慣用句とは何か!どのような言葉かわかりやすく解説【一覧つき】

慣用句とは何かわかりやすく一覧で解説

慣用句(かんようく)とは昔から習慣として使われてきた言い回しのことです。

二語以上の単語が結びつき、ある特定の意味を表します。

 

作成した文章が消えて、苦労が水の泡になりました。

「水の泡になる」も慣用句です。

努力したことが無駄になってしまうことのたとえです。

 

他にも、「足を引っ張る」「猫の額ほど」など、多くの慣用句があります。

ことわざと混同されがちですが、ことわざは教訓を含んでいるのが大きな違いです。

慣用句は教訓を含みません。物事のたとえとしてのみ使われます。

 

日常的に使う慣用句ですが、改めて慣用句とは何かを例を挙げて分かりやすくご説明します。

一覧もご活用ください。

 

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慣用句とはどのような言葉?

慣用句とはわかりやすく解説

 

慣用句とは、昔から使われていて、2つより多い言葉が結びついて特定の意味を表すものです。

デジタル大辞泉には次の記載があります。[注1]

 

かんようく【慣用句】

二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの

「油を売る」「あごを出す」の類。

イディオム。慣用語。

 

慣用句は、日常のなかでも、意識せずによく用いられています。

「相槌(あいづち)を打つ」「足を引っ張る」「上の空」など、挙げればきりがないほどの慣用句があります。

[注1]小学館「デジタル大辞泉」

 

「慣用句」と「ことわざ」の違い

慣用句とことわざの違い

 

慣用句とことわざの違いは、ことわざには教訓・格言・物事の法則が含まれていることです。

 

  • 慣用句 :教訓を含まない、物事のたとえ
  • ことわざ:教訓を含むたとえ

 

ことわざについて例で確認してみましょう。

【例:ことわざ】

石の上にも三年(いしのうえにもさんねん)

意味:意志の上にも3年座り続ければ温まってくる。

辛抱すれば成功できることのたとえ。

 

馬の耳に念仏(馬のみみにねんぶつ)

意味:馬にありがたい念仏を聞かせても無駄である。

いくら意見しても効き目のないことのたとえ。

 

弘法にも筆の誤り(こうぼうにもふでのあやまり)

意味:弘法大師のような書の名人でも、書き損じることがある。

その道に長じた人でも時には失敗をすることがあるというたとえ。

 

三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)

意味:凡人でも三人集まって相談すれば、素晴らしい知恵が出るものだということ。

 

例に挙げたように、ことわざには、ひとかたまりの言葉で特定の意味を表すだけでなく、教訓や格言としての意味が含まれています。

慣用句は、教訓などの意味は含まず、物事のたとえとしてのみ使われます。

 

 

慣用句一覧

慣用句の一覧をご紹介します。

 

体を使った慣用句

体を使った慣用句

 

慣用句には体の一部を使った言葉が多くあります。

体を使った慣用句をまとめてご紹介いたします。

 

【頭】

慣用句 意味
頭を冷やす

(あたまをひやす)

興奮した気持ちをおさえる。

気持ちを冷静にする。

頭を上げる

(あたまをあげる)

他の者を押さえて勢力を伸ばす。

頭角を現す。

台頭する。

頭を痛める

(あたまをいためる)

ある事を考えて、心配したり悩んだりする。
頭を抱える

(あたまをかかえる)

 

心配な事や悩み事があって思案に暮れる。

頭を下げる

(あたまをさげる)

おじぎする。

謝る。わびる。

敬服する。感服する。

頭を突っ込む

(あたまをつっこむ)

仕事や仲間などに加わる。

首を突っ込む。

頭を冷やす

(あたまをひやす)

興奮した気持ちをおさえる。

気持ちを冷静にする。

 

【足】

慣用句 意味
足を洗う

(あしをあらう)

悪い仲間から離れる。

好ましくない生活をやめる。

職業・仕事をやめる。

足を掬われる

(あしをすくわれる)

すきをついて失敗させられる。
足を運ぶ

(あしをはこぶ)

あることのために、わざわざ出向く。
足を引っ張る

(あしをひっぱる)

人の成功や前進を邪魔する。
足を踏み入れる

(あしをふみいれる)

入り込む。
足を棒にする

(あしをぼうにする)

くたくたに疲れるまで歩き回ること。

 

【顔】

慣用句 意味
顔が合わせられない

(かおがあわせられない)

面目なくて会えない。
顔が利く

(かおがきく)

信用や力があるために相手に対して無理が言える。
顔が立つ

(かおがたつ)

世間に対して面目が保たれる。
顔が広い

(かおがひろい)

つきあいの範囲が広い。

知り合いが多い。

顔に泥をぬる

(かおをどろをぬる)

面目を失わせる。恥をかかせる。

 

【目】

慣用句 意味
目が利く

(めがきく)

よしあしを見分ける能力をもっている。
目が肥える

(めがこえる)

よいものを見慣れて、よしあしを見分ける力が増す。
目が冴える

(めがさえる)

神経が高ぶって眠れなくなる。
目の中へ入れても痛くない

(めのなかへいれてもいたくない)

子供などを溺愛する気持ちや様子。
目を光らす

(めをひからす)

油断なく監視する。

厳重に見張りをする。

 

【鼻】

慣用句 意味
鼻が高い

(はながたかい)

誇らしい気持ちである。

得意である。

鼻にかける

(はなにかける)

自慢する。

得意がる。

鼻を明かす

(はなをあかす)

出し抜いてあっと言わせる。
鼻持ちならない

(はなもちならない)

言語や行動ががまんできないほど不愉快である。

 

木で鼻を括る

(きではなをくくる)

無愛想に応対する。

冷淡にあしらう。

 

【耳】

慣用句 意味
耳が痛い

(みみがいたい)

他人の言葉が自分の弱点をついて聞くのがつらい。
寝耳に水

(ねみみにみず)

不意の出来事や知らせに驚くことのたとえ。
耳を疑う

(みみをうたがう)

思いがけないことを聞き、聞き違いかと思う。

聞いたことが信じられないことにいう。

耳を貸す

(みみをかす)

人のいうことを聞く。

また、相談にのる。

耳を揃える

(みみをそろえる)

全額を不足なく用意する。

 

【口】

慣用句 意味
口がうまい

(くちがうまい)

話し方が巧みである。

口先で人をまるめこむのが上手である。

口が固い

(くちがかたい)

言うべきでないことをむやみに他言しない。
口から先に生まれる

(くちからさきにうまれる)

口数の多い者や口の達者な者をあざけっていう言葉。
口に上る

(くちにのぼる)

うわさになる。

話題になる。

口車に乗る

(くちぐるまにのる)

言葉巧みに言われてだまされる。

おだてに乗る。

 

【首】

慣用句 意味
首を長くする

(くびをながくする)

期待して待ち焦がれる。
首が回らない

(くびがまわらない)

借金など、支払うべきお金が多くてやりくりがつかない。
首が繋がる

(くびがつながる)

あやういところで免職・解雇をまぬがれる。
真綿で首を絞める

(まわたでくびをしめる)

遠回しにじわじわと責めたり痛めつけたりすること。
鬼の首を取ったよう

(おにのくびをとったよう)

大変な巧妙・手柄を立てたかのように得意になるさま。

 

動物を使った慣用句

動物を使った慣用句

 

動物を使った慣用句もあります。

動物の特徴をとらえた面白い言葉がたくさんあります。

 

【猫】

慣用句 意味
猫の額

(ねこのひたい)

場所の狭いことのたとえ。
借りてきた猫

(かりてきたねこ)

ふだんと違って非常におとなしいさま。
窮鼠猫を噛む

(きゅうそねこをかむ)

弱い者も追いつめられると強い者に反撃することがある。
猫の手も借りたい

(ねこのてもかりたい)

忙しく手不足で、どんな手伝いでもほしいこと。
猫を被る

(ねこをかぶる)

うわべをおとなしく見せかける。

 

【犬】

慣用句 意味
犬の遠吠え

(いぬのとおぼえ)

臆病な人が陰でいばり、陰口をたたくこと。
犬も歩けば棒に当たる

(いぬもあるけばぼうにあたる)

  1. 何かしようとすれば災難に遭うことも多い。
  2. 出歩けば思わぬ幸運に出会う。
犬も食わぬ

(いぬもくわぬ)

ひどく嫌われること。

ばかばかしくて相手にする気になれないこと。

飼い犬に手を噛まれる

(かいいぬにてをかまれる)

目をかけている者に裏切られ、ひどい目にあう。
犬に論語

(いぬにろんご)

いくら道理を説いても益がないこと。

 

【馬】

慣用句 意味
馬の骨

(うまのほね)

素性のはっきりしない者。
馬の耳に念仏

(うまのみみにねんぶつ)

馬に念仏を聞かせても無駄である。

意見をしても全く効き目がないこと。

生き馬の目を抜く

(いきうまのめをぬく)

すばやく物事をする。

油断のならないさま。

馬が合う

(うまがあう)

気がよく合う。

意気投合する。

馬子にも衣装

(まごにもいしょう)

つまらぬ者でも外形を飾るとりっぱに見える。

 

【鳥】

慣用句 意味
雀の涙

(すずめのなみだ)

ごくわずかなもの。
閑古鳥が鳴く

(かんこどりがなく)

人の訪れがなく、ひっそりと静まり返っているさま。

客が来なくて商売がはやらないさま。

飛ぶ鳥を落とす勢い

(とぶとりをおとすいきおい)

権力や威勢が盛んな様子。
嘴が黄色い

(くちばしがきいろい)

年が若くて経験の足りないことをあざけっていう言葉。
鶴の一声

(つるのひとこえ)

有力者・権威者の一言。

 

【魚】

慣用句 意味
魚心あれば水心

(うおごころあればみずごころ)

相手が好意を示せば、自分も相手に好意を示す気になる。

相手次第でこちらの応じ方が決まること。

逃した魚は大きい

(にがしたさかなはおおきい)

手に入れそこなったものは、惜しさが加わって、実際より価値があるように思われるものである。
水魚の交わり

(すいぎょのまじわり)

水と魚との切り離せない関係のような、

非常に親密な交友。

水を得た魚のよう

(みずをえたうおのよう)

その人に合った場で生き生きと活躍する様子。
鰻の寝床

(うなぎのねどこ)

間口が狭くて奥行きの深い建物や場所。

 

【虫】

慣用句 意味
虫唾が走る

(むしずがはしる)

胸がむかむかするほど不快である。
虫が知らせる

(むしがしらせる)

前もって心に感じる。

予感がする。

泣き面に蜂

(なきつらにはち)

不運や不幸が重なること。
蛍二十日に蝉三日

(ほたるはつかにせみみっか)

物事の盛りの短いこと。
蜘蛛の子を散らす

(くものこをちらす)

大勢のものが散り散りになって逃げていくこと。

 

英語の慣用句

英語の慣用句

 

英語にも慣用句はあります。

会話の中でパッと使われたときに意味がわかると困惑しません。

有名な慣用句を覚えておくと便利です。

 

It’s a piece of cake:楽勝だよ

「a piece of cake」は、直訳すると「一切れのケーキ」です。

慣用句では、「楽勝、簡単」という意味を表します。

日本語の「朝飯前」といったところでしょう。

 

【例文:It’s a piece of cake】

Can you do today’s homework?

Yes, it’s a piece of cake!

今日の宿題できる?

うん、楽勝だよ!

 

bull in a china shop:乱暴者

「bull in a china shop」は、直訳すると、「陶器店の雄牛」です。

陶器店に迷い込んで暴れる牛のイメージから、「乱暴者」を意味します。

 

【例文:bull in a china shop】

He behaves like a bull in a china shop.

彼は乱暴な言動をする

 

a big fish in a little pond:井の中の蛙

「a big fish in a little pond」は直訳すると「小さな池の大きな魚」です。

「お山の大将」「井の中の蛙(かわず)」を表しています。小さな世界で意気がる様子です。

 

【例文:a big fish in a little pond】

you are a big fish in a little pond.

君は井の中の蛙だよ。

 

Time flies:光陰矢の如し

「Time flies」は直訳すると「時が飛ぶ」です。

時間が飛ぶようにはやく過ぎることを表します。

日本語の「光陰矢の如し」と同じです。

 

【例文:Time flies】

My daughter is already 20 years old.

Oh! Time flies!

私の娘はもう20歳になったよ。

おお。光陰矢の如しだね!

 

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慣用句は教訓を含まない

慣用句は、物事のたとえとして、昔から使われてきた言い回しです。二語以上で特定の意味を表します。

慣用句とことわざは違います。ことわざには教訓などが含まれています。慣用句には教訓は含まれません。物事のたとえとしてのみ使われます。

「馬の耳に念仏」「河童の川流れ」「紺屋の白袴」など、普段からよく使う慣用句はたくさんあります。

ご紹介したのは一般的な慣用句ばかりですが、あまり使われない難しい慣用句もチェックしてみると面白いかもしれません。

 

参考:小学館「デジタル大辞泉」

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