わかりやすい文章のためには、括弧の使い方をぜひ知っておきましょう。
括弧の種類を知って適切に使えるようになると、伝えたい事柄が浮かび上がり、一目でわかる文章を作成できます。
「もっとわかりやすい文章にしたい」
「もっと多くの方に読んでもらいたい」
そんな方は、こちらで括弧の種類・使用方法を確認してみてください。
目次
括弧とは区別する部分に使用する記述記号
括弧とは、文章作成の際に使用する記述記号のことです。
文章の一部分を一対の括弧で囲むことにより、その部分を区別する役割や目立たせる効果があります。
例文を見ていきましょう。
【例文:括弧を使わない場合】
ドリュー・ヒューストンは、あなたの価値は、自分と一緒に過ごす人の5人の平均値で決まると語りました。
このままでは何だかわかりにくいですね。
そこで会話の部分を「」で区切ってみましょう。
【例文:括弧を使った場合】
ドリュー・ヒューストンは、「あなたの価値は、自分と一緒に過ごす人の5人の平均値で決まる」と語りました。
セリフの部分が区切られて、わかりやすい文章になります。
括弧は必ず対(つい)で使用されます。始めに記述される括弧記号と終わりに記述される括弧記号は呼称が異なります。
- 始めに記述される括弧 :括弧開き・始め括弧・左括弧
- 終わりに記述される括弧 :括弧閉じ・終わり括弧・右括弧
慌てて文章作成をしていると、ついつい括弧閉じを忘れてしまうこともあります。仕上がった文章を見直す際には、括弧が対になっているかも確認しましょう。
一般的なWeb記事を書く際に使用する括弧は、7種類あります。
それぞれ使用用途が決まっています。記事を参考に正しい使い方をマスターしてくださいね。
括弧の種類一覧
まずはどのような「括弧」があるのか確認しましょう。
種類 | 名称 |
---|---|
「」 | 鉤括弧(かぎかっこ) |
『』 | 二重鉤括弧(にじゅうかぎかっこ) |
【】 | 隅付き括弧(すみつきかっこ) |
() | 丸括弧(まるかっこ) |
〔〕 | 亀甲括弧(きっこうかっこ) |
{} | 中括弧(ちゅうかっこ) |
〈〉 | 山括弧(やまかっこ) |
普段よく使用する鉤括弧(かぎかっこ)や丸括弧(まるかっこ)から、普段見かけない中括弧(ちゅうかっこ)まで様々な種類の括弧がありますね。
括弧については、記事ブログ内にもっと簡単に解説した記事もあります。文章を読みやすくする括弧の使い方がすぐにわかるようにお伝えしています。こちらの記事も、ぜひ、ご参照ください↓
それでは、それぞれの括弧には使い方があるため、詳しく見ていきましょう。
括弧の使い方7つのテクニック
それぞれの括弧の用途をみていきましょう。
とくに、かぎ括弧・二重かぎ括弧・丸括弧など、使用する機会の多い括弧は、ぜひ正しい使い方を覚えておきましょう。
「」かぎ括弧
かぎ括弧は、ひんぱんに使用する括弧です。
会話表現・作品名を示したり、強調したりする際に使います。また、短い文章を強調する際にも使用できます。
例文 | 意味 |
---|---|
「明日、遊ぼうよ」 「いいよ」 |
会話表現 |
「括弧の使い分けで読みやすさを格段にUPさせる9つのテクニック」 | 作品名・タイトル名 |
“「括弧(かっこ)は、約物のひとつ」” 引用:wikipedia 括弧 |
引用 |
「かっこを使うとき」は気をつけなければなりません | 短い文の強調 |
「総務部」と「財務部」の両方に報告が必要です | 複数の対象物を区別してわかりやすくする |
『』二重かぎ括弧
二重かぎ括弧は、かぎ括弧のなかで、さらに括弧をつける場合に使用します。
例文 | 意味 |
---|---|
『山月記』 | 作品のタイトルや本 |
「お兄ちゃんがいってた『早く帰れって』っね」 | 「」の中で『』を使用 |
【】すみつき括弧
すみつき括弧は、目立たせたい部分に使用する括弧です。タイトルの最初にキャッチコピーを入れるときなどに使用します。
例文 | 意味 |
---|---|
【注意】今月の収支報告について | 強調 |
【初心者必見!】WebライティングにおけるSEO対策 | ブログのキャッチコピー |
すみつき括弧は、メールの件名、記事タイトル、見出しでよく目にします。
強調したい言葉を目立たせることができます。
()丸括弧
丸括弧は、かぎ括弧と同じく使用頻度の高い括弧です。
丸括弧は、おもに補足に使用します。
例文 | 意味 |
---|---|
meta description(メタディスクリプション) | 読み方の補足 |
私の文章はSEO対策を施しています(2019年最新版のSEO対策です) | 文章の補足 |
〔〕亀甲括弧
亀甲括弧(きっこうかっこ)は、補足説明や注記などを表します。
おもに縦書きの文章で使用されます。
例文 | 意味 |
---|---|
必要な〔SEO対策〕を行いましょう | 強調 |
朝の2時間〔6時〜8時〕を使う | 文章の補足 |
{}中括弧
中括弧は、見出しの強調や文章の強調に使用されます。(波括弧ともよばれます)
例文 | 意味 |
---|---|
{注意}この先崖あり | 強調 |
中括弧はプログラミングや数式で使用されることも多いです。
〈〉山括弧
山括弧(やまかっこ)は、タイトルや強調したい文章で使用されます。
例文 | 意味 |
---|---|
〈完全攻略〉資産運用の仕方 | タイトルを部分的に強調 |
同じ使用用途であれば、山括弧よりすみつき括弧のほうが一般的です。
括弧の使い方で大切な3つのルール
一般的な7種類の括弧の使い方をご説明しました。そのほか、とくに注意が必要なルールが3つあります。
迷うことなく書き進めるためにも、把握しておきましょう。
ルール1. かぎ括弧「」内の文末には句点を打たない
ライティング初心者の方が迷うのが、「」内の文章の文末に句点(。)を打つかどうかです。
例文で見てみましょう。
【例文:「」内の文末に句点を打つ・打たない】
☓ 1. 「プロに相談しましょう。」と言われた。
◯ 2. 「プロに相談しましょう」と言われた。
2のように「」内の文章の文末には句点を打たないスタイルが正解です。
出版業界では、「」内の文末は、句点を打たないスタイルで統一されています。
では、「」内に複数の文章が入る場合の句点はどうしたらいいでしょうか。例文で見てみましょう。
【例文:「」内に複数の文章があるときに句点】
「これは難しいですね。プロに相談しましょう」と言われた。
上記の例文のように、途中では句点を打ち、文末では句点を打たないスタイルが正解です。
社内表記ルールで統一しておくとわかりやすいでしょう。
ただし、国語としては、文化庁ホームページの国語施策情報に、下記の記載があります。
「」(カギ)の中でも文の終止にはうつ。
さらに例として「どちらへ。」と記されています。
国語の見地では、「」内の文末に句点を打つこともあると知っておくとよいでしょう。
ライターの方は、出版業界の常識にならい、「」内の文末には句点を打たないスタイルで統一しましょう。
引用元:文化庁/国語施策情報/参考資料/くぎり符号の使ひ方[pdf]
ルール2. ()丸括弧内の文末には句点を打たない
「」かぎ括弧の場合と同様に、()丸括弧(かっこ)内の文末にも句点は打たないようにしましょう。
例文でご説明します。
【例文:()内の文末には句点を打たない】
☓ 1. スマホの使用(無料通信アプリを含む。)が子供の学力を低下させる。
◯ 2. スマホの使用(無料通信アプリを含む)が子供の学力を低下させる。
出版業界では、丸括弧内の文末では句点を打たないのが通例です。こちらも覚えておきましょう。
ルール3. 文末の()丸括弧は句点のに前に置く場合と句点の後ろに置く場合がある
()が文末にくる場合には、()を句点の前に置く場合と句点の後ろに置く場合があります。
早速、例文で見てみましょう。
【例文:文末の()を句点の前に置く場合】
テスト範囲はP15~P30です(P20は含まない)。←補足説明
上記のように、文末で補足説明をする場合には、()は句点の前に置きます。これは、()内の補足説明も句点の前の文章に含まれるという考えによります。
一方で、文章の引用元を補足する場合には()を句点の後ろに置きます。
【例文:文末の()を句点の後ろに置く場合】
テストとは、学力・能力などの状態や度合いを試すことです。(goo辞書)←引用元
上記のように文章の引用元や出典を記載する場合には()を句点の後ろに置きましょう。
括弧内の句点の使い方について、記事ブログ内のほかの記事でもご説明しています。句読点のルールについて、意外と知らなかった!と思われる情報もあるかもしれません。ぜひ、チェックしてみてください↓
括弧を使って読みやすい文章を書こう
括弧は、一般的に正しいとされる使い方やルールがあるため、社内表記ルールで統一し、共有しておきましょう。
括弧を上手に使いこなせると、強調したい部分を浮かび上がらせることができて、とてもわかりやすい文章を作成できます。
記事でご紹介した括弧の使い方を覚えて、文章作成にぜひお役立てください。