企業のコンテンツマーケティングや個人のブログを執筆する時、「表記ゆれ」は往々にして起こります。
表記ゆれとは、ある言語の文字表記について同一記事内で複数の表現方法が混在してしまっている状況を指しますが、SEOの面で考えるとあまり良いことではありません。
記事の品質担保に努めるためにも、この機会に「どうして表記ゆれしてはいけないのか?」ということを抑えておきましょう。本記事では表記ゆれとSEO対策の関係性についてご紹介したうえで、そこから引き起こされるネガティブなSEO対策効果を未然に防ぐための対策方法をご紹介します。
目次
表記ゆれがネガティブなSEO効果を引き起こす3つの理由
WEBライティングにおいて稀に起こる表記ゆれは、記事の読み手へ不便を感じさせるだけではなく、SEO対策にネガティブな影響を与える原因にもなります。
まず最初に、表記ゆれによるネガティブなSEO対策効果がどのようにして引き起こされるのか確認していきましょう。
1. 記事内部のキーワード含有率と表記ゆれの関係
Googleはある特定の記事について、その内容を機械的に判断した上で、最も最適な検索キーワードを検索エンジンに登録します。
その際に参照されるものが「特定キーワードの記事内含有率」です。
現在はアルゴリズムの進化によって「キーワードを多く使えば使うほど高評価される」ものではなくなっていますが、それでもキーワードは最適な文脈で適切に利用すべきです。
もしも記事内に表記ゆれが発生していると、本来一つに絞り切ることが出来たはずのキーワードが複数に分散すると同時に、キーワードへの評価も分散してしまいます。これは狙っていたキーワードでのインデックスを阻害する原因となったり、逆に全く意図していなかったキーワードでのインデックス登録を引き起こす原因となります。
本来狙ってきたキーワードに対して適切なSEO対策を行うためにも、特にターゲットキーワードに対する表記ゆれについては注視しておきましょう。
2. 表記ゆれによって検索ボリュームやターゲットユーザーなど諸項目の数値が異なる
表記ゆれによってウェブサイト運用において重要視される以下の項目の数値が大きく異なる場合もあります。
- キーワードごとの検索結果
- 月間検索ボリューム
これがどういうことか、少し考えてみましょう。
本記事でターゲットとしているキーワードは「表記ゆれ SEO対策」というものですが、「SEO対策」は「検索エンジン最適化」とも呼ばれることがあるので、これら二つのキーワードについて諸項目の数値を比較してみます。
表記ゆれによって異なる検索結果画面
表記ゆれによって検索結果が大きく異なる場合があります。
上記画像は「SEO」と「検索エンジン最適化」それぞれを検索した際の検索結果ですが、1位から3位にランクインしている記事がそれぞれ異なることが確認できますでしょうか。
以上の例の場合、仮にどちらのキーワードも上位表示の難易度が変わらないのであれば、より月間検索数が多いキーワードをメインに置いて記事執筆するべきだと言えます。
表記ゆれ語によって異なる月間検索ボリューム
「seo」が月に50,000回検索されていることに対して、「検索エンジン最適化」は月に800回検索されていますね。
したがってこの場合は、「seo」により注力して記事執筆する方が効率的です。
3. ターゲットキーワードに表記揺れがあるとSEO的にはマイナスに
以上に説明したことが些細なキーワードの表記ゆれであれば微々たる影響で済みますが、表記ゆれがターゲットキーワードで発生している場合においては、とても看過できない問題まで発展します。
人の目から見ればさほど気にならない/気付かないような表記揺れであっても、Googleクローラーはかなりシビアに別種判定しているのです。
「SEO」と「検索エンジン最適化」以外にも、以下のような表現方法には注意が必要です。
- 車 買取査定
- 車 売却
- 中古車 買取
- 車 一括査定
これら4つの検索キーワードはどれも「車を売却したい」という検索意図を持っているキーワードですが、それぞれの検索結果や月間検索数は大きく異なるため、新しい記事を執筆する際には綿密なキーワード選定が必要だと覚えておきましょう。
表記ゆれによるマイナスSEO評価を防止する3つのテクニック
次に、表記ゆれによってマイナスなSEO評価を受けないために行う3つのテクニックをご紹介します。
1. 検索キーワードをしっかり洗い出す
まずは先ほども言及した通り、記事の執筆前に検索キーワードを十分に選定しておきましょう。どのような表記ゆれ候補があり、その中でどのキーワードをメインに扱うのか事前に検討しておく必要があります。
2. 表記ゆれ語は月間検索数が高いもので統一するか、並列する
表記ゆれに該当するキーワードは月間検索数を調査しておき、もっともボリュームが高いものを優先的に使用するようにしましょう。
それぞれの表記ゆれ語が似たような数値を持っていた場合は、(1)検索結果の競合サイトや (2)Google Trendsを利用した検索ボリュームのトレンド分析など複数の要素から判断します。
また、「口コミ」と「評判」など、並列して表現上問題ないようなキーワードであれば、タイトルや見出し部分にて同時に使用することも手です。
<タイトル例>
記事作成代行屋の口コミ評判を調査した結果!
3. Googleが表記ゆれ判定しているキーワードについては問題なし
表記ゆれ語を検索したときに、検索結果が大きく変わらない語については特に考慮する必要がありません。
「もしかして:~~~~」 と単語の修正サジェストが提示されるキーワードや、「チャットボット」と「チャットポット」のような些細な言葉の誤用・表記ゆれは検索エンジン側が認知している場合もあるからです。
※補足
表記ゆれの検索結果が同一である場合、これは検索エンジン側が適宜調整しているというよりは、どちらも同じ検索意図を持っていて「結果的に」似た検索結果となったという意味合いの方が強いです。
表記ゆれ意外にも!ライティング時に気をつけるべき2つのSEO対策
最後に、表記ゆれに関連したライティング時に気をつけるべき事柄についてご紹介します。
表記ゆれはキーワード含有率の側面でSEO対策にネガティブな影響を及ぼすと説明しましたが、「代名詞」や「主語抜け」についても同様の理由でSEOに悪影響を及ぼす場合があります。
1. ターゲットキーワードが代名詞に置き換わっている文章
通常のライティングでは「固有名詞が複数回登場する場合、それは代名詞に置き換える」といった文章の読みやすさを考慮したレギュレーションが設定されていることもありますが、SEOライティングにおいてはその限りではありません。
<代名詞置き換わりの例>
・これは、WEB担当者なら必ず会得しておくべき技術です。
↓
・SEO対策は、WEB担当者なら必ず会得しておくべき技術です。
ターゲットキーワードが「これ」「それ」などの代名詞に置き換わってしまっている場合、そのことがSEOにネガティブな影響を与える場合があります。
特に、大見出しや小見出しに含めるべきターゲットキーワードを代名詞に置き換えてしまった場合の影響度合いは大きいです。
2. 文章中の「主語抜け」もSEO的にはマイナス
文章中にターゲットキーワードの主語抜けが起こる際もSEOにネガティブな影響を与えます。こちらも文章の読みやすさを考慮して起こることですが、通常のライティングにおいて良しとされるものが、SEOライティングにおいてはその限りではないという事は往々にして起こるのです。
<主語抜けの例>
・したがって、WEB担当者なら必ず会得しておくべき技術だと言えます。
↓
・したがってSEO対策は、WEB担当者なら必ず会得しておくべき技術です。
SEOライティングにばかり注力することも良くないですが、全体の文章に不自然な点が生まれない程度には意識するべきでしょう。
表記ゆれとSEOの関係まとめ
本記事では表記ゆれとSEOの関係についてご紹介しました。
表記ゆれが記事内で発生していると、SEO対策に以下のようなネガティブな影響が発生します。
- 複数のキーワードが混在することによる記事の評価分散
- より効果の高いキーワードでの執筆ができなくなる
そこで記事執筆の際は、次のような対策を取るべきです。
- 検索キーワードを洗い出す
- 表記ゆれがあれば、月間検索数の高いもので統一する
(場合によってはそれぞれを並列して利用することも) - 検索結果の大きく変わらない語については問題なし
表記ゆれに限らず記事中の表現方法には、記事の読み手となる人間だけではなく、Googleクローラーに対する配慮も必要になります。
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