重複【ちょうふく・じゅうふく】読み方と意味!削除すべき4つのパターン

重複(ちょうふく・じゅうふく)読み方と意味!削除すべき4つのパターン

重複の読み方は、「ちょうふく・じゅうふく」で迷うことがあります。

「じゅうふく」では間違いだという考え方もあります。

どうなのでしょう?

はい、はっきりさせましょう。

「ちょうふく」も「じゅうふく」も正しい読み方です。

 

本来は「ちょうふく」であったものが、「じゅうふく」という読み方が広まり、現在では認められるようになりました。

さて、その重複ですが、文章のなかで知らずに重複表現を使ってしまうことがあります。

 

  • 頭痛が痛い
  • 馬から落馬する

 

上記は有名な例です。そこまでわかりやすくなくても、「たいていの場合、賛成の場合が多い」などと、すっきりしない重複を書いてしまうこともあります。

今回は、重複の読み方と意味、文章中の削除すべき重複をご紹介いたします。

 

 

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【重複の読み方】ちょうふく・じゅうふく

重複「ちょうふく」「じゅうふく」どちらも正しい

 

「重複」をどんなふうにお読みでしょうか。

「じゅうふく」と読む方もいれば、「ちょうふく」が正しい読み方だと主張する方もいらっしゃいます。

 

「ちょうふく・じゅうふく」どちらの読み方をしても間違いではありません。

 

「重複」は、「ちょうふく」が本来の読み方とされています。しかし、現在では「じゅうふく」という読み方も認められています。つまり、どちらの読み方をしても大丈夫です。

 

ただし、本来の読み方にこだわる方と会話する場合には、「ちょうふく」を使ったほうがよいかもしれません。

 

広辞苑には次の記載があります。[注1]

【引用:広辞苑】

ちょうふく【重複】

同じ物事が幾度も重なること。かさなりあうこと。じゅうふく。

「話がーする」「ーを避ける」

 

じゅうふく【重複】

⇒ちょうふく

 

広辞苑でも、どちらの読み方も記載されています。

 

それでは、どちらの読み方をしている人が多いでしょうか。

現在では、「じゅうふく」と読む人が多いようです。

 

平成15年度「国語に関する世論調査」では、次の記載があります。[注2]

 

5.言葉の発音

以下の10語について,二通りの発音を挙げ,ふだんどちらで発音しているかを尋ねた。 結果は以下のとおり。(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)

世論 せろん

18.9%

よろん

73.6%

重複 じゅうふく

76.1%

ちょうふく

20.0%

情緒 じょうしょ

14.9%

じょうちょ

82.2%

固執 こしつ

73.7%

こしゅう

19.5%

施策 しさく

67.6%

せさく

26.1%

早急 さっきゅう

21.2%

そうきゅう

74.5%

地熱 じねつ

43.3%

ちねつ

52.4%

十匹 じっぴき

23.3%

じゅっぴき

75.1%

3階 さんかい

35.7%

さんがい

61.2%

あり得る ありうる

39.8%

ありえる

54.5%

 

 

次の結果がわかります。

  • じゅうふく:76.1%
  • ちょうふく:20.0%

 

もともとは「ちょうふく」という読み方でしたが、「じゅうふく」という読み方が広まり、現在では、より多くの人が「じゅうふく」と読んでいるのがわかります。

 

[注1]岩波書店/広辞苑

[注1]文化庁/平成15年度「国語に関する世論調査」

 

【重複の意味】同じ物事が重なり合うこと

重複の意味

 

重複の意味は、同じ物事が重なることです。

 

デジタル大辞泉に次の記載があります。

【デジタル大辞泉】

ちょうふく【重複】

同じ物事が重なり合うこと。じゅうふく。

「語句のーを避ける」「話がーする」

 

文章中で、うっかり語句が重複してしまうことがあります。

語句が重複してしまっている文章はよく見かけます。

適切に修正する必要があります。

 

「文章中で語句が重複する」というのは、「必ず必須です」などのことです。「必須」は「必ず用いるべきこと」という意味です。つまり、「必ず必須です」では、「必ず必ず用いるべきことです」と、重複しているわけです。

すっきりした文章を作成するためには、重複は避けなければなりません。

文章の重複について次で詳しくご説明します。

 

重複は避ける

重複は削除する

 

伝わりやすい文章を作成するためには、余分な言葉を省く必要があります。

余分な言葉の一つに、「重複」があります。

 

  • 頭痛が痛かったので寝ていました。
  • 馬から落馬して骨を骨折しました。

 

「頭痛が痛い」「馬から落馬」「骨を骨折」は、重複していて、おかしいと感じられてしまいます。

上記は極端でわかりやすい例ですが、普段の会話のなかでも「おやっ」と感じる重複を見逃していることはあります。

 

【例文:ありがちな重複】

違和感感じます。

良い朗報があります。

指摘事項を注意したところ…

水分補給摂ってください。

それは要です。

金をめようかな。

を受する。

事をべましょう。

 

伝わりやいすっきりした文章のためには、重複を削除しましょう。

 

【ありがちな重複を削除する】

重複した文章 重複を削除した文章
違和感感じます。 違和感を覚えます。
良い朗報があります。 朗報があります。
指摘事項を注意しところ… 指摘事項を伝えたところ…
水分補給摂ってください。 水分補給をしてください。
それは必ず必要です それは必要です。
貯金貯めようかな。 貯金しようかな。
金賞受賞する。 金賞をとる。
食事食べましょう。 食事をしましょう。

 

文章から重複を削除するとすっきりした印象になります。

 

重複の4つのパターンと言い換え方法

重複の削除すべき4つのパターン

 

それでは、文章中にある重複を4つに分類して、詳しく見ていきましょう。

 

パターン1. 同じ意味を繰り返す

同じ意味を繰り返すパターンの重複

 

同じ意味の表現を重ねてしまうことがあります。

「頭痛が痛い」「後で後悔する」などがこのパターンです。

 

【同じ意味を繰り返すパターン】

重複 言い換え
その件については、部下に全てを一任しました。 その件については、部下に一任しました。
そのような言い方には違和感を感じます。 そのような言い方には違和感を覚えます。
まずはじめに、〇〇をご説明します。 まず、〇〇をご説明します。
重さはだいたい〇〇ほどです。 重さはだいたい◯◯です。

重さは〇〇ほどです。

一番最初に、

一番最後に、

最初に、

最後に、

紫外線が当たると色が変色します。 紫外線が当たると変色します。

紫外線が当たると色が変わります。

たいていの人は、納得しない人が多い たいていの人は納得しない。

納得しない人が多い。

後で後悔するでしょう。 後悔するでしょう。

後で悔やむでしょう。

間違いなく、そこに原因があるのは確実です。 間違いなく、そこに原因があります。

そこに原因があるのは確実です。

 

 

パターン2. 同じ言葉を繰り返す

同じ言葉を繰り返すパターンの重複

 

一つの文章のなかで、同じ言葉を繰り返すタイプの重複があります。

「間違いなく…確実です」など、気が付かずに使ってしまうことが多いようです。

 

【同じ言葉を繰り返すパターン】

重複 言い換え
驚いたことに、そのやり方があるのかと驚きました そのやり方があるのかと驚きました。

驚いたことに、そのやり方がありました。

ただおいしいだけではなく、色合いも絶妙でおいしいのです。 ただおいしいだけではなく、色合いも絶妙です。

 

この言葉の意味を知ったのも、その映画と出会って知りました その映画と出会い、この言葉の意味を知りました。

 

担当の方が言うには、そこは危険だと言いました 担当の方が言うには、そこは危険です。

担当の方が、そこは危険だと言いました。

 

パターン3. 「こと」を繰り返す

「こと」を繰り返すパターンの重複

 

不要な「こと」を繰り返している文章もあります。

「こと」は一文に一つの方がすっきりします。

 

【「こと」を繰り返すパターン】

重複 言い換え
サイバー攻撃を防ぐことは大切なことです。 サイバー攻撃を防ぐのは大切なことです。

サイバー攻撃を防ぐことは大切です。

ゴルフをすることができることが条件です。 ゴルフができることが条件です。
高収入であることが幸せなこととは限らない。 高収入であることが幸せとは限らない。

高収入が幸せなこととは限らない。

簡単にできることが良いことだとは、誰もが思うことです。 簡単にできるのが良いとは、誰もが思うことです。

 

 

パターン4.可能表現を繰り返す

可能表現を繰り返すパターンの重複

可能を表す表現が重複している文章もあります。

すっきりさせましょう。

 

【可能表現を繰り返すパターン】

重複 言い換え
検定試験に合格できることができました 検定試験に合格できました。
仕事にありつけることができました 仕事にありつけました。

 

皆から集められることができます 皆から集められます。

皆から集めることができます。

そちらの入り口から入れることが可能です。 そちらの入り口から入れます。

そちらの入り口からは入ることが可能です。

そのように書かれることができます そのように書けます。

そのように書くことがきできます。

よく眠れることが可能です よく眠ることができます。

よく眠れます。

 

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重複がある文章は伝わりにくい

重複がある文章は意味が伝わりにくいと感じます。

そうですね。

例えば、次の文章は「こと」が重複しています。

「重複を避けることが理解しやすい文章を書くことには大切です」

 

もっとすっきりさせましょう。私なら次のように修正します。

「理解しやすい文章のためには重複を避けましょう」

 

余分な言葉を削ると、本当に伝えたい事柄がはっきりします。

スムーズに伝わる文章ほどシンプルです。

重複を見かけたら修正していきましょう。

 

【参考文献】阿部紘久「文章力を伸ばす」日本実業出版社

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