論理的な文章を書くためによく使われるのが、演繹法(えんえきほう)と帰納法(きのうほう)です。
帰納法は、複数の事例から、共通点を抜き出し、結論を導き出す論理展開の手法です。
帰納法とよく一緒に語られるのが演繹法ですが、こちらは、まず、根拠に基づいて論理を展開して最後に結論を導き出すのが大きな違いです。
- 帰納法(きのうほう): 複数の事例から共通点を見つけ出す → 結論を導き出す
- 演繹法(えんえきほう): 根拠に基づいて論理を展開 → 最後に結論
今回は、帰納法について、わかりやすくシンプルに解説いたします!
目次
【帰納法とは】複数の事例から共通点を見つけて結論を導き出す論法
帰納法は、複数の物事から共通点を導き出し、結論づける論理展開のパターンです。
長年の経験に基づいている経験則や、大量のデータから推察する統計学も、帰納法が基本になっています。
さっそく例文を使って説明していきましょう。
ステップ1. 複数の事例をあげる
高級和食チェーンを展開している企業を例にしてみましょう。
「ベトナムの高級和食市場は、市場規模が拡大している」(市場環境の視点)
「ベトナムの高級和食市場には、強力な競合企業がいない」(競争環境の視点)
「ベトナムの高級和食市場では、自社の特許製法が活用できる」(自社の視点)
※ここで挙げている事例はあくまで例です。事実と異なる可能性もあるのでご注意ください
ステップ2. 事例をもとに共通点を見つける
3つの事例から共通点を見つけます。
市場環境・競争環境・自社の視点という3つの事例から、ベトナム市場が自社にとって魅力的だという共通点が見つかりました。
ステップ3. 共通点を根拠に結論づける
共通点から結論を見出します。
この例では、ベトナムの高級和食市場は3つの視点からとても魅力的な市場であることがわかったことから、「ベトナムでの出店に乗り出すべき」という結論が導き出されました。
帰納法とよく一緒に語られるのが演繹法です。混同しやすいため、演繹法についてもチェックしておきましょう。
記事ブログ内に演繹法 (えんえきほう)についてわかりやすく解説した記事があります。「演繹法ってなんだっけ?」と思った場合にすぐに理解できるよう、シンプルにご説明しています。演繹法の記事も、こちらと合わせてご覧ください。
【注意点】帰納法を使う際に注意すべき3つのポイント
帰納法は、複数の事例(状況証拠)から共通点を見出して結論づけているため、次の3つの点に注意が必要です。
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事例が間違いだった場合、共通点の抽出や結論づけに飛躍がある場合、その論理は破綻してしまいます。
そこで、簡単なチェック方法を次でご紹介します。
【帰納法の論理チェック方法】「なぜならば」を使う
帰納法が正しく展開されているかどうかを確認する方法があります。
接続詞である「なぜならば」を使いながら、論理を逆上ってみます。
違和感がなければ、その論理展開は正しいということです。
さきほどの例文にあてはめてみましょう。
【例文:帰納法の論理チェック】
結論:「自社はベトナムの高級和食市場に参入すべきである」
なぜならば「自社にとってベトナムの高級和食市場は魅力的な市場である」からだ。
なぜならば「ベトナムの高級和食市場は、市場規模が拡大していて、強力な競合企業もなく、自社の特許製法が活用できる」からである。
論理を逆算しても、とくに問題はありません。
つまり、この例文は帰納法にそって正しく論理展開されているということです。
間違いから新たな発見が見つかることも
事例の共通点を見つけ出す際に例外を見つけてしまった場合、その論理は破綻する可能性が高くなります。
しかし、例外があるかどうか、例があるとすればなぜだろうという論理展開をしていけば、新しい発見がもたらされる可能性もあります。
最初に作り上げようとした論理には合わなくても、別の論理展開に活用できるかもしれません。
帰納法をより詳しく知りたい場合は
帰納法についてすぐに理解できるよう、シンプルにわかりやすく解説いたしました。
アンケート結果から結論を導き出すシーンなどに活用するとよいでしょう。
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