医療分野のWEBライティングを引き受けるのは止めましょう。

また、WEBコンテンツや記事の作成ではなくても、WEBページに掲載する文章やメールマガジン、紙媒体のパンフレットなども要注意です。

いわゆるライターだけではなく、エンジニアやデザイナーも広告を作るための文章やデザインをする上で、医師や薬剤師などの資格を所持・保持している監修や指導をする人がいて、責任の所在が明らかかも確認を取りましょう。

資格や経験を必要とする項目の記述については十分に注意しましょう。また、参考としたい記事や情報についても、執筆した方が勘違いしたまま執筆することもあれば、誤った情報を元に、さも真実化のようにWEB上にアップされている場合があります。

情報源については信頼性の高い機関を選ぶことを前提にして、その上で有資格者の監修、指導、アドバイスを必ず受けるようにしましょう。

しかし、有資格者であれば誰でも良いというわけではなく、下記のような立場の方に限られると記されていますので、最新の注意を払わなければいけません。

「当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項であって医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの」については、当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者に関する事項について、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものについてのみ、限定的に広告可能としているものであること。

引用元:厚生労働省「医療広告ガイドライン 第3-8 法第6条の5第3項第8号関係 ページ20」[pdf]

医療広告ガイドラインは人の命を守るために作られた

医療広告ガイドラインは「罰則があるから守る」のではなく、誤った情報や表現によって虚偽や詐欺行為に加担しないために遵守するべきだと考えましょう。

一般的に広告の目的は、売上などの増加です。

しかし、その広告を見てお金を払うのは「生きている人間」だということを忘れてはいけません。

もし、あなたの家族や兄弟、友人や知人が医療広告ガイドライン違反の広告を見て、何らかの被害に遭えば、その広告を非難するはずです。

同時に、正しい情報を発信することで、実際の医療行為による実績や効果、結果を求める人に情報がきちんと伝わるようになることが医療広告ガイドラインのもう一つの目的であると言えます。

法律や規制、規則は敬遠しがちですが、医療広告ガイドラインをはじめとして、専門性の高い分野のWEBライティングをする時はそれぞれの業界のルールをしっかり把握しておく事を忘れないでくださいね。

参考:
[注1]厚生労働省:広告ガイドライン等について[pdf]
[注2]政府広報オンライン:医療機関ウェブサイトの「大げさ」な表現にご注意を。
[注3]厚生労働省:医療広告ガイドライン 第3 禁止される広告について ページ5[pdf]
[注4]厚生労働省:医療広告ガイドライン 第3-5 患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談 ページ9[pdf]

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