ネガティブSEOとは?原因と対策をまとめて紹介

ブラックハット

基本的に被リンクは優秀なコンテンツが自然に獲得するものです。ですが中には悪意を持った第三者によって質の低いウェブサイトからのリンクを大量に送られることで獲得してしまうケースも存在し、これをネガティブSEOと呼びます。

本記事ではネガティブSEOと呼ばれる、ウェブサイトの検索順位やアクセス数が低下する原因となる施策についてその原因と対策方法までを解説しました。
気が付いたら海外サイトから大量のリンクが送られていた経験のある方や、ウェブサイトのアクセス数が急激に落ち込んでしまった経験のある方は質の低いリンクの否認作業(バックリンク否認)を検討しましょう。本記事後半にて詳しくご紹介します。

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ネガティブSEOとは?逆SEO対策との違いについて

ネガティブSEOとは、悪意を持った第三者によって施されるネガティブなSEO対策のことを指します。
通常のSEOはウェブサイトの価値を高める目的で行うものですが、ネガティブSEOはそれらを悪化させる目的で行うものです。したがって、メディアの所有者ではなく第三者が悪意を持って施策するものとなります。

ネガティブSEOはブラックハットSEOを悪用したケースが多いです。
質の低いウェブサイトからの大量のリンクを人為的にライバルサイトへ送ることで、Googleの評価を相対的に下げ、ネガティブSEOを行った人間が保有しているメディアの順位を底上げするのです。

ネガティブSEOの具体例

ネガティブSEOには「質の低いリンクを大量に送ること」以外にも、複数の手法があります。

  1. 価値の低いウェブサイトからの大量のリンク送信
  2. 虚偽のDMCA申請
  3. 不正な広告出稿や、ASPリンクのSNS投稿による案件停止
  4. サイトコンテンツのコピー

以上の4項目に挙げたように、ネガティブSEOはGoogleが検索エンジンをより良いものとするために試作していることを逆手に取った形で行われるような、倫理観や道徳観を無視した非常に悪質なものです。

例えば上記画像は当サイトに対して発リンクを行っているウェブサイトのうち、質の低いコンテンツが含まれているウェブサイトのリストです。
ドメインの末尾部分にあたるTLD(トップレベルドメイン)が「in」や「co.in」などの海外ドメインとなっていることが確認できます。リンク元のコンテンツを確認すると、中身のないウェブサイトやリンク集になっているウェブサイトが多く散見できました。

サイトコンテンツがドメインリストのみのウェブサイトや、日本語以外のウェブサイト、自動生成された文字列が掲載されているウェブサイトなどは低質なウェブサイトである可能性が高いです。

発リンクについては、下記の記事をご参照ください。

発リンクがもたらすSEO効果について詳しく解説

ネガティブSEOを回避することは難しい

ネガティブSEOを未然に防ぐことは不可能です。
インターネットの匿名性が働くこともあり「誰がどのようにしてネガティブSEOを行ったか」を特定することは非常に困難なのです。被リンクは獲得したその日に気づくものでもありませんから、定期的にサーチコンソール内のリンク情報ページをチェックしておくことを推奨します。

逆SEOとの違い

逆SEOとネガティブSEOはよく混在されるものですが、その概念定義や目的は異なります。

逆SEOとは「特定のウェブサイトの検索順位を相対的に下げる」ために、自社サイトやサブサイトのコンテンツを上位表示させる手法のことを指します。

例えば風評被害に遭った企業が逆SEOを行った事例が多く存在します。
インターネット上のネガティブな口コミや評判を検索順位から排除するために(=2ページ目以降へ追いやるために)自社コンテンツやサブサイトの検索順位を改善し、その他を押し下げる目的で施策するのです。

逆SEOとネガティブSEOはその構造や目的に違いがあります。
前者は自分が保有しているウェブメディアの検索順位を改善することで他のサイトの順位を間接的に押し下げようとするものですが、後者は対象となるライバルサイトに対して直接作用することで検索順位を押し下げようとするものが該当します。

質の低い被リンクにはどんな特徴がある?|ネガティブSEOの原因

自社サイトが第三者によるネガティブSEOを受けたかどうかは非常に判断しにくいですが、WEBメディアの運営者であればネガティブSEOの有無関係なしに質の低いリンクの排除や整理を必ず行うべきです。質の低いリンクは自社サイトの価値を下げる要因となりますから、週に1回ほどは被リンク状況を確認しておくことを強く推奨します。

一般的に、質が低いとされる被リンクの特徴は以下の通りです。

  • ドメインのTLDが海外のもの
  • サイト内コンテンツがほとんど無い
  • リンクのアンカーテキストが自社コンテンツとは無関係
  • 心当たりのない海外サイトからの被リンク

質が低いとされる被リンクの4つの特徴について、それぞれ解説していきます。
ご自身で運営されているウェブサイトに対して、これから説明する特徴に当てはまるウェブサイトからの被リンクがあれば否認(バックリンク否認)を検討しましょう。

ネガティブSEOの見分け方①ドメインのTLDが海外のURLからの被リンク

低品質な被リンクやネガティブSEOを見分ける際に弊社が一番最初に着眼する点がTLD(トップレベルドメイン)です。

TLD(トップレベルドメイン)とはドメイン名のうち「com」や「net」「jp」など恒久に代わることのない固定文字列部分を指します。TLDにはgTLDやccTLDなど、特定の属性による分類があり、例えば当サイトが利用しているドメインはccTLD(Country Code Top Level Domain|国別トップレベルドメイン)に分類される「jp」ドメインです。

低品質な被リンクを見分ける際には、どのようなTLDのドメインから被リンクを獲得しているかに注目すると効率が良いと言われています。
国内で運営しているウェブサイトが海外のccTLDから被リンクを獲得するケースは稀で、特にサイト立ち上げ期に「in」や「co.in」などのドメインからリンクが送られている場合は低品質なものだと判断して良いでしょう。

上記画像は実際に当サイトにリンクを送っているウェブサイトのうち「in」や「co.in」(インドの法人に与えられるドメイン)のドメインを保持しているものを列挙したリストの画像です。
こちらのリストに掲載されているウェブサイトのコンテンツは全てウェブサイトリンク集となっていて、それ以外の主要コンテンツが存在しないため、ネガティブSEOの被害を受けている可能性があると判断できます。

ネガティブSEOの見分け方②サイト内コンテンツがほとんど無いウェブサイト

次に、サイト内コンテンツがほとんどないか、無価値なものだと判断できるウェブサイトは低品質だと判断できます。
2020年昨今のSEO情勢では、ウェブサイトに掲載されているコンテンツがいかに閲覧ユーザーに有益なものであるかという要素が重要視されています。(参考:Google
そのような潮流の中で、ウェブサイトコンテンツが単なるリンク集だけの場合や、文字列の自動生成やワードサラダ(ブラックハットSEOのひとつ)が確認されるようなコンテンツの場合は低品質なリンクだと判断を下して良いでしょう。

ネガティブSEOの見分け方③発リンクのアンカーテキストがサイトコンテンツと無関係な場合

リンク元のアンカーテキストが自社サイトコンテンツと無関係であるケースは、自動生成ツールによって生成されたコンテンツとセットで登場する低品質な被リンクの特徴のひとつです。

リンク元にて説明されているコンテンツ内容と自社サイトのコンテンツ内容が一致しないウェブページからのリンクが確認できた場合は、リンク否認の検討をするべきです。

ネガティブSEOの見分け方④心当たりのない海外サイトからの被リンク

最後に、心当たりのない海外サイトからの被リンクが検討対象になります。専門的な内容を取り扱っているメディアや海外向けの情報発信をしているメディアでない限り、海外サイトからの真っ当な被リンクが付くことはほとんどありません。
先述のTLDや自動生成コンテンツの疑いをもちつつ、少しでも違和感のあるウェブサイトからの被リンクだった場合は否認候補にしましょう。

被リンクの調べ方|自社サイトのバックリンクを確認する

自社サイトが獲得した被リンクの調べ方は複数ありますが、もっとも確実で費用が掛からない方法はGoogle Search Consoleのリンク機能を利用することです。

  1. Google Search Consoleへログイン
  2. 被リンクを確認したいサイトのプロパティを開く
  3. 左側サイドバー下部の「リンク」タブをクリック
  4. 「上位のリンク元サイト」を参考に、自社サイトへリンクを送っているウェブサイトを閲覧する

本章で説明した質の低い被リンクの特徴に当てはまるウェブサイトが確認できた場合は、そのルートドメイン名をメモ帳などにコピーアンドペーストしてリストを作成しましょう。後述するリンク否認作業にて役立ちます。

ネガティブSEOを受けてしまった際の対策方法

次に、低品質な被リンクやネガティブSEOの被害に遭ってしまった疑いがある場合の対策方法をご紹介します。前もってネガティブSEOへ対策することは不可能です。どうしても後手になってしまうことは仕方のないことですが、長い時間をかけて作り上げたコンテンツが無駄にならないためにもアフターケアーは滞りなく行いましょう。

  1. 低品質なリンクの否認を行う
  2. DMCAの削除申請を行う

以下にて紹介するネガティブSEOの対策方法は昇順に優先度が高いです。
第一にGoogle Search Consoleからリンク否認作業を行い、必要に応じてリンク元サイトへの連絡やDMCAの削除申請も検討しましょう。

ネガティブSEOの対策①リンクを否認する

Google Search Consoleへ自サイトを登録していることが前提となりますが、自社サイトへ送られた被リンクはリンクの否認手続きを行うことが可能です。まずは以下4ステップで自社サイトへリンクしているドメインを確認し、質の低い被リンクの特徴に当てはまるドメイン名を洗い出します。

  1. Google Search Consoleへログイン
  2. 被リンクを確認したいサイトのプロパティを開く
  3. 左側サイドバー下部の「リンク」タブをクリック
  4. 「上位のリンク元サイト」を参考に、自社サイトへリンクを送っているウェブサイトを閲覧する

次に、Google Webmastersが提供しているリンク否認ツールを利用して低品質な被リンクの否認(バックリンク否認)を行います。

Search Console|リンクの否認

なお、リンクの否認を行う場合はGoogleが指定するフォーマットに従ったテキストファイル(.txt)を作成し、専用のフォームへアップロードする必要があります。リンク否認作業に必要なテキストファイルの作成はSearch Console ヘルプページをご参照ください。(以下引用)

リンクのファイル形式:

否認する URL またはドメインを 1 行につき 1 つ指定してください。example.com/en/ などのサブパス全体を否認することはできません。
ドメイン(またはサブドメイン)を無効にするには、「domain:」というプレフィックスを付けます。
例: domain:example.com
ファイルは UTF-8 または 7-bit ASCII でエンコードされたテキスト ファイルにする必要があります。
ファイル名の末尾は .txt にしてください。
行の先頭に「#」を付けて自分のコメントを追加することもできます。# で始まる行は無視されます。
例:

# 否認するページ 2 件
http://spam.example.com/stuff/comments.html
http://spam.example.com/stuff/paid-links.html

# 否認するドメイン
domain:shadyseo.com

引用:Search Console ヘルプ

リンク否認ツールページでは、上記方法で作成したテキストファイルをアップロードすることで被リンクの否認(バックリンク否認)が可能です。

なお、Googleのジョン・ミューラー氏は2018年4月26日から27日にイギリス・ブライトンで開催されたBrightonSEO2018にて次のように言及しています。(情報出典:海外SEO情報ブログ

以前のSEO業者が付けたような、自分が関与しない怪しいリンクがあるならリンクの否認ツールを使ってかまわない。
とはいえ、リンクを毎週毎週チェックして、気に入らないリンクが5本増えたから否認するといったことまではしなくていい。Google 側で処理する。

否認ツールを頻繁に使ったからといってサイトの評価に影響することはない。
良いリンクと悪いリンクの両方が多くのサイトには普通は張られているもの。

したがって、低品質なリンクに対して必要以上に敏感になる必要もないようです。あくまでも明らかに違和感のある大量の被リンクを短期間で獲得した際などには否認(バックリンク否認)を行いましょう。

ネガティブSEOの対策②DMCAの削除申請を行う

また、自社サイトコンテンツと内容が全く同じコピーサイトが存在する場合はDMCAの削除申請を行うと効果的です。DMCAとはデジタルミレニアム著作権法のことで、日本では適用されない法律ですが、アメリカに法人があるGoogleにおいては対象URLのインデックス削除申請を行うことができます。DMXAの削除申請を行うためには以下の情報を入力する必要があります。

  • 連絡先情報(名前、会社名など)
  • 著作権対象物(著作権対象物を特定する情報とその説明)
  • 署名

特に著作権対象物の項目は一番重要な項目となるため、どのサイトのどの部分がDMCAの規定に違反しているのかを詳細に説明するようにしましょう。

ネガティブSEOと関係のある被リンクの知識

本記事の最後に、ネガティブSEOと深い関係性のある被リンクにまつわる知識をご紹介します。

MOZなどのスパムスコアは参考だけにとどめる

WEB担当者なら一度は聞いたことがあるMOZやその他ウェブマーケティング企業が提供しているスパムスコア判定サービス、ドメインパワー算出サービスの値は鵜呑みにせず、あくまでも参考値として見るべきでしょう。

それらサービスが算出したスコアが悪かったからと言って、そのウェブサイト自体がGoogleから低品質なコンテンツだと判断されているとは限りません。スパムスコアは企業が独自に定義した項目に従って算出された数値です。リンク否認(バックリンク否認)の判断根拠とするのではなく、自らリンク元サイトを目視した上で総合的な判断をしましょう。

迷うくらいなら被リンクは否認する

ネガティブSEOの被害を受けたかどうか判断できず、リンクの否認に踏み切れない場合でも、心当たりのない不自然なリンクが大量に紐づけられているのであれば対応しておくに越したことはありません。
ネガティブSEOは大量の自演リンクをウェブサイトに紐づけるブラックハットSEOの手法を悪用することによって成り立ちます。まっとうなWEBサイト運営をしているのに、第三者の悪意によって自社サイトがGoogleからペナルティを受けてしまうことになるため、少しでもネガティブSEO被害の疑いがある場合は手を打つべきでしょう。

相互リンクはペナルティになる?

相互リンクがペナルティ対象となるかどうかについては、具体的な回答がありません。Google Search Consoleヘルプページによれば、相互リンクが検索結果のランキング操作を目的としたリンクだと判断される場合はガイドライン違反となる場合があるそうです。

PageRank や Google 検索結果でのサイトのランキングを操作することを目的としたリンクは、リンク プログラムの一部と見なされることがあり、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)への違反となる場合があります。これには、自分のサイトへのリンクを操作する行為も、自分のサイトからのリンクを操作する行為も含まれます。

引用:リンク プログラム – Search Console ヘルプ

リンクビルディングを行う場合は、ウェブサイトの関連性がポイントです。

大量の発リンクを含む相互リンクサイトや、リンクファームと呼ばれるブラックハットSEO対策の痕跡があるウェブサイトとは極力関わりを断ち、真っ当なメディア運営を心掛けるべきでしょう。
リンク元のウェブサイトとリンク先のウェブサイトとの間に何かしらの関連性があれば、ペナルティを受けてしまう可能性は低いと言えます。

xyzドメインはスパムサイト?

xyzドメインやclubドメインなど、新gTLD(新汎用トップレベルドメイン)のうち格安で提供されているドメインで運営されているウェブサイトはスパムサイトとして利用されているケースが多く、そういった背景もあり、xyzドメインは全てスパムサイトであると考えている方も少なくないようです。

しかしながら、以上のようなTLDによってウェブサイトの質が上下するといった言説には決定的な証拠がなく、相関関係もありません。
結局のところドメインの良し悪しを決めるのはウェブサイトコンテンツの質です。xyzに代表される信頼性が低いとされるドメインであっても、そのコンテンツの質が高ければ、検索順位の上位に表示されます。

ただし、「co.jp」や「go.jp」「ac.jp」など、取得に特定の条件が必要なドメインで運営されているウェブサイトは検索順位の上位に表示されやすいといった報告がいくつか上がっています。いずれも決定的な根拠のないものですが、例えば法人格のウェブサイトであれば「co.jp」を取得しておけば間違いないでしょう。

Googleが「価値のない質の低いコンテンツ」と判断しているページ

Googleが質の低いコンテンツと判断するページには以下のような特徴があるようです。

  • 自動生成されたコンテンツ
  • 内容の薄いアフィリエイト ページ
  • 他のソースからのコンテンツ(例: 無断複製されたコンテンツ、低品質のゲストブログ記事)
  • 誘導ページ

これらのテクニックは、実質的に固有または価値あるコンテンツをユーザーに提供するものではないため、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反する行為です。

引用:Search Console ヘルプ

 

Google Webmastersが提供するこちらの動画も参考にしつつ、価値の低いリンクの判断を行いましょう。

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ネガティブSEOの対策方法を知ってマイナス評価を回避しよう

本記事ではネガティブSEOの原因と対策方法について紹介いたしました。

ネガティブSEOとは自社サイトの検索順位を押し下げる目的で、第三者によって行われる施策です。
その多くはブラックハットSEOを悪用したもので、未然に防ぐ方法はありません。定期的に被リンクの管理を行い、ネガティブSEOの疑いがある大量の被リンクが見つかった場合はリンクの否認作業(バックリンク否認)を行いましょう。

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