「ご教示ください」と「ご教授ください」は同じ意味ですか?
違います!
教えてもらう内容や期間が違うため、使い分けが必要です。
「ご教示ください」も「ご教授ください」も、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。
「ご教示」と「ご教授」で使い分けに迷うことがないよう、意味をしっかり確認しておきましょう。
「ご教示」と「ご教授」の違い・意味・使い方・類語・言い換表現などを解説いたします。
目次
【違い】「ご教示ください」と「ご教授ください」の違い
「ご教示ください」と「ご教授ください」の違いをご説明します。
どちらも、「教えてください」とお願いするときの言葉です。
ビジネスシーンでよく使われます。
「ご教示ください」と「ご教授ください」では、教える内容と期間が違います。
ご教示ください | ご教授ください | |
教える
内容 |
知識や方法 | 学問や技芸 |
教える
期間 |
その場で教えてもらう場合 | 継続的に教えてもらう場合 |
「ご教示ください」は、「知識や方法」をその場かぎりで教えてもらうときに使います。
「ご教授ください」は、「学問や技芸」を継続的に教えてもらうときに使います。
「ご教示ください」はその場で教えてもらって問題解決する場合に使い、
「ご教授ください」は一定期間しっかり教えてもらう場合に使う、という理解でよろしいでしょうか。
はい。
「ご教示ください」と「ご教授ください」の違いを例文で確認してみましょう。
【例文:ご教示ください】
この件に関するメールの書き方をご教示いただけますでしょうか。
↑例文は、「この件に関するメールの書き方」というその場で教えてもらって解決できる内容のため、「ご教示」を使います。
【例文:ご教授ください】
ギターの弾き方をご教授いただけますと幸いです。
↑例文は、「ギターの弾き方」という技芸に関して一定期間教えてもらいたいという内容のため、「ご教授」を使います。
「ご教示」と「ご教授」の違いがわかりました。
【意味と使い方】「ご教示ください」と「ご教授ください」
「ご教示ください」と「ご教授ください」の意味と使い方を例文で詳しくご説明いたします。
ビジネスシーンなどで、とっさのときに間違えてしまうことのないよう、しっかり確認しましょう。
「ご教示」の意味と使い方
「教示」には次の意味があります。
きょうじ【教示】
知識や方法などを教え示すこと。示教。
「御教示賜りたい」
[引用:小学館「デジタル大辞泉」]
「ご教示ください」は、知識や方法などを「教えてください」とお願いする言葉です。
その場で教えてもらって解決できるような場合に使います。
「ご教示」には次の使い方があります。
- ご教示ください
- ご教示いただけますでしょうか
- ご教示いただけますと幸いです
- ご教示いただきありがとうございます
- ご教示賜りますよう…
「ご教示ください」の使い方を例文で確認しましょう。
【例文:「ご教示」の使い方】
表の作成方法をご教示ください。
改善点をご教示いただけますでしょうか。
来週のご予定をご教示いただけますと幸いです。
入力方法についてご教示いただきありがとうございます。
スカウトメールのポイントをご教示賜りますようお願い申し上げます。
「ご教示」は、その場で教えてもらいたい場合、メールなら1回程度のやり取りで済む場合に使います。
「ご教授」の意味と使い方
「教授」には次の意味があります。
きょうじゅ【教授】
学問や技芸を教え授けること。
「書道を教授する」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
「ご教授ください」とは、「学問や技芸」について「教えてください」とお願いする言葉です。
ある期間、継続的に教えてもらいたい場合に使います。
「ご教授」には、次の使い方があります。
「ご教示」と語末はほぼ変わらずに使えます。
- ご教授ください
- ご教授いただけますでしょうか
- ご教授いただけますと幸いです
- ご教授いただきありがとうございます
- ご教授賜りますよう…
【例文:ご教授の使い方】
記事の書き方をご教授ください。
先生のピアノ奏法をご教授いただけますでしょうか。
貴校の指導方法をご教授いただけますと幸いです。
数学をご教授いただきありがとうございます。
英語のエッセイの書き方をご教授賜りますようお願い申し上げます。
【類語】「ご教示ください」と「ご教授ください」を言い換える
それでは「ご教示ください」と「ご教授ください」を他の言葉で言い換えてみましょう。
どちらも「教えてください」とお願いするときの言葉です。
- お教えいただく
- 教えていただく
- ご指南ください :武芸や芸能を教えてほしいとき
- ご提示ください :差し出して見せてほしいとき
- ご指導ください :教え導いてほしいとき
「お教えいただく」「教えていただく」
ニュアンスの間違いをしないよう伝えたいときには、「お教えいただけますか」「教えていただけますか」がわかりやすいです。
例文で確認しましょう。
【例文:お教えいただく】
オフィスまでの道のりをお教えいただけますか。
【例文:教えていただく】
キーボードの使い方を教えていただけますでしょうか。
「ご指南ください」
「ご指南ください」は、武芸・芸能などを教えてくださいとお願いするときの言葉です。
【例文:ご指南ください】
先生、私に剣道をご指南ください。
「ご提示ください」
「ご提示ください」は差し出して見せてほしいことをお願いするときに使います。
「教えてほしい」というよりは「示してほしい」とお願いするときの言葉です。
【例文:ご提示ください】
身分証明書をご提示ください。
「ご指導ください」
「ご指導ください」は、目的に向かって教え導くことををお願いするときに使います。
【例文:ご指導ください】
この商品の作成方法についてご指導ください。
「ご教示いただけますと幸いです」とは
「ご教示いただけますと幸いです」は、ビジネスシーンでよく聞かれる言葉です。
「教えてもらえるとうれしいです」というニュアンスで使われます。
「ご教示ください」よりも、さらにかしこまった印象になります。
「幸いです」をつけることによって、柔らかくお願いするニュアンスにもなります。
「ご教示ください」をさらに柔らかく伝えたいときに役立つフレーズです。
例文で確認しましょう。
【例文:ご教示いただけますと幸いです】
こちらの表の作成方法をご教示いただけますと幸いです。
請求書を作成しました。不備がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
新しく担当するクライアント様へのご対応を、ご教示いただけますと幸いです。
【まとめ】「ご教示」と「ご教授」を使い分けよう
「ご教示ください」と「ご教授ください」は似ていますが、違いがあるため、注意しましょう。
「ご教示ください」は、知識などをその場で教えてもらって解決できるときに使います。
「ご教授ください」は、技芸などを継続的に教わる必要があるときに使います。
意味を理解して、上手に使い分けましょう。