Googleは、不定期でページの評価制度を変更する「アルゴリズムアップデート」と呼ばれる変更をおこなっています。
このアルゴリズムアップデートにより、特定のキーワードで上位表示されていたページ(=いいページだとそれまで評価を受けていた)が大幅に順位を下落するということが、Google検索ではあります。
これは大規模な法人のサイトであれ、個人規模の小さなブログであれ、1ページのみで運営するペライチなどと呼ばれるサイトであれ、すべてのサイトが対象におこなわれるため、すべてのサイトオーナーが意識すべき事柄です。
そこでこの記事では、Google検索で大幅な順位変動が起こる原因をご紹介します。
目次
Google検索で大幅な順位変動が起きる原因
なぜGoogle検索では大幅な順位変動が起きるのか、この記事の本題に入っていきます。
大幅な順位変動の原因はアルゴリズムアップデートであることが多い
Google検索で大幅な順位変動が起こる原因としては、先ほどご紹介したアルゴリズムの変更に原因があることがほとんどです。
Googleでは年に1~2回ほど不定期に検索アルゴリズムの核となる部分をアップデートしています。
この大規模なアップデートの影響によって、これまで評価されていたページが評価されなくなったり、評価されていなかったページが評価されるようになったりするのです。
大規模なアップデートが起こらずともGoogle検索の順位は日々変わっていますが、これもアルゴリズムが日々変更(アップデート)されているためです。
(もちろんページが更新されたり新しいページが作成されたりすることにも起因します)
しかし、この年に1~2回ほどおこなわれる大規模なアルゴリズムアップデートは、これまでの常識とされていたような事柄も変更されることがあります。
そのため近年では、名前がつくほどの大きなアルゴリズムアップデートは事前にアナウンスされるようになりました。
順位が下落するサイト外部の要因
サイトの検索順位が下がる要因は、内部と外部の2種類に分けることができます。
そのままの説明になってしまいますが、内部の要因はサイト自体の構造や試作に問題の原因があって順位が下落するケース、外部の要因はサイトに直接的な原因があるわけではないものの何かしらの要因によって順位が下落するケースです。
まず外部要因について、具体的な内容をご紹介していきます。
1. 低品質な被リンク
サイト全体の評価を左右するのが被リンクと呼ばれる他サイトからのリンクです。
本来であれば被リンクはSEOにポジティブな影響を与え、サイト(ページ)が高品質であるとGoogleが判断する一つの要素です。
ただし、現在では「とにかく被リンクを集めればいい」という認識は非常に危険です。
過去、SEO対策として被リンクを業者などから購入し、大量の被リンクを自サイトに集めることで検索上位をとることができていました。
しかし、ペンギンアップデートと呼ばれるGoogleのアルゴリズムアップデートによって、現在ではスパムと思われる低品質な被リンクはかえってサイトにネガティブな影響を与えるようになっています。
この低品質なリンクがサイトに集まってしまう原因としては、以下のようなケースが考えられます。
- リンクを業者などから購入している
- 自身(自社)で大量のサテライトサイト等を作ってリンクを飛ばしている
- 取得したドメインが過去に利用されていて、低品質なリンクが張られていた
- 悪意ある第3者がサイトの評価を下げるためにスパムリンクを飛ばしている
このように、自身(自社)で被リンクを購入する明らかなスパム行為の他にも、意図しない低品質な被リンクが気づけば集まっていることがあり、それがアルゴリズムアップデートのタイミングで一気に順位に悪影響を与えるというのが一つ目の外部要因です。
過去にリンク施策をおこない、現在はすでにクリーンなサイト運営をしていたとしても、Googleのアルゴリズムアップデートの何かのトリガーに引っ掛かり手動ペナルティを受けているというサイトを複数見たことがあります。
被リンクを集めることはSEO対策で非常に重要ですが、購入や自作自演の被リンクをサイトに集めるのは絶対にやめましょう。
あくまで自然に他のサイトオーナーが引用や参考にしたくなるようなコンテンツを制作して被リンクを獲得するというのが、SEO対策の基本です。
Googleペナルティについては、下記の記事をご参照ください。
2. ユーザーの検索意図の変化
Googleが検索キーワードごとに表示する検索結果は、ユーザーの「検索意図」を満たすページを上位に表示するようになっています。
検索意図とは、ユーザーがなぜこのキーワード(クエリ)で検索したのか、その意図のことを指します。
例えば、「クレジットカード おすすめ」という検索キーワードと「クレジットカード 作り方」という検索キーワードでは、同じクレジットカードに関するキーワードではあるものの、検索意図は異なります。
クレジットカード おすすめ:おすすめのクレジットカードを知りたい(比較)
クレジットカード 作り方 :クレジットカードの作り方を知りたい
このように検索キーワードには検索意図がそれぞれ存在し、その検索意図を満たすページがGoogle検索で上位表示されるというわけです。
しかし、この検索意図は時代やその時の流行によって変わることがあります。
例えばイメージしていただきやすいのが「コロナ」というキーワード。
2019年以前は「コロナ」で検索すると「コロナビール」や「コロナ○○(社名)」などのページが表示されていましたが、2020年現在は「コロナウイルス」に関するページが表示されるようになっています。
これは「コロナ」というキーワードで検索する人は「コロナウイルスに関する情報が知りたい」とGoogleが判断し、実際に多くのユーザーがそれを求めているということです。
このようにユーザーの検索意図が変化することによってもサイトの検索順位は大きく変動します。
3. 他サイトの評価向上
3つ目の外部要因が、単純に自身のサイト(ページ)よりも他サイト(ページ)が評価されるようになったためです。
新規のページを作成し既存の他サイトよりも評価されたケースもあれば、アルゴリズムアップデートによって評価制度が変更され他サイトの方がいい評価を受けて順位が変動するケースもあります。
検索エンジンを提供するGoogleとしては、ユーザーにとってより良い検索体験をしてもらいたいと考えているため、自身のサイトよりも他のサイトの方が評価された時、順位が下がってしまうのはいたって自然なことといえます。
順位が下落するサイト内部の要因
続いて、検索順位が下落してしまうサイト内部の要因をご紹介していきます。
外部要因は自身で対応しにくいケースもありますが、内部要因であれば自身で改善を重ねていくことで下落した順位が元に戻る、もしくはより上昇することもあります。
そのため、まずはサイト内部の下落要因を対策していくことが優先といえます。(下落が外部要因だとはっきりしている場合は、これに限りません)
1. 情報が古い
この後にもご紹介しますが、2018年3月以降に複数回おこなわれているコアリズムアップデートでは、具体的なサイトオーナーの対応策が明言されていません。
唯一明示されているのが「より良いコンテンツを継続して更新していくこと」という点です。
つまり、より良いコンテンツになるようにページをブラッシュアップし続けることがいい評価につながるということです。
より良いコンテンツの考え方は人によっても異なりますが、確実に言える一つの要素として「情報の新しさ」が挙げられます。
同等程度の情報であったとしても、それが1年前の情報と1週間前の最新情報であれば、最新情報である後者の方がユーザーにとってより良いコンテンツであることは明白です。
新規のコンテンツを作っていくことも重要ですが、より多くのページで高い評価を受けるためには、情報が古くなってしまったページをリライトするなどして、最新情報にしていくことも重要な施策といえます。
2. 情報の信ぴょう性が低いと判断された
近年のGoogleは、E-A-Tと略される3つの要素でコンテンツの評価をおこなっています。
E:Expertise(専門性)
A:Authoritativeness(権威性)
T:Trustworthiness(信頼性)
このE-A-Tを高めることが近年のSEO対策では重要とされており、アルゴリズムアップデートを重ねるたびにその傾向は強くなっていると感じます。
具体例を挙げると企業ドメインの優遇と個人ドメインの冷遇です。
企業がリソースや費用をかけて作り上げたコンテンツはやはり専門性が高く、企業ということでその業界で権威も持っており信頼もできます。
しかし、個人ドメインでどれだけ記事を作りこんで専門性の部分を担保したとしても、個人であるため権威性はなく信頼できる情報なのかも不明です。
そのため、2020年現在のGoogle検索ではもっぱら企業ドメインの方が上位表示されやすく、どれだけいいコンテンツになっていたとしても個人ドメインであるがために上位表示されていないケースを目にします。
しかし、これは企業と個人という差のみで判断されるのではなく、もちろん企業ドメイン同士でもE-A-Tによる差が発生します。
その結果、自身のサイトの信ぴょう性が低いと評価されてしまうと、検索順位が大きく下落してしまう要因となります。
3. サイトのユーザビリティが悪い
スマートフォンの普及や動画や画像を主としたSNSの普及により、ユーザーが求めるコンテンツは多様化しています。
そのため、テキストのみではなく画像やイラストで図解されているページの方が評価されたり、時には動画が冒頭に設置してありテキストはほとんどないページが評価されたりもします。
このような背景がありながらもテキストのみで作成されているページはユーザビリティが高いとはとてもいえません。
また、ページの表示速度もユーザビリティに影響しますし、明らかに邪魔な広告(画面を覆うほどのサイズやバナーと場所が異なる広告など)もユーザビリティの低下を招きます。
加えて、2020年5月28 日には、ページの表示速度や操作への反応性、視認性の良さなどを評価項目としてさらに重視するという「Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル)」が発表されました。
Googleウェブマスターセントラルブログ「Evaluating page experience for a better web」(英字)
Core Web Vitalsの発表からも分かるように、今後はユーザーにとってより良いコンテンツだけではなく、より快適な検索行動という観点も重要になってくることが分かります。
過去の大きなアルゴリズムアップデート
ここまで、Google検索で大幅な順位変動が発生する原因について解説してきましたが、過去に実施されてきたアルゴリズムアップデートから学べることは非常に多くあります。
過去のアルゴリズムアップデートでは、常識とされていたものが突如としてペナルティ扱いになったこともあるため、過去のアップデートを知っておくことで「やってはいけないSEO対策」を理解できます。
すべて覚える必要はありませんが、どんな変更点が加えられてきたのかを把握しておきましょう。
名称 | 実施時期(日本) | アップデート内容 |
---|---|---|
パンダアップデート | 2011年7月 | 低品質なページの順位を下げて高品質なページの順位を上げる、SEOの基本ともいえるアップデート |
ペンギンアップデート | 2012年4月 | ブラックハットSEOをおこなっているサイトの検索順位を下げるためのアルゴリズムが追加されたアップデート |
ベニスアップデート | 2015年1月 | ユーザーが検索する位置情報によって検索結果が変化するアルゴリズムが追加されたアップデート |
健康アップデート | 2017年12月 | 医療や健康などのコンテンツは信頼性や正確性などを重視するアルゴリズムが追加されたアップデート |
モバイルファーストインデックス | 2018年3月 | パソコンではなくモバイルページを基準にページの評価がおこなわれるようにするアップデート |
コアアルゴリズムアップデート | 年に2~3回不定期で実施 | アルゴリズムのコア(核)を変更するアップデートで、内容は毎回異なる |
BERTアップデート | 2019年12月 | 検索クエリの文脈をAIによって理解し、より検索意図に適したページが上位表示されるようになるアップデート |
SEO対策=ユーザーにとって有益なコンテンツ作り
この記事では、Google検索で大幅な順位変動が起きる原因についてご紹介してきました。
これまで、ブラックハットSEOと呼ばれるアルゴリズムをハックするような手法や施策は、ペナルティが与えられてきたことは時代から学ぶことができます。
そのためサイト運営、そしてSEO対策は、ユーザーのことを考えてより良いページを作っていくことが重要となります。
何かの施策をおこなう際も、「この施策はユーザーにとって有益なのか」という視点を忘れないようにしましょう。
検索順位が突然圏外になった場合については、下記の記事をご参照ください。