SNSの利用率は年々増え続けています。
国内でもっとも利用者の多いメッセージアプリであるLINEの利用者数は8,400万人(2020年3月)に上り、国民の半数を優に超える人が利用している状況です。
日本国内で利用者が多いSNSといえば、LINEに次いでTwitterやFacebookが有名でしょう。しかしながらMMD研究所が2020年2月に行った調査によれば、TwitterやFacebookの利用者数は昨年度と比べて減少しており、それらに代わる形でインスタグラムがじわじわと利用者数を増やし続けていると言えます。
現在利用しているSNS・コミュニケーションアプリを聞いたところ、「LINE」が89.5%と最も多く、次いで「Twitter」が55.7%、「Instagram」が40.9%となった。
2018年の同様の調査と比較すると「LINE」が3.4ポイント、「Twitter」が0.5ポイント、「Facebook」が6.0ポイント減となり、「Instagram」は2.1ポイント増となった。引用:MMD研究所
2017年ユーキャン日本流行語大賞には「インスタ映え」が選ばれました。年を追うごとに利用者が増え続けるインスタグラムに、不慣れながらも対応を余儀なくされる担当者は大勢いたことでしょう。もはやWEB集客においてインスタグラム(Instagram)を無視することなどできない状況にあることは明確です。
そこで本記事ではインスタグラム内で行うSEO対策と、インスタグラムによってオウンドメディアの業績を改善する方法の両側面に触れつつ、変貌を遂げつつあるユーザーの検索行動にいち早く適合するための施策をご紹介していきます。
インスタグラム(instagram)内のSEO対策について
まずは、インスタグラム内の検索機能に自社のアカウントを最適化させる方法(SEO対策方法)からご紹介します。インスタグラム内のSEO対策において重要視される項目は次の通りです。
- ユーザー名の最適化
- プロフィールの最適化
- ジオタグの最適化
- 投稿内テキストの最適化
- ハッシュタグの最適化(最重要)
- 継続した投稿を行う
また、インスタグラム運用を行う大前提として次の施策も必ず行ってください。
- プロアカウントへの切り替え
- 画像制作ツールの用意
インスタグラムアカウントをプロアカウントに切り替えることで、アカウントを閲覧したユーザーの属性(年齢・性別)やアクセスの多い投稿を見分けることができ、定量分析に持ち込めます(フェイスブックページをお持ちなら、必ずリンクしておきましょう)。
また、インスタグラムにおいてはオリジナルかつ人の目を惹く画像を用意することが重要です。フリー素材を使いまわすのではなく、自社にオリジナルな画像を用意することでファンの定着を目指しましょう。
ユーザー名・プロフィールを最適化する
以下では実店舗経営者の中でも、飲食店を経営するオーナーを想定してインスタグラムのSEO対策と運用方法をご紹介します。
まずはインスタグラムのユーザー名やプロフィールを店舗情報に最適化することが必要です。
ユーザー名はかならず店舗名と関連のあるものにすることがポイントです。プロフィールには店舗と関連のあるタグを複数設置し、インスタグラム内検索にヒットする確率の上昇を狙います。(タグについては後述)
また、プロフィールには実店舗の問い合わせ先情報や住所情報を入力するべきです。アカウントを閲覧したユーザーが店舗に足を運べるように、電話番号や予約ページへの導線を設置しておくことも効果的でしょう。
ジオタグを最適化する
ジオタグは第二のハッシュタグとも呼ばれるインスタグラムの重要な機能の一つで、実店舗の位置情報をインスタグラムに認識させるために活用します。
ジオタグを設定すると、インスタグラム利用ユーザーが閲覧した写真の位置情報と近い位置情報が登録されている、別アカウントの情報がサジェストされるようになります。
ジオタグに後述するハッシュタグほど効果はありませんが、それでも実店舗を経営するアカウントなら十分に施策する価値があります。必ず設定しましょう。
投稿内テキストの最適化、ハッシュタグの最適化
投稿ごとに画像に添える形で綴るテキストの内容も重要です。インスタグラムは上記で説明した項目以外にも、投稿ごとの画像ALTタグや投稿内テキストのキーワードを精査しています。
投稿内テキストにはGoogle検索エンジンに対して行うSEO対策と同様、店舗と関連のあるキーワードや注力したいキーワードを含めるべきです。
また、投稿内やプロフィールに掲載するハッシュタグはインスタグラムにおいて最も重要な要素です。ハッシュタグには数多の組み合わせがありますが、抑えるべきポイントが数点あるため以下に列挙します。
- ハッシュタグは投稿と合致したものを付ける
- ハッシュタグの閲覧ボリュームを必ず意識する
ハッシュタグ①:投稿と合致したものを付ける
ハッシュタグを限度数である30個付与することを推奨する方も中にはいらっしゃいますが、あまり有効な施策だとはいい難いです。あまりにも適当に30個のハッシュタグを付与すると、インスタグラム内の検索結果に表示されなくなる「シャドウバン」状態になってしまいます。
シャドウバンのリスクを考えるなら、30個必ず付けることを目指すのではなく、できるだけ投稿内容と合致したタグを探し、付与することが重要です。
ハッシュタグ②:タグのボリュームを意識する
どれだけ投稿内容と合致したタグをつけたとしても、それがオリジナルのものばかりであればハッシュタグをつける意味がありません。
ハッシュタグは、そのハッシュタグで検索したインスタグラムユーザーから自分の投稿を見つけてもらうために付与するものです。したがって、ハッシュタグを利用するユーザーがあまりに少ないものを付与したとしても効果は薄いと言えます。
ただし、アカウント開設当初から数十万ほどボリュームがあるタグばかり付けても数多の投稿に埋もれてしまうこととなります。
したがって、ハッシュタグをつける際はボリュームごとに複数のタグを付与することが効果的だと言えます。
こちらはGoogle検索エンジンに対するSEOと同様の考え方で、スモールタグでトップに掲載されるとミドルタグを狙えるようになり、その次はビッグタグ。といったように次第にトップ掲載率が上昇していくものです。
タグ選びの際には、最低でも1,000件以上あるスモールタグから狙うことを意識しましょう。
ハッシュタグ③:バズを起こすために狙うべきタグの狙い方
こちらもGoogle検索エンジンに対するSEOと同じ考え方ですが、プラットフォーム上で自コンテンツを目立たさせるためには、そのプラットフォームのアルゴリズムを見抜かなければなりません。
アルゴリズムを見抜くためには、誰に聞くまでもなく、そのプラットフォームに聞くことが一番です。ハッシュタグからバズらせたいのであれば、バズってるハッシュタグを実際に見に行くことが有効です。
- バズを狙いたいハッシュタグを一つ決める
- 実際にそのタグでインスタグラムで検索する
- トップ表示されている投稿から、自分と同じ規模のフォロワーを見て、どのようなハッシュタグが使われているかを分析する
インスタグラムのハッシュタグには相性があり、組み合わせによって連鎖的にバズを引き起こす場合もあります。自分のアカウントと同等規模のアカウントがトップに掲載されていたら、同じタグの付与も検討しましょう。
ハッシュタグ④:バズったあとのタグ変更
投稿に仕込んだハッシュタグのバズを確認したら、それ以外のタグを入れ替えることも効果的です。インスタグラムは投稿の編集ができます。1つのタグがバズっている間に連鎖的な複数のバズを狙うことができるため、スモールタグをビッグタグに変更してみるなど、様々な検証を行うことが可能です。
継続した投稿を行う
インスタグラムに限らず、フロー型のプラットフォームをハックするには継続的に新しい情報を更新し続ける必要があります。実店舗向けのローカルSEOの記事でも紹介したように、GMB(グーグルマイビジネス)の店舗情報は継続的に最新情報を掲載し続けることがポイントでした。
インスタグラムでも同じことができます。一定期間投稿がなくなってしまったアカウントは次第にユーザーが離れ始めることから、例えばメニューの入れ替えや従業員の紹介投稿など、継続的な更新をし続けつつ、新規顧客獲得のための投稿も適宜行いましょう。
インスタグラム外部のSEO対策について
インスタグラムの運用によってオウンドメディアに直接的なSEO効果が発生することはありませんが、インスタグラム経由でオウンドメディアにアクセスしたユーザーが、間接的なSEO効果を発揮することがあります。
これはユーザーがサイト内で行動したデータを数値化したUXデータの蓄積による作用です。詳しくはこちらの記事で紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。
インスタグラムをオウンドメディアの流入元として活用するのであれば、投稿方法をよく考える必要があります。単にインスタグラムのフォロワーを増やすような方法では、ウェブサイトへのアクセスを見込むことができないからです。そこで以下の点に注力することを推奨します。
- 本当にインスタグラムの活用が最適かどうかを検討
- オウンドメディアを運用する目的を再確認
- 店舗名・サービス名を覚えてもらえるような運用をする
- オウンドメディアへの導線を適切に引く
本当にインスタグラムが最適かどうかを検討する
インスタグラムの運用自体がオウンドメディアの業績改善に向かない場合があります。ほとんどの場合、インスタグラムで獲得した顧客は全てのアクションをインスタグラム内で完結させるからです。
例えばあなたが飲食店オーナーなら、わざわざ店舗紹介や店舗予約のためにオウンドメディアへ導線を引かなくとも、それらの目的はインスタグラム内で完結します。むしろ、画像SNSが持つ特徴もあり、インスタグラム内で集客からコンバージョンまでの流れを完結させた方が都合が良い場合もあるでしょう。
WEB集客を行う目的を再確認
同時に、WEB集客をする目的を再確認しましょう。
その目的達成のために利用できるメディアがウェブサイトで良いのか、インスタグラムで良いのか、他のSNSを利用するべきか、再考する余地は十分にあります。
インスタグラムは比較的若いユーザーが多いメディアであり、彼らはあまり文字を読みません。リーチをかける層の属性がどのようなものかについても検討した上で、WEB集客の目的に対してもっとも最適なメディアを選ぶことを推奨します。
店舗名・サービス名を覚えてもらえるようなアカウントを作成する
こちらの記事でも紹介したように、SNS運用を行うことで発揮できる効果のうち、もっとも影響が大きいものは「店舗名・サービス名の認知度向上」です。多くの潜在顧客に対して自社のことを適切にPRすることで、店舗名やサービス名での指名検索が増え、間接的なSEO効果が生じることにつながります。
そこで、どんな属性のユーザーにも視覚的に店舗・サービスのことが伝わるようなコンテンツ作成を心掛け、コンテンツがある程度そろった状態でフォロワー獲得に乗り出しましょう。
インスタグラムで行うべきSEO対策まとめ
本記事ではインスタグラムで行うべきSEO対策と、インスタグラム運用でオウンドメディアの業績改善をする方法をご紹介しました。インスタグラムがGoogle検索エンジンに与える直接的なSEO効果はありませんが、インスタグラムから流入したユーザーが蓄積させたサイト内行動データによる間接的なSEO効果は大いにあります。
そのためにまずは今回紹介したような方法でインスタグラムのフォロワーを効率よく獲得し、オウンドメディアないしはWEB集客の目的達成に最適な施策を検討しましょう。
TwitterのSEO効果については下記の記事をご参照ください。