「ず」と「づ」違いは?誤用が多い言葉をすっきりご紹介【一覧つき】

「ず」と「づ」違い一覧

大人になると感覚的にわかる「ず」と「づ」の違い。

思い込みで違う使い方をしていることもあります。

「少しずつ」「少しづつ」はどちらでしょう?

「少しずつ」が正解です

また、「稲妻」は、元の漢字である「妻」は「つま」ですが、「いなま」と表記します。

これは、分解できない言葉の場合には「ず」を用いるという内閣府の指針によります。

ややこしいですね。

なかなか奥が深いのです。

特殊な例は多くないため、こちらで覚えてしまえば大丈夫です。

 

今回は、間違いやすい「ず」と「づ」の違いと使い分けをすっきりとまとめました。

「なんだか、使い分け指針なども、読むのは面倒だな」

そんな方は、下記の項目だけご覧になってお役立てください!

「ず」と「づ」で迷う言葉【一覧】

 

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これだけは知っておこう!:「少しずつ」「いなずま」

「ず」と「づ」の使い分けは、意外にも奥が深く、ややこしいため、まず、「これだけは知っておきたい知識」を2つご紹介します。

これだけは、理屈抜きに覚えてしまいましょう。

詳細は後述いたします。

 

「ずつ」と「づつ」は「ずつ」が正解

少しずつと1人ずつ

 

  • 「少しずつ」と「少しづつ」
  • 「1人ずつ」と「1人づつ」

 

正解は下記です。

【正解】

少しずつ

1人ずつ

 

なぜ「1人ずつ」なのかといえば、2語に分解しにくいものは「ず」を用いて書くという原則によります。[注1]

これについては後述いたします。

 

「稲妻」は「つま」だけど「いなずま」

稲妻はいなずまと書く

 

  • 「いなずま」と「いなづま」

 

正解は、下記です。

 

【正解】

  • いなずま

 

「稲妻」を分解した場合、元の漢字である「妻」は「つま」と読みます。

そのため、「いなづま」であると考えがちですが、実は、「いなずま」が正解です。

これは、2語に分解しにくい言葉は「ず」を用いると、内閣府が指針を発表しているためです。「稲妻」は、2語に分解しにくい言葉に当てはまるため、「いなずま」と表記します。

ちなみに、「新妻」は分解しにくい言葉とは認識されないため、「にいづま」と表記します。[注1]

 

[注1]文化庁/内閣告示・内閣訓令/現代仮名遣い/本文2(表記の慣習による特例)

 

「ず」と「づ」の使い分け:5つの基準

「ず」と「づ」の使い分け5つの基準

 

記事を書く場合、仮名遣いは、1986年7月の内閣告示による「現代仮名遣い」を指針とします。[注2]

(ちなみに「仮名遣い」「言葉遣い」は「かなづかい」「ことばづかい」です)

それによると、「zu」と発音する言葉について次の基準が見当たります。

わかりやすくまとめ直してご紹介いたします。

 

「ず」と「づ」の使い分け5つの基準
基準1 「づ」は特例に示す場合だけに使う
基準2

(特例)

 

同音の連呼で生じた「zu」「づ」を使う

*例:つづみ(鼓)つづく(続く)

基準3

(特例)

2語がつながって濁った「zu」(分解できるもの)「づ」を使う

*例:新妻(にいづま) みかづき(三日月)

基準4

(特例)

2語に分解しにくい言葉の「zu」「ず」を使う

*例:いなずま(稲妻) さかずき(杯)

基準5

(特例)

漢字の音読みでもともと濁っている「zu」「ず」を使う

*例:図画 略図

 

「づ」を用いる特例に当てはまらないようであれば、「ず」を用いて書くと解釈して良いでしょう。

 

例えば、基準3の「新妻」は「新しい妻」に分解できるため、「にいづま」と「づ」を用いて書きます。

しかし、基準4の「稲妻」は分解できない言葉であるため、「いなずま」「ず」を用いて書きます。

ここまで、特殊な例は少ないため、「稲妻」は「いなずま」ということだけ、ここでは覚えましょう!

 

基準1. 「づ」は特例に示す場合だけに使う

この基準に当てはめると、「zu」は基本的には「ず」を使います。

文頭に「zu」がくる場合には、特例に当てはまることはないため、「ず」と考えて良いでしょう。

 

  • つう(頭痛)
  • るい
  • つま

 

上記はどれも「ず」と表記します。

文頭の「zu」は、やはり「ず」です。

 

ただし、特例に当てはまる言葉はとても多いため、文頭でなければ、「zu」を「づ」と表記する言葉はたくさんあります。

基準2と基準3で詳しくご説明します。

 

基準2.  同音の連呼で生じた「zu」「づ」を使う

同じ音が続くことで生じた「zu」は、「づ」を使います。

つまり、「つ」が続いた場合、「つづく」など、2番目の「つ」は濁って「づ」になります。

例文で確認してみましょう。

 

【例文:同音の連呼で生じた「zu」は「づ」と書く】

み(鼓)

く(続く)

こつみ(小鼓)

したつみ(舌鼓)

れおり(つづれ織り)

つねね(常々)

つれ

はらつみ(腹鼓)

ひきつき(引き続き)

 

基準3. 2語がつながって濁った「zu」「づ」を使う

2語がつながることによって音が濁った「zu 」は、「づ」を使います。

例文で確認してみましょう。

 

【例文:2語がつながって濁った「zu」は「づ」を用いる】

あいそかし(愛想尽かし)

あいち(相づち)

ま(吾妻)

いきかい(息遣い)

いきく(息づく)

いもる(いもづる)

いろく(色づく)

えんく(縁づく)

おおめ(大詰め)

おりめ(折り詰め)

かいか(貝塚)

く(気付く)

こころけ(心付け)

にいま(新妻)

ひとて(人づて)

もとく(基づく)

 

基準4. 2語に分解しにくい言葉の「zu」「ず」を使う

2語に分解しにくい言葉の「zu」は「ず」を使います。

例えば、「稲妻」は2語に分解しにくいため「いなま」と表記します。

それでは例文で確認してみましょう。

 

【例文:2語に分解しにくい言葉の「zu」は「ず」を使う】

いなま(稲妻)

さかき(杯)

うな

おとれる(訪れる)

ひざま

っぱり

ひとり

ゆうう(融通)

き(小豆)

いた

かた(固唾)

く(築く)

つま

ぬか

らわしい(煩わしい)

 

基準5. 漢字の音読みで元々濁っている「zu」「ず」を使う

漢字の音読みで元々濁っている「zu」は「ず」を使います。

「図」は元々の読みが「zu 」と濁っているため、「ず」と表記します。「ずが(図画)」などがこれに当てはまります。

例文で確認してみましょう。

 

【例文:漢字の音読みで元々濁っている「zu」は「ず」を使う】

が(図画)

りゃく(略図)

がいこつ(頭蓋骨)

きん(頭巾)

だい大豆)

 

[注1]文化庁/内閣告示・内閣訓令/現代仮名遣い/本文2(表記の慣習による特例)

[注2]文化庁/国語施策・日本語教育/国語施策情報/内閣告示・内閣訓令/現代仮名遣い

 

「ず」と「づ」で迷う言葉【一覧】

「ず」と「づ」誤用が多い言葉

 

「ず」「づ」で使い分けを迷う言葉や、間違えてしまいがちな言葉を一覧でご紹介します。

 

「づ」を使う言葉
ひらがな 漢字
あい 相づち
かね 金づる
ことばかい 言葉遣い
こと 言づて
手綱
にい 新妻
みか 三日月

 

「ず」を使う言葉
ひらがな 漢字
いた
いな 稲妻
うな
築く
腕ずく、納得ずくなど
くめ 面白ずくめ、結構ずくめなど
少しずつ、1人ずつなど
つま
てなける 手なずける
ゆう 融通
かに
らわしい 煩わしい

 

「融通」の「通」は音読みが「つう」ですが、「融通」の仮名遣いは「ゆうう」 です。

「稲妻」の「妻」も音読みが「つま」ですが、「稲妻」の仮名遣いは「いなま」です。(「新妻・人妻」は「にいづま」「ひとづま」)

注意しましょう。

 

「ず」と「づ」の発音は同じ:「zu」

そもそも、「ず」と「づ」の発音に違いはあるでしょうか。

現在、これらの発音に違いはありません。

どちらも、ローマ字で表記するなら「zu」と発音します。

鎌倉時代までは、次のように違う発音だったとする説もあるようです。

 

  • ず=zu
  • づ=du

 

しかし、当時にタイムスリップして実際の発音を聞いてみることはできないため、真偽の確認はできません。

そのような説もある、とご参考までに。

 

ともかく、現在は、「ず」も「づ」も同じく「zu」と発音します。

 

参考:1695年「蜆縮凉鼓集けんしゅくりょうこしゅう」

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「ず」と「づ」を上手に使い分けよう

「ず」と「づ」の違いと使い分けをできるだけシンプルにご説明しました。

気になる言葉があれば、記事内の一覧表を、ぜひ、参考になさってください。

 

参考文献:共同通信社「記者ハンドブック第13版」

 

 

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