インターネット上に多くあるSNSの中でも異彩を放つ存在であるFacebookは、実名登録が前提で運営されるSNSです。多くのユーザーが実名・顔出しでFacebookを利用することから主に30代から40代のコミュニティ形成やインターネット広告の出稿先として役立っています。
さて、本記事ではそんなFacebookにSEO効果があるのかどうかを考察します。企業のサービスや商品のブランディングに有効だとされているFacebookですが、オウンドメディアのSEOに何かしらの影響を与えるのでしょうか?
目次
Facebook運用がSEO効果を生み出さない理由
結論から言えば、Facebook上の活動がオウンドメディアのSEO対策に何かしらの影響を与えることはありません。その理由は、Facebookに掲載されるすべてのリンクにHTMLメタタグの「nofollowタグ」が付与されているからです。
まずは nofollowタグがどのような特徴を持つメタタグなのか、解説します。
Facebookからのリンクには rel=”nofollow” 属性が付与されている
外部サイトからのリンク(被リンク)には大きく分けて2種類のものがあります。
- dofollowリンク
- nofollowリンク
dofollowリンクはウェブサイト運営者が特別な設定を行わない限り、デフォルトで全てのリンクに付与されるメタタグです。dofollowタグが設定された被リンクからは、大きなSEO効果を見込むことができます。
dofollowリンクとは対照的な存在となるものが、nofollowリンクです。
nofollowタグが付与されたリンクからはSEO効果を見込むことができず、仮に獲得したとしても業績改善にはつながりません。(ただし、最近はnofollowリンクにも多少のSEO効果があるとされています。)
被リンクを代表とする、SEO外部対策についてはこちらの記事をご覧ください。
nofollowリンクについては、Googleのサーチコンソールヘルプページにて以下のように定義されています。
リンクにその他の適切な値がなく、そのリンクとサイトを関連付けたくない場合、またはリンク先のページをサイトからクロールさせないようにする場合は、nofollow の値を使用します(自サイト内のリンクについては、下記のとおり robots.txt を使用します)。
nofollowタグを付与されたリンクをGoogleクローラーが見つけたとき、Googleクローラーはリンク先のページを参照せず、関連性のないリンクだとして扱います。
dofollowリンクの場合であれば、リンク先のサイトを閲覧し、リンク元のサイトコンテンツとの関連性を精査することによってSEO効果が生まれます。
Facebookのすべてのページには nofollowタグが設定されており、その結果、Facebookの運営に直接的なSEO効果はないと言えるのです。
Facebookのシェア数やいいね!数がSEO対策要因となるかは不明
SEOについてよく研究しているWEB担当者なら肌感で認識していることでしょうが、検索エンジンに上位表示されているウェブページはFacebookを始めとする多くのSNS上でシェアされています。そこで、「SNS上でのシェア数が多ければ多いほど上位表示されやすいのではないか?」という疑問があがるようになりました。
COGNITIVE SEOは、検索エンジンに上位表示されているウェブページのシェア数やいいね!数を計上し、その数値と検索順位に相関があるかどうかを調査しました。
その結果、やはり、検索順位が高ければ高いほどSNS上のスコア(シェア数やいいね!数の総スコア)も高いということがわかります。(上記画像)
しかしながら、これは「Facebookを始めとする全てのSNSにポジティブなSEO効果がある」ということを証明する根拠にはなり得ません。
COGNITIVE SEOも同様の結論に至っており、それはつまり、以上の調査結果が次のうちどちらの原因によって為されたものかを判断することができないからです。
- SNSからのシェア数が多いから、検索順位が高くなった
- 検索順位が高いから(多くの人の目に触れ)、SNSのシェア数が多くなった
もしも先に挙げた検証結果が、後者によるものであるなら、SNSのシェア数と検索順位には相関がないことになります。
Facebookからのリンクにはnofollow属性が付与されており、Facebook内のシェア数と検索順位との相関関係もはっきりしない結果となりました。そこで、次の章ではFacebookを通じて生じるオウンドメディアへの間接的なSEO効果についてご紹介します。
Facebookの運用によって生まれる間接的なSEO効果
Facebookを効果的に運用することで見込むことのできる間接的なSEO効果には、以下のものがあります。
- Facebook経由でアクセスしたユーザーによるUXデータの蓄積
- Facebookでメディア名を露出させることによる指名検索の獲得(メディア認知度の向上)
- Googleが重視するE-A-Tの向上
SNSを効率的に運用することで得ることができる間接的なSEO効果については以下の記事をご参照ください。
Facebookでオウンドメディア業績改善するためのヒント
Facebookはメールマガジンと非常に似通った特徴を持っています。一度でも自社ページにいいね!したユーザーのタイムラインには、今後Facebookに投稿する一部のコンテンツが表示されるようになるからです。
したがって、Facebook運用をオウンドメディアの業績改善に繋げるためには、リストマーケティングで実施される手法を試すことも効果的だと言えます。
Facebookでいいね!キャンペーンなどを実施し、一定数の潜在顧客からの閲覧確約を得たあとに、クロージングするようにオウンドメディアへのリンク付きポストや商品のPRを行うと良いでしょう。
また、Facebookからオウンドメディアへの導線を引いたあとは、メディアへアクセスした顧客が満足するようなコンテンツを用意しておきましょう。いくらSNS集客に成功したところで、母体となるオウンドメディアのコンテンツが貧弱なようでは本来の目的は達成できません。その点についても十分に考慮すべきだと言えます。
Facebook運用によるSEO効果まとめ
Facebook運用による直接的なSEO効果はないものの、間接的なSEO効果は十分あることがお分かりいただけたでしょうか。Facebookにはじまり様々なSNSへユーザーの検索行動が変容しつつある昨今では、Google検索エンジン1本頼みのWEB集客では十分でありません。
そこでオウンドメディアのターゲットに最適なSNSを運用し、間接的なSEO効果を期待することで今後の多彩なニーズにも対応できることでしょう。
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