「適宜」の読み方がわかりません。
「適宜」は「てきぎ」と読みます。
ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。
覚えておきましょう。
「適宜」の読み方は「てきぎ」です。
適宜とは、状況によく合っていることや便宜に従うことを意味します。
「適宜対応いたします」などはビジネスシーンでよく使われるフレーズです。
適宜の意味、使い方、適時・随時との違い、類語、英語表現を解説いたします。
必要に応じて使いましょう。
目次
適宜とは:読み方と意味
適宜の読み方は「てきぎ」です。
「てきじ」と混同しやすいため、注意しましょう。
適宜の意味は、デジタル大辞泉に次の記載があります。
てきぎ【適宜】
1 状況によく合っていること。またそのさま。適当。
「適宜な(の)処理」「成績不振者に適宜個人指導をする」
2 便宜に従うこと。その時々に応じて、各自の判断で行動するさま。
「適宜に席に着く」「見学後適宜解散とする」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
つまり、次の意味があります。
- 状況にふさわしいこと。そのさま。
- 状況に応じて各自の判断で行動するさま
例文で確認してみましょう。
【例文:適宜(てきぎ)】
適宜、指導します。
(意味)状況によく合わせて、指導します。
適宜、席に着きましょう。
(意味)状況に応じてふさわしく席に着きましょう。
状況によく合わせて行動するときなどに使います。
「適宜」の使い方:例文で解説
適宜の使い方を例文でご紹介いたします。
適宜は、ビジネスシーンでも日常生活でもよく使われます。
適宜の使い方:ビジネスシーン
ビジネスシーンで「適宜」はよく使われます。
- 適宜ご対応いたします。
- 適宜ご確認いたします。
- 適宜行います。
主要な使い方を例文で確認しましょう。
【例文:適宜ご対応いたします】
その件につきましては、適宜ご対応いたします。
(意味)その件につきましては、状況によく合わせて対応いたします。
【例文:適宜ご確認いたします】
その件につきましては、適宜ご確認いたします。
(意味)その件につきましては、そのときに応じた良いタイミングで確認いたします。
【例文:適宜行います】
新しいプロジェクトチームには、適宜、研修を行います。
(意味)新しいプロジェクトチームには、状況に応じてふさわしく、研修を行います。
適宜の使い方:一般
一般的な適宜の使い方をご紹介します。
状況に応じてふさわしく行う場合などに使われます。
【例文:適宜】
寒暖差が激しい時期には、適宜、服装などで温度調節しましょう。
テレワークでは運動不足になりがちです。適宜、体を動かしましょう。
長時間労働では、適宜、休憩をとるようにしてください。
炎天下の作業では、適宜、水分補給をしてください。
行事の準備については、適宜お知らせします。
会則は、適宜、変更いたします。
「適宜」と「適時」の違い
適宜(てきぎ)と適時(てきじ)の違いについてご説明します。
【適宜と適時の違い】
適宜: 状況にふさわしい。 適時: ちょうどよい時。 |
適時の意味は、デジタル大辞泉に次の記載があります。
てきじ【適時】
ちょうどよい時。
「適時に席を立つ」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
適宜は、その時々の「状況」を対象とします。
適時は、対象が「時」に限定されます。
意味の違いを例文で確認してみましょう。
【例文:適宜と適時の違い】
適宜
オフィスの掃除は適宜行いましょう。
(意味)オフィスの掃除は状況に合わせてふさわしく行いましょう。
適時
オフィスの掃除は適時行いましょう。
(意味)オフィスの掃除はちょうどよい時に行いましょう。
【例文:適宜と適時の違い】
適宜
適宜、休憩をとりましょう。
(意味)状況に合わせてふさわしく、休憩をとりましょう。
適時
適時、休憩をとりましょう。
(意味)ちょうどよい時に、休憩をとりましょう。
適宜は「ふさわしい状況」、適時は「ふさわしい時」に関連する、と覚えておきましょう。
「適宜」と「随時」の違い
適宜(てきぎ)と随時(ずいじ)の違いについてご説明します。
【適宜と随時の違い】
適宜:状況にふさわしい。 随時:その時々。好きな時に。 |
随時の意味は、精選版日本国語大辞典に次の記載があります。
ずいじ【随時】
① 時にしたがうこと。その時の条件にしたがうこと。臨機。
② その時々。多く副詞的に用いる。
[引用]小学館「精選版 日本国語大辞典」
適宜は、状況に応じてふさわしく、という意味があります。
随時は、その時々、好きな時に、という意味があります。
意味の違いを例文で確認してみましょう。
【例文:適宜と随時の違い】
適宜
こちらのサービスは、適宜ご利用可能です。
(意味)こちらのサービスは状況に応じてご利用可能です。
随時
こちらのサービスは、随時ご利用可能です。
(意味)こちらのサービスは、好きな時にご利用可能です。
【例文:適宜と随時の違い】
適宜
セミナーへのご参加は、適宜、受け付けしております。
(意味)セミナーへのご参加は、状況に応じて受け付けしております。
随時
セミナーへのご参加は、随時、受け付けしております。
(意味)セミナーへのご参加は、その時々受け付けしております。
随時には、いつでも大丈夫、というニュアンスもあります。
適宜の類語:言い換え表現
適宜の類語をご紹介いたします。
【適宜の類語】
適当:程度などがほどよいこと。
適切:状況などにぴったり当てはまること。
その場や物事にふさわしいこと。
適度:程度がほどよいこと。
例文で確認してみましょう。
【例文:適宜の類語】
運動中は、適宜、水分補給をお願いします。
↓類語で言い換え
運動中は、適当な水分補給をお願いします。
運動中は、適切な水分補給をお願いします。
運動中は、適度な水分補給をお願いします。
どの言葉も少しずつニュアンスが異なります。
必要に応じて言葉を選びましょう。
適宜の英語表現
適宜の英語表現をご紹介します。
- accordingly: それに応じて。適宜。
- suitable: 適当な。適切な。
- appropriately: 適当に。
例文で確認してみましょう。
【例文:accordingly】
I will prepare it accordingly.
(私が適宜準備します)
【例文:suitable】
this class is suitable for beginners.
(このクラスは初心者に適切です)
【例文:appropriately】
he treat that appropriately.
(彼はそれを適切に取り扱う)
「適宜」を正しく理解して使おう
「適宜(てきぎ)」は状況に応じてふさわしいことを意味します。
「適宜ご対応いたします」などはビジネスシーンでよく使われる言葉です。
よく似ている「適時(てきじ」と間違えないように気をつけましょう。「適時」は「ふさわしい時」を意味します。
類語もご紹介しました。必要に応じて使い分けてみてください。