「金字塔」の意味を教えてください。
金字塔は、「後世に残る優れた業績」という意味でよく用いられます。
金字塔はよく使われる言葉です。
「きんじとう」と読みます。
なんとなく意味はわかるけれどはっきりとした意味や使い方を知らない人も多い言葉です。
金字塔の使い方、意味、由来、英語表現、類語をご紹介いたします。
目次
金字塔の意味
金字塔(きんじとう)の意味は2つあります。
- ピラミッド
- 後世に残る優れた業績
デジタル大辞泉には次の記載があります。
きんじとう【金字塔】
1 《「金」の字の形を」した塔の意》ピラミッド。
2 後世に永く残るすぐれた業績。不滅の業績。「金字塔を打ち建てる」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
会話や文章では、主に、「後世に永く残る優れた業績」の意味が使われます。
例文で確認してみましょう。
【例文:金字塔】
サッカー界で金字塔となる成績を残したい。
意味:サッカー界で後世に永く残る優れた業績を残したい。
金字塔といえば、後世に永く残る優れた業績、と覚えておきましょう。
金字塔の使い方:例文
「金字塔」の具体的な使い方をもっと知りたいです。
わかりました。
例文でご紹介します。
金字塔の使い方を例文で確認しましょう。
【例文:金字塔】
私は文学界の金字塔となる作品を書き上げた。
彼は陸上の大会で金字塔となる成績を残した 。
彼女の作品は推理小説の金字塔だ。
祖父の記録は今もその世界の金字塔として讃えられている。
金字塔という言葉を使わない場合と使った場合の文章を比べてみましょう。
【例文:金字塔を使ってみると…】
彼は陸上の大会で後世に永く残る優れた業績を残した。
↓
彼は陸上の大会で金字塔となる成績を残した。
金字塔という言葉を使うほうが、文章がすっきりして印象的になります。
「金字塔を打ち立てる」「金字塔を打ち建てる」どちら?
金字塔の代表的な使い方に、「金字塔をうちたてる」という表現があります。
「打ち立てる」と「打ち建てる」はどちらでしょう?
辞書には「打ち建てる」とありますが、記者ハンドブックには「打ち立てる」とあります。
辞書には「打ち建てる」が例に挙げられていますが、「打ち立てる」という表記が一般的です。
新聞表記の基準となる「記者ハンドブック」にも、「打ち立てる」が記載されています。[注1]
記事作成では「打ち立てる」と表記するのがよいでしょう。
例文で確認してみましょう。
【例文:打ち立てる】
彼はきっとサッカー界に金字塔を打ち立てるだろう。
彼女は社内の売上に金字塔を打ち立てた。
あの映画作品は観客動員数の金字塔を打ち立てた。
「金字塔を打ち立てる」ということで「後世に残る優れた業績を残す」ことを意味します。
[注1]一般社団法人共同通信社「記者ハンドブック第13版」
金字塔の由来
金字塔は、もともとは「ピラミッド」という意味で用いられました。
「金」という漢字がピラミッドの形と似ているためです。
「金の字の塔」がピラミッドというわけです。
中国語でも、「金字塔 jin zi ta」はピラミッドを意味します。
ピラミッドは、古くから現代にまで残る偉大な建造物であることから、後世に残る優れた業績を「金字塔」と表現するようになりました。
なるほど、それで偉大な業績を「金字塔」というのですか。
ちなみに、中国語の「金字塔 jin zi ta」は、ピラミッドの意味はありますが、「偉業」を表すことはないようです。
金字塔の英語表現
金字塔は英語で次のように表現されます。
- monument
- monumental work
- monumental achievement
ジーニアス和英辞典には次の記載があります。
きんじとう【金字塔】
(不滅の業績)monument, monumental work [achievement]
[引用]大修館書店「ジーニアス和英辞典」
例文で確認してみましょう。
He accomplished a monumental work in the field of literary world.
彼は文学界で金字塔を打ち立てた。
monumentには、「記念碑」という意味があります。
金字塔を使う表現ととてもよく似ています。
金字塔の類語:言い換え表現
金字塔の類語、言い換え表現をご紹介します。
- 偉業(いぎょう)
- 功績(こうせき)
- 遺産(いさん)
それぞれ意味と使い方を確認してみましょう。
偉業
偉業もよく使われる言葉です。
いぎょう【偉業】
意味:偉大な事業。すぐれた仕事
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
「偉業を成し遂げる」という使われ方が多いようです。
【例文:偉業】
彼は〇〇の開発という偉業を成し遂げた。
功績
功績にも優れた成果という意味があります。
こうせき【功績】
意味:あることを成し遂げた手柄。すぐれた働きや成果。
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
「功績をたたえる」という使われ方をします。
【例文:功績】
チームの功績をたたえて、賞が授与された。
彼女は会社に功績を残した。
遺産
遺産には、前代の人が残した業績という意味があります。
いさん【遺産】
1 死後に残した財産。法律的には、人が死亡当時持っていた所有権・債権・債務も含む全財産をいう。相続財産。
2 前代の人が残した業績。「文化遺産」
[引用]小学館「デジタル大辞泉」
死後に残した財産という意味が広く知られていますが、前代の人が残した業績という意味で使われることもあります。
【例文:遺産】
その建物は大切な文化遺産だ。
「金字塔」という言葉を使ってみよう
「金字塔」という言葉を使うと、文章がすっきりして印象的になります。
陸上界で永く残る優れた業績を残した。
↓
陸上会に金字塔を打ち立てた。
もっと易しい言葉を使うほうが適している場合もありますが、ふさわしいと感じる場面では「金字塔」という言葉を使ってみましょう。