「体言止め」は表現技法の一つです。文末に体言止めを使用することによって文末表現のバリエーションを増やし、読みやすい文章を作ることができます。
今回は、体言止めによる3つの効果を例文を含めて解説していきますので、自社のWeb記事を作成する際には意識してみていきましょう。
ただし、体言止めを使う際には注意点もありますので、その点もご紹介します。
目次
「体言止め」はある場所に限って使用することでその効果が発揮される!
体言止めとは語尾を名詞や代名詞などの体言で止める技法の事を指します。
通常の文章の中だけではなく、和歌や俳句でも使われている表現技法です。
例文:
わたしは友達とカフェに行きました。
一番素敵だったのは、美しいデザインがなされたカフェ・マキアート。
ケーキもおいしく、ゆったりとした時間を楽しむことができました。
体言止めは文章を名詞で結ぶため、リズムが変化します。そしてその後の文章への注意を惹きつけることができる技法です。
体言止めはある場所に限って使用することで、効果を得ることができます。体言止めの使用頻度は書く人によって異なりますが、体言止めの効果を知っておけば、どこで使用するのが一番効果的なのかがわかります。
さっそく、以下で詳しい体言止めの3つの効果を確認しましょう。
効果1. 文章が短くシンプルになることで読みやすくなる
句点が多い長い文章は読者にとって分かりづらく読みにくい印象を与えてしまうもの。ですが、体言止めを使うことで文章を短くすることができ、シンプルで読みやすい文章を作ることができます。
まずは体言止めを使わない文を読んでみましょう。
例文1:
私は先月グアムに遊びに行き、生まれて初めてのスキューバダイビングに挑戦し、非常に美しい海に感動しました。
これを、体言止めを含めた文章に書き変えてみると以下のようになります。
例文2:
私は先月グアムに遊びに行きました。
そこで生まれて初めて挑戦したのがスキューバダイビング。
非常に美しい海に感動しました。
このように短い3つの文章に分けることができます。2つの文は「~ました。」という文末になっていますが、途中に体言止めを入れることによって、抑揚のある分かりやすい文章に変わっています。
句読点について、記事ブログ内にわかりやすく解説した記事があります。知っておきたい句読点の打ち方のルールを5つご紹介しています。ぜひ、こちらも参考にしてみてください↓
効果2. 単調でなくリズム感のある文章にすることができる
体言止めを使うことによる2つ目の効果は、リズム感のある文章にすることができる、というものです。
同じ語尾を繰り返していると、文章は暗く面白みのないものになります。まずは以下の文をみてみましょう。
例文1:
先日、新しく開店したレストランに行ってきました。
そこでは店長おすすめのパスタを頼みました。
おすすめされただけあってとても美味しくて、あっという間に食べてしまいました。
この文章では、文末がすべて「~ました。」になっており、これでは読者が違和感を覚えてしまいます。単調な文章ですので、パスタがどれほど美味しかったのか、十分に伝わってきません。
では、体言止めを活用するとどんな文章に変わるのでしょうか。
例文2:
先日、新しく開店したレストランに行ってきました。
そこで食べたのは、店長おすすめのパスタ。
オススメされただけあってとても美味!
あっという間に食べてしまいました。
体言止めを入れたことによって、リズム感のある文章になっています。体言止めは、文章の流れをいったんストップさせることで、読み手を疲れさせず、最後まで文章を読むようにさせてくれる効果を持っているのです。
効果3. 読者の注意を引きつけ読み進めたくなる文章になる
体言止めによる3つ目の効果は読者の注意を惹きつける、ということです。体言止めを使うことで、効果1のように文章を短くし、効果2のようにリズム感を与えることで、読者がどんどん読み進めたくなる文章を書くことができます。
体言止めを使わない場合、このような文章だったとします。
例文1:
体言止めを使うことは分かりやすい文章を書くために必要な技法です。
体言止めは一般的に文末に体言を持ってくる表現です。
この文章も、体言止めを使えば以下のようにすることができます。
例文2:
分かりやすい文章を書くために必要な技法。
それは体言止めです。
体言止めは一般的に文末に体言を持ってきます。
体言止めを使うと文章のつくりがひっくり返ったり、文が増えたりすることもあるでしょう。このように、文章を体言で締めくくることによって、次の文章への注意が引きつけられます。適度に体言止めを使用すれば、読者の注意を記事の最後まで引きつけることができるでしょう。
体言止めを使う際の注意点:使いすぎると逆効果になる!

体言止めを使うときには注意するべき点もあります。体言止めは使いすぎると逆効果になる、ということです。使いすぎると軽い文章になり、意味が曖昧になってしまいます。以下の例文をみてみましょう。
例文:
新幹線に乗ったのは朝七時。
新幹線に乗り、ついたのは東京駅。
目の前に広がったのはテレビで見たことのある風景。
「いったい何を伝えたいの?」と感じられたのではないでしょうか。
体言止めはどんな文章にも使えるものではありません。なにかを強調したい時や文末のバリエーションを増やしたい時に使用すれば効果を得ることができます。
先ほどの例文の体言止めを1つに絞ってみましょう。
例文2:
朝七時に新幹線に乗りました。
ついたのは東京駅。
テレビで見たことのある風景が目の前に広がっていました。
このように体言止めを使えば、「東京駅」が強調され、何を伝えたいのかがはっきりします。また、適度なリズム感が生まれ、読みやすい文章となるでしょう。
体言止めの効果でリズミカルな文章を作ろう
体言止めの使い過ぎは読者の注意を散漫させ、意味が伝わりにくくなってしまいます。ですが、体言止めが正しく使われていれば、文章にリズムを与え、読者の注意を惹きつけてくれる効果があります。読者が読み続けたくなるコンテンツ作成のために、留意しておきましょう。