独立語は、ほかの文節と関係がなく、独立している言葉です。
主語・述語・修飾語・被修飾語・独立語と、5つある文の成分の一つです。
- わあ、綺麗ですね。
「わあ」は、独立語です。
独立語は、文頭にあり、直後に読点「、」がつくという特徴があり、とても見つけやすいです。
独立語の意味・種類・感動詞との違い・接続詞との違いを、例文を挙げてご説明します。
簡単なので、ぜひ、こちらで覚えてしまいましょう。
目次
【意味】国語の独立語とは
独立語とは、ほかの文節と関係することなく、独立している文節です。
文の最初にあることが多いです。独立語の後には読点「、」がつきます。
【例文:独立語】
まあ、素敵。
はい、わかりました。
田中さん、お願いします。
例文の赤字が独立語です。
独立語は、文中で独立しているのがわかります。主語と述語、修飾語と被修飾語のように係り受けの関係がありません。
独立語は文中でも見つけやすいのがわかりました。
ほかと関係しないで独立しているから「独立語」と考えるとわかりやすいです。
デジタル大辞泉には次の記載があります。[注1]
【デジタル大辞泉】
どくりつご【独立語】
国文法で、文の成分の一。文の成分の他のものと直接関係することがなく、文中で比較的独立しているもの。文中に用いられた感動詞・接続詞など。
また、独立語には、「感動」「呼びかけ」「応答」「あいさつ」「提示」の5種類があります。
独立語の特徴をまとめてみます。
【独立語とは】
- 独立語は独立した文節(ほかの文節と関係ない)
- 独立語は文頭にあることが多い
- 独立語の後ろには読点「、」がつく
- 独立語は意味によって5種類に分けられる
[注1]小学館/デジタル大辞泉
【一覧】5種類の独立語
独立語にもいろいろありますが、分類できますか?
分類できます。
独立語は、意味によって次の5つの種類があります。
【独立語の5種類】
- 感動
- 呼びかけ
- 応答
- あいさつ
- 提示
5種類に分けるとなると、なんだかわからなくなってしまいそうです。
わかりました。
一覧表で確認してみましょう。
【独立語一覧】
独立語の種類 | 例 |
感動 | おお まあ あら おや あれ ええっ わあ |
呼びかけ | おい そら もしもし ねえ やあ こら |
応答 | はい いいえ うん いえ いや おう |
あいさつ | おはよう こんにちは こんばんは ありがとう さようなら |
提示 | なんらかの名詞など |
ずいぶん、多くの独立語があるのがわかります。
それぞれの種類を詳しく見ていきましょう。
感動
感動の独立語は、物事に対して強く心を動かされたさまなど、なんらかの心の動きを表します。
驚き、喜怒哀楽など、心が動いたときに思わず出る言葉です。
【例文:感動の独立語】
おお、仕事が速いですね。
まあ、なんて美しい花でしょう。
ええっ、本当ですか。
やれやれ、困りましたね。
ほう、それは驚きました。
呼びかけ
呼びかけの独立語は、呼びかける言葉です。相手を誘う気持ちを表すこともあります。
「ねえ」などは、普段の会話でも自然に使われます。
【例文:呼びかけの独立語】
おい、待てよ。
やあ、久しぶりだね。
こら、スマホを見るのはやめなさい。
さあ、一緒に食べよう。
もしもし、〇〇さんですか。
応答
応答の独立語は、呼びかけや質問に対する返事や答えの言葉です。
「はい」「いいえ」など、基本的な応答も含まれます。
【例文:応答】
はい、そうです。
いいえ、違います。
ああ、わかりました。
はあ、そうですか。
あいさつ
あいさつの独立語は、文字どおり、あいさつの言葉です。
出会いのあいさつをしたり感謝を述べたりするときに使います。
「ありがとう」という感謝の言葉も独立語です。
【例文:あいさつの独立語】
おはよう、朝は冷えますね。
こんにちは、お待たせしました。
こんばんは、お仕事おつかれさまです。
はじめまして、よろしくお願いします。
さようなら、お元気で。
ありがとう、お世話になりました。
提示
提示の独立語は、日付や名詞など、文頭で示される言葉です。
言葉を提示しているので提示に分類されます。
【提示の独立語】
努力、それが大切です。
12月、一年の締めくくりのときですね。
1月1日、それが元旦です。
ソクラテス、有名な哲学者です。
エベレスト、世界一高い山です。
【国語の観点】独立語と感動詞の違い
独立語と感動詞はとても似ていますが、何が違うのですか?
確かに、「はい」は、独立語でもあり感動詞でもあります。
独立語と感動詞では、カテゴライズの仕方に違いがあります。
独立語は文の成分の一つ、感動詞は品詞の一つです。
独立語のなかに感動詞も含まれているイメージです。
文の成分には、次の5つがあります。
ここに独立語は含まれます。
【文の成分】
独立語・主語・述語・修飾語・接続語
品詞には、次の11品詞があります。
感動詞はここに含まれます。
【品詞】
感動詞・名詞・代名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・接続詞・助動詞・助詞
つまり、独立語と感動詞では、言葉のカテゴライズの仕方が異なるのです。
独立語のなかに、感動詞と名詞が含まれるイメージです。
そのため、感動詞でもあり、独立語でもある、という言葉はたくさんあります。
記事ブログに感動詞について解説した記事があります。こちらもご覧ください↓
【国語の観点】独立語と接続語の違い
独立語と並んで解説される言葉に接続語があります。
独立語と接続語の違いがわかりません。
教えてください。
わかりました。
独立語は、「やあ」など、ほかの文節と関係なく独立しています。
接続語は、「そして」など 前後の文をつなぐ働きがあります。[注2]
次のポイントで見分けましょう。
独立語:ほかの文節とは関係ない
接続語:前後の文章をつなぐ働きがある
独立語については前述しているため、ここでは接続語についてまとめます。
【接続語】
種類 | 例 |
順接 | それで そこで すると だから |
逆説 | しかし ところが だが、 |
並列 | また そして なお |
転換 | ところで さて では |
説明・補足 | つまり すなわち |
対比・選択 | それとも または |
接続語は、前後の文をつなぎます。
【例文:接続語】
雨が降ってきた。だから、傘を差した。(順接)
雨が降ってきた。しかし、傘を持っていなかった。(逆説)
雨が降ってきた。そして、風も強くなってきた。(並列)
雨が降ってきた。ところで、今は何時だろう。(転換)
雨が降ってきた。つまり、出かけることはできない。(説明・補足)
雨、または、雪が降ってきたのか。(対比・選択)
例文はどれも、接続語が、前後の文をつなぐ役割をしています。
ほかの文節から独立している独立語との違いがわかります。
[注2]ベネッセ教育情報サイト/【国語文法】接続後と独立語の違い
練習問題:独立語を見つけよう
それでは、独立語について、練習問題で確認してみましょう。
【練習問題】
次の文で、独立語を見つけよう。また、その独立語の種類は何でしょう。
- おお、素晴らしい仕上がりですね。
- 根性、これだけです。
- いいえ、それは私の本ではありません。
- おい、待てよ。
- こんにちは、お元気でしたか。
独立語を見つけるのは簡単だったと思います。
答えを確認してみましょう。
【答え】
1ーおお(感動)
2ー根性(呼びかけ)
3ーいいえ(応答)
4ーおい(呼びかけ)
5ーこんにちは(提示)
いかがでしょう。
もしも、独立語の種類がわかりにくいな…と感じる方は、記事内の【一覧】5種類の独立語を再度チェックしてみてください。
独立語は見つけやすい:おい、まあ、おはよう、
ご紹介したように、独立語は次の特徴からとても見つけやすいです。
- 文頭にある
- ほかの文節から独立している
独立語・主語・述語・修飾語・接続語という5つの文の成分のなかでも、もっともわかりやすいのが独立語かもしれせん。
ところが、独立語は、主語などと比べて、あまり話題にされないものです。
「独立語ってなんだっけ?」と思われる方は、簡単なので、ぜひ、こちらで覚えてしまいましょう。
一つひとつ、文章の知識が増えていきます。