文章内で使用する記号は「!」「?」などさまざまです。記号を適切に用いることで、読者を惹きつける魅力的な文章を作成できます。
よく使う記号でも、実は知らないルールもあるものです。
こちらの記事では、記号を効果的に使用する3つのポイントを、一覧と例文を挙げてご紹介します。
記号を効果的に使用して、読者を釘付けにしましょう!
目次
ポイント1. 【役割】記号の5つの役割を把握しよう
記号は大きく分けて5つの役割をもっています。読者にとって読みやすい文章を書くために、普段から使っている記号についても役割や用途を改めて確認しておきましょう。
記号の役割1. 文を区切る
記号の1つ目の役割は文章を区切ることです。
代表的な区切り記号として句点「。」と読点「、」があります。この区切り記号を適切に使用することで文章はグッと読みやすくなります。
【文章を区切る記号】
記号 | 記号の読み方 | 用途 |
---|---|---|
、 | 読点 | 文の切れ目・語句を並べる際の区切り |
。 | 句点 | 文の末尾につける終止符 |
, | コンマ | 欧文の切れ目 |
. | ピリオド | 欧文の末尾につける終止符 |
・ | 中黒 |
|
: | コロン | 文の切れ目、「すなわち」を表現 |
; | セミコロン | 文の区切りを表す(コンマより強く) |
? | 疑問符 | 疑問や質問のニュアンスの表現 |
! | 感嘆符 | 意思を強調したいときのニュアンスの表現 |
記号の役割2. セリフや重要な用語を強調する
記号がもつ2つ目の役割は、文章中のセリフや重要なワードを際立たせることです。用途に合わせて使い分けましょう。
【セリフや重要な用語を強調する記号】
記号 | 記号の読み方 | 用途 |
---|---|---|
「」 | かぎ括弧 | セリフ・重要なワード |
『』 | 二重かぎ括弧 | 作品タイトル・「」のなかのセリフ |
‘’ | コーテーション | 欧文におけるかぎ括弧 |
“” | ダブルコーテーション | 欧文における二重かぎ括弧・引用 |
() | 丸括弧 | 補足説明・見出しの番号 |
【】 | すみつき括弧 | 重要なワード |
〔〕 | 亀甲括弧 | 補足説明 |
[] | 角括弧 | 数式・化学式 |
記号の役割3. 文をつなぐ
3つ目の役割は文をつなぐことです。
【文をつなぐ記号】
記号 | 記号の読み方 | 用途 |
---|---|---|
– | ハイフン | 欧文における文節や単語の連結 |
〜 | 波型 | 区間や期間の表現 |
… | 3点リーダー | 沈黙の表現・余韻の表現 |
記号の役割4. 単位や数式を表す
4つ目の役割は単位や数式を表現することです。
【単位や数式を表す記号】
記号 | 記号の読み方 | 用途 |
---|---|---|
+ | 正符号 | 数値の加算 |
= | 等号 | 数値の相等関係 |
≠ | 等号否定 | 数値の相等関係 |
< | 不等号(小なり) | 数値の大小関係 |
> | 不等号(大なり) | 数値の大小関係 |
※ | 米印 | 補足の表記 |
¥ | 円 | 金額の表記 |
$ | ドル | 金額の表記 |
℃ | 度(温度) | 温度の表記 |
% | パーセント | 割合の表記 |
♪ | 音符 | 楽しさ・明るさのニュアンスの表現 |
→ | やじるし | 方向・順路・順序の表記 |
記号の役割5. 目印として文章を目立たせる
5つ目は、文章の目印としての役割です。
箇条書きや小見出しの先頭など、特定の部分を目立たせるために使用します。
とくに、情報量の多い長い文章は、記号を用いて箇条書きにすることでスッキリと理解しやすくなります。
【目印となる記号】
記号 | 記号の読み方 | 用途 |
* | アスタリスク | 注釈に使用 |
※ | 米印 | 注釈に使用 |
# | ナンバー | 番号の前などに使用 |
¶ | パラグラフ | 段落を表す |
§ | セクション、節 | 文章の節を表す |
→ | やじるし | 方向・順路・順序を表す |
♪ | 音符 | 楽しさのニュアンスを表す |
☆ | 星 | 小見出しの先頭など |
◯ △ ☓ | まる さんかく ばつ | 比較などを表現 |
文章内で使う強調記号について私がわかりやすくご説明した記事があります。強調記号を使って文章にメリハリをつけると、見違えるほど読みやすくなります!ぜひ、こちらもご覧ください↓
ポイント2. 【4つのタイミング】記号はタイミングよく使う
多くの役割をもつ記号ですが、タイミングよく用いることで大きな効果を発揮します。
記号を使うべき4つのタイミングをご紹介します。
タイミング1. 情報をスッキリさせる:箇条書き
ダラダラと長い文章は読みにくく、意味を理解するために頭を使わなければなりません。
それでは読み手の心が離れてしまいます。
パッと見てわかる文章のため、「記号を使って箇条書きにする」というテクニックを使ってみましょう。
【例文:ダラダラした文章】
皆さんは普段何時に起きていますか。
早起きを続けることで、便秘などが改善されお通じが良くなり、朝日を浴びることで自律神経が安定し睡眠の質が向上し、肌のトラブルが改善されるなど、様々なメリットがあります。
…早起きを続けるメリットについて書かれていますが、情報がただ羅列されているため、長く読みにくい印象を受けます。
意味がわからないわけではありませんが、なんだか伝えたいことが読み手の頭に残りません。
記号を用いて箇条書きに整理してみましょう。
【例文:記号を使用した文章】
皆さんは普段何時に起きていますか?
早起きを続けることで次のメリットがあります。
- 便秘が改善されお通じがよくなる
- 朝日を浴びることで自律神経が安定し睡眠の質が向上する
- 肌のトラブルが改善される
これなら文章内でメリット3つが整理されているため、パっと見ただけで理解できます。
伝えたいことをスラスラと理解してもらうためには、このように記号を用いた箇条書きを使用してみましょう。
タイミング2. 感情を伝える:感嘆符「!」や三点リーダー「…」
感嘆符「!」や三点リーダー「…」も、感情を表現するために便利な記号です。
【例文:めりはりのない文章】
私は今朝も母が作ってくれた弁当を忘れてきてしまった。
「せっかく作ったのに、次忘れたらもう作らない」と帰宅してから母に言われてしまった。
文章内にセリフが書かれていますが、感情がわからず、平坦な印象を受けます。
感嘆符「!」や3点リーダー「…」をつけることで、感情やニュアンスをリアルに伝えることができます。
【例文:感嘆符を使用した文章】
私は今朝も母が作ってくれた弁当を忘れてきてしまった。
「せっかく作ったのに…、次忘れたらもう作らない!」と帰宅してから母に言われてしまった。
感嘆符「!」や三点リーダー「…」を使用することで、感情やそのシーンの空気感が伝わる文章になったのがわかりますね。
適度に感情が伝わる文章にすることには、読み手の共感を得る効果があります。
読み手を退屈させないためにも、こうした感嘆符「!」などを使いこなしましょう。
タイミング3. 流れを明確にする:矢印「→」や数学記号「123」
矢印「→」や数字記号「123」も読みすい文章作成のためにとても役立ちます。
たとえば、料理の作り方を説明する際、矢印「→」や数字記号「123」を使うと、流れが明確になってわかりやすいです。
例文で見ていきましょう。
【例文:記号なしで料理の作り方を説明】
残り汁に生卵を加えることで簡単に茶碗蒸しを作る。
麺を食べきってカップ麺の残り汁を用意します。続いて残り汁を耐熱カップに移し、生卵と混ぜ合わせます。これを電子レンジで2分程度加熱して完成です。好みに合わせて長めに加熱してみてください。
カップ麺の残り汁と卵を使った茶碗蒸しの作り方について書かれています。文字だけで記載されていますが、これでは読みにくく、「読んで作ってみよう」という気にはなりません。
矢印や数字記号を使用して改善してみましょう。
【例文:記号を用いて修正した例】
【簡単レシピ】カップ麺の残り汁+生卵 →茶碗蒸し!
1. カップ麺を食べきり、カップ麺の残り汁を用意する
↓
2. 残り汁を耐熱カップに移して生卵と混ぜ合わせる
↓
3. 電子レンジで2分程度加熱(好みに合わせて長めに加熱してください)
↓
4. 完成!
何について書かれているのかがパッと見てわかる文章になりましたね。
読み手の興味をひくためには、これはすごく大切です。
修正前の例文3では、「文章を読んで頭の中で整理する」という作業をしなければ理解できません。
スラスラと読んでいただくためにも、矢印や数字を適切に使用して、整理された文章を作成しましょう。
タイミング4. 文章の意味を正しく伝える:句読点など
句読点などの区切り記号は、正確な位置に使用しましょう。
とくに、読点「、」は、位置によって文章の意味を変えてしまうため、打つべき位置に注意が必要です。
読点の打つ方1つで文章の意味は何通りにも変化します。
正しく伝えるためには、読点の位置に誤りがない文章を作成しましょう。
例文で見てみましょう。
【例文:読点のない文章】
先生は泣きながら逃げ出した生徒をつかまえました。
これでは、「先生が泣きながら生徒をつかまえた」のか、「生徒が泣きながら逃げ出した」のか、いったいどちらの意味なのかわかりません。
こんなときには、区切り記号である読点「、」の出番です。
【例文:読点「、」のある文章】
先生は泣きながら、逃げ出した生徒をつかまえました。
これなら、泣いているのは先生だとわかります。
別の位置に読点を打ってみましょう。
【例文:読点「、」のある文章】
先生は、泣きながら逃げ出した生徒をつかまえました。
これなら泣いているのは生徒だとわかりますね。
このように、読点「、」の位置は、文章の意味を正しく伝えるための重要なポイントです。
しっかり意識して適切な位置に読点「、」を打つようにしましょう。
句読点については、記事ブロブ内に句読点の打ち方5つのルールをご説明した記事があります。「」内の文末では句点を打たないこと、など、大切なルールをまとめてあります。こちらもぜひ参考になさってください↓
ポイント3. 【適量】記号を使い過ぎない
文章をスッキリとわかりやすくしてくれる記号ですが、使い過ぎると逆に読みにくい文章になるため注意が必要です。
例文で見てみましょう。
【例文:記号を使い過ぎている文章】
今日の昼食は『カレーライス』にしました。(本当は『ラーメン』が食べたかったのですが近くにお店がありませんでした…)
駅前の「ショッピングモール」は、お昼時ということもあり、とても混んでいました。※平日は14時頃だと比較的スムーズです。
例文では記号が多用されており、ごちゃごちゃとした印象を受けます。
補足文として括弧と米印が混用されていたり、強調する必要のないワードにかぎ括弧が使用されています。これでは何が言いたいのかわからないと思われてしまいます。
不要な記号は削除し、統一感をもたせましょう。
【例文:記号の使用が適切な文章】
今日の昼食はカレーライスにしました。(本当はラーメンを食べたかったのですが近くにお店がありませんでした…)
駅前のショッピングモールは、お昼時ということもあり、とても混んでいました。(平日は14時頃だと比較的スムーズです)
記号を補足の括弧()だけに絞ると、ずいぶんスッキリします。
機種依存文字も使用しないほうがよい
パソコンの種類やOSの違いによって、文字化けしたり、表記されなかったりする文字(機種依存文字)もあります。
意図したように表記されず、混乱を招く場合もあるため、使用は控えましょう。
Macでの機種依存文字の一部です。Windowsでは正しく表示されない場合があるので注意しましょう。
㍻ ㍼ ㍾ … 年号
㈹ ㈱ ㈲ … 省略文字
㎝ ㎞ ㎏ … 単位記号
☏ 〄 ➔ ⇐ ♤ … Mac固有文字
記号を適切に用いて魅力的な文章を作ろう
記号の役割、効果的な使い方のポイント、注意点をご紹介しました。
記号には、文章を読みやすくしたり、感情を伝えたりしてくれる効果があります。しかし、使い方を謝ると、意図が伝わらないこともあります。ご紹介した記号の使い方や注意点を参考に、読みやすい文章を作成してみてください。