「〜ができる」と「〜が出来る」は、
公文書ではどちらで表記すればよいでしょう?
迷ってしまうことがあります…
公用文では「〜ができる」とひらがなで表記します。
「できる」と「出来る」は、「できる」とひらがな表記します。[注1]
公文書、論文、履歴書などを書いていて迷うことがあったら、「できる」とひらがな表記しましょう。
今回は、迷いがちな「できる・出来る」の漢字表記とひらがな表記についてわかりやすく解説いたします。
[注1]共同通信社「記者ハンドブック第13版」
できる:動詞と副詞はひらがな表記する

動詞と副詞の「できる(出来る)」は、「できる」とひらがな表記します。
これは、常用漢字表に「出来る」という動詞や副詞的用法の漢字の読みが載っていないためです。[注2]
公文書、論文などは「できる」と書く
公文書の指針となる共同通信通信社の「記者ハンドブック」でも、「できる(出来る)」はひらがな表記とされています。[注1]
【引用:共同通信社「記者ハンドブック」】
できる(出来る)→できる(動詞、副詞など)
…することができる、
できる限り、
できるだけ、
橋ができる、
勉強がよくできる、
用事ができる、
理解できる、
利用できる
「〜できる」が動詞か副詞であれば、ひらがな表記をしましょう。
履歴書でも「できる」と書こう

履歴書を書くときに、「〜ができます」と、自己アピールすることがあります。
この場合、「出来ます」なのか「できます」なのか、迷う方が多いようです。
「〜できます」とひらがなで書くのが正解です。
履歴書も、公文書の指針に沿って書くのが望ましいためです。
また、「できる限り」「できるだけ」も、ひらがな表記としましょう。
[注1]共同通信社「記者ハンドブック第13版」
[注2]文化庁/常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)/常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)[pdf]
出来:名詞は漢字表記する

「出来事」など、名詞は「出来」と漢字表記します。
常用漢字表にも、「出来栄え」「出来事」「出来心」という記載があります。これらは名詞や複合語です。[注2]
共同通信社の「記者ハンドブック」でも、「でき」という名詞や複合語は、「出来」と漢字表記するよう記載されています。[注1]
【引用:共同通信社「記者ハンドブック第13版」】
でき 出来〔主に名詞形、複合語〕
上出来、
出来具合、
出来上がる、
出来が良い、
出来心、
出来事、
出来過ぎ、
出来損なう、
出来高(払い)
出来たて、
出来不出来、
出来具合
名詞・複合語は漢字表記するのがわかりました。
使い分けは簡単です。
動詞はひらがな表記、名詞・複合語は漢字表記をと覚えてしまいましょう。
[注1]共同通信社「記者ハンドブック第13版」
[注2]文化庁/常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)/常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)[pdf]
公文書では「できる」とひらがな表記しよう
「できる」と「出来る」の表記の違いを解説いたしました。
- できる:動詞
- 出来: 名詞・複合語
「〜できる」など、動詞はひらがな表記であることを覚えておきましょう。
論文や履歴書を書く場合に、「出来る」と「できる」をどちらで書くべきか迷う方も多いようです。この場合、公文書の指針に沿って「できる」とひらがな書きします。
簡単に覚えれられて、知っていたら得な知識です。こちらで覚えてしまいましょう。