Googleクローラーと呼ばれるインターネットの情報収集プログラムは、Webコンテンツのインデックス(検索エンジンに掲載されること)と共に語られがちですが、実はSEO対策とも深い関係を持っています。
つまりGoogleクローラーの仕組みを理解することで、Webサイトの効率的な運用方法を理解する手助けとなるのです。
本記事ではGoogleクローラーについて、その仕組みやとSEO対策の関係性、Googleクローラーを自サイトに呼び込む方法をご紹介します。
目次
Googleクローラーとは?SEOの必須知識を紹介
Googleクローラーとは、インターネット上に掲載されたコンテンツ(記事)を自動的に解析するプログラムのことを指します。
主な役割として、コンテンツをGoogle検索エンジンに検索するかどうか精査し、どの検索キーワードにコンテンツを紐づけるか定義することがあります。
クローラビリティ=クローラーの回遊しやすさを表す指標
Webサイト運営用語のひとつに「クローラビリティ」と呼ばれるものがありますが、こちらはGoogleクローラーが回遊しやすいサイトかどうかを指す指標のことを指します。
GoogleはWebページの重要度を図る際に、(1)内部リンクの集まり方 や (2)パーマリンク構造を参考にしています。例えばWebサイト内のページ重要度を図る場合において、次のような判断があります。
Webサイトの下層に位置する単ページより、Webサイトの最上層に位置するトップページの方が情報価値が高い。
以上のようなWebページごとの繋がりを分析することもGoogleクローラーの役割です。
クローラビリティが高いWebサイトほどGoogleクローラーに正しくサイト内の情報が伝わることから、クローラビリティの高いWebサイトほどGoogleから正当な評価を受けるというロジックが成り立ちます。
Googleクローラーに関連する重要な知識であるため、この機会に抑えておきましょう。
GoogleクローラーとSEO対策の関係性
次に、GoogleクローラーとSEO対策の関係性についてご紹介します。
Googleクローラーは一度のクローリングでWebコンテンツを完全に解析するわけではありません。長期的な期間で何度も同一ページをクローリングすることによって、Webコンテンツを精度の高いレベルで理解します。
Webメディアを運営された経験のある方なら、記事の内容と関係ないキーワードで自サイトがインデックスされた経験があるはずです。これは記事単体にクローラーが少ない回数しか訪れていない場合に起こる現象です。
いくらSEO対策に気を払って記事執筆したところで、狙ったキーワードでインデックスされなければWebサイトを運営する意味がありません。
その意味ではGoogleクローラー、ひいてはクローリングとSEO対策には密な関係があると言えます。
クローリング回数が多いほどSEOには有利に働く
上記の内容を踏まえると、クローリング回数が多いほどSEO対策に有利であると結論付けることができます。
(注. 厳密には「クローリング回数が多いほど記事の良し悪しを正確に判断してくれる」という表現の方が正しいです。)
また、Webコンテンツを公開してから時間が経つほどページ単位で蓄積されるUXデータ量も多くなります。良質なUXデータが蓄積されればコンテンツは高い評価を受けるため、記事の検索順位も自ずと上位に推移していくことになります。
冗長な表現はGoogleクローラーから理解されにくい
冗長な表現はGoogleクローラーから理解されないため、SEO対策を重視するならWebコンテンツはできる限り単調かつ分かりやすい文章で執筆する必要があります。
Googleクローラーは一定のアルゴリズムに従って動作するプログラムです。
そのため、今後革新的な技術の進歩がない限りは、日本語に特徴的な「含みのある文章」や「皮肉」を理解できず、文章そのままの意味でコンテンツを理解してしまいます。
SEOライティングの観点からクローリングを語れば、結論ファーストの文章執筆に努めることは非常に重要です。GoogleクローラーとSEO対策には無視できないほど深い関係性があることを抑えておきましょう。
GoogleクローラーがWebサイトをインデックスする仕組み
次に、GoogleクローラーがWebサイトをインデックスする仕組みをご紹介します。
少し専門的な内容ではありますが、SEO対策を十分に行うならクローラーの仕組みへの理解が必須です。
- クローラーがウェブサイトを発見
- インデクサーがコンテンツを解析し、データベースへ保存
- 検索エンジンが検索ユーザーへウェブページのURLを返答
1. クローラーがWebページを発見
GoogleクローラーはHTTP/HTTPSプロトコルで通信しているため、HTTP/HTTPSで取得できるものすべてをクロール時に取得し、インデクサーへ返します。
- HTML
- CSS
- JavaScript
- 画像
- 動画
- オフィス文書
検索エンジンを利用していると、検索結果にPDFファイルが紛れ込んでいたり、Google画像検索で様々な画像を発見したりできるはずです。これらは全てGoogleクローラーがインターネット上のあらゆるコンテンツを発見し、データベースへ送信していることが理由です。
検索エンジンに自サイトのコンテンツを掲載するためには、何よりも先にGoogleクローラーを呼び込み、Webサイトを発見してもらう必要があります。
いくらSEO対策を施したとしても、クローラーがウェブサイトを発見しない限りは検索エンジンにインデックスされることはありません。
2. インデクサーがコンテンツを解析し、データベースへ保存
Googlebot(Googleクローラー)が発見したコンテンツはインデクサーが解析し、データベースに登録するかどうか、どのような分類をして整理するか決定します。
この時インデクサーによってウェブページごとに与えられた情報をもとに、検索エンジンのサービスは成り立っています。
ただし、前述の通り、たった一度のコンテンツ解析によってコンテンツが完璧に精査されるわけではないことを抑えておきましょう。WebコンテンツはGoogleクローラーによるクロール回数が増えるたびに正確な評価を受けます。
3. 検索エンジンが検索ユーザーへウェブページのURLを返答
Googleクローラーやインデクサーによってデータベースへ登録されたWebページの情報は、ユーザーが検索した特定のキーワードに反応して検索エンジンに表示されます。
クローラーを呼び込み、クローラーの頻度を高める3つの方法
次に、自サイトにGoogleクローラーを呼び込む方法を3つご紹介します。
もっとも基本的なクローラーを呼び出す方法としてはGoogleサーチコンソールにてインデックス申請することが知られていますが、その他にもクローラーを意図的に呼び込む方法はあります。
- Google Search Consoleでインデックス申請を行う
- 外部サイトからの被リンクを獲得する
- 自サイトから内部リンクを送る
1. Googleサーチコンソールでインデックス申請/サイトマップ送信を行う
まずはGoogleサーチコンソールを利用してインデックス申請(フェッチ)、サイトマップ送信を行うことです。
これは最もベーシックな方法であり、Webサイトを新規に立ち上げたのであれば必ず行うべき項目の一つでもあります。
サイトマップの送信を怠っているケースが散見されますが、SEO対策を行うに当たっては重要な項目であるため、必ず対応しておきましょう。
2. 外部サイトからの被リンクを獲得する
外部サイトからの被リンクを獲得することでもGoogleクローラーを呼び込むことができます。
被リンクに関連した話では「リンク先のコンテンツをGoogleクローラーは精査する」という説明をよく目にするはずです。この表現が意味することこそが、GoogleクローラーによるWebサイトの解析です。
したがって、被リンクを多く獲得しているWebサイトほどクローリングの機会は多いということになります。
自サイトから内部リンクを送る
自サイト内に新規ページを作成した場合であれば、そのページに対して内部リンクを送るだけでGoogleクローラーがページを見つけてくれます。
独自にウェブサイトを構築している方であれば特に気にすることはありませんが、Googleクローラーはリンクを辿ってWebサイトを回遊するため、サイト内にアクセス不可能なページが存在しないように努める必要があります。
サイトの回遊率については、下記の記事をご参照ください。
サーチコンソールが使えず、フェッチできない時はどうするべき?
2020年のWebサイト運営事情を例に出せば、10月末から12月にかけてGoogleサーチコンソールのインデックス申請機能が停止していたことがありました。
今後もし同様のことがあり、その間に新規メディアを設立する機会があれば、既存メディアから発リンクを送ったり、無料ブログサービスから被リンクを送ったりすることで意図的にGoogleクローラーを呼び込むことができます。
ややプラットフォームハック的な意味合いが強い知識ですが、有事の際に役立つので覚えておきましょう。
Googleクローラーの仕組みを理解して効率的なSEO対策を
本記事ではGoogleクローラーの仕組みを説明した上で、GoogleクローラーがSEO対策においていかに重要であるかご紹介しました。
Webメディアをインターネット上に公開するためのキッカケとなるGoogleクローラーの仕組みは、Web担当者なら必ず抑えておくべきでしょう。
特にゼロベースでWebサイトを構築している場合はクローラビリティに致命的な欠陥がある場合もあるため、この機会に自サイトの内部構造を見直してみることをおすすめします。
当サイトではSEO対策に関するあらゆる情報をご紹介しています。他に興味のある記事があれば、ぜひ参考にしてくださいね。