WEBサイトを運営していると「検索クエリ」や「検索キーワード」など、理解しているようで説明が難しい微妙な表現の違いが頻出するはずです。
その違いについて調べれば調べるほど「BUYクエリ」や「トランザクショナルクエリ」など新しい概念に出会い、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、そもそもSEO対策おける検索クエリとは何なのか?「検索キーワード」とはどう違い、どのような種類があるのかについて基本的な知識をご紹介します。
目次
検索クエリとは検索エンジン利用者が用いる検索語のこと
検索クエリとは「検索エンジン利用者が抱く疑問や欲求」という意味を持ち、検索エンジン利用者が用いる検索語そのものを指します。
検索クエリは “Query” という英単語から成る言葉であり、Queryには「疑問」という意味があります。Googleウェブマスターツールに Query という表現が頻出することから生まれた日本独自の造語です。
検索クエリとキーワードの違い
「検索クエリ」と「検索キーワード」の違いは、その言葉を利用する主体にあります。
- query:疑問/質問
- keyword:key(鍵)となるword(言葉)
queryは「疑問」という意味を含有しており、主に検索エンジンの利用者が使う言葉です。
対してkeywordは、マーケターが分析を行う際に利用する「検索語」のことを指します。
どちらも最終的に指し示すものは同一ですが、その立場によって利用すべき表現が異なるのです。
SEO対策と検索クエリの関係性
それでは、検索クエリとSEO対策にはどのような関係性があるのでしょうか?
検索ユーザーが疑問を抱き、検索エンジンに打ち込む「検索語(検索クエリ)」は大きく分けて4種類の類型があります。
何か目的を持ってWEBサイトを運営する事業者なら、検索クエリの4類型を抑えることが非常に重要です。
SEO対策に重要な検索クエリの種類
今でこそ「検索クエリには4つの種類がある」という考え方が主流になりつつありますが、従来は「検索クエリには3種類のものがある」という考え方が通説でした。
ここに検索クエリに対する考え方の違いがあり、WEB担当者同士のコミュニケーションの阻害用意となることもしばしばります。
そこでまずは、従来までよく言われていた検索クエリの3類型についてご紹介します。
- インフォメーショナルクエリ(情報を求める)
- トランザクショナルクエリ(商品/サービスを購入する、資料請求する)
- ナビゲーショナルクエリ(特定のウェブサイトを見つけたい)
今でも上記3種類の分類分けをして検索クエリを考える方がいますが、最近では次の4類型に検索クエリを分類することが一般的です。
- Doクエリ(何かをしたい)
- Knowクエリ(何かを知りたい)
- Goクエリ(何処かへ行きたい)
- Buyクエリ(何かを買いたい)
この検索クエリの4類型はGoogleによって提唱されたものだとされています。
Consumer behavior and expectations have forever changed. With powerful phones in our pockets, we do more than just check the time, text a spouse, or catch up with friends.
We turn to our phones with intent and expect brands to deliver immediate answers. It’s in these I-want-to-know, I-want-to-go, I-want-to-do, I-want-to-buy moments that decisions are made and preferences are shaped.(日本語意訳)
人間の消費行動はスマートフォンの台頭によって劇的に変動しました。
私たち(検索エンジン利用ユーザー)は、ウェブサイトがすぐに答えを提供してくれることを期待して、スマートフォンを利用するようになりました。
ユーザーは「知りたい(Know)」「行きたい(Go)」「やりたい(Do)」「買いたい(buy)」と思う瞬間に意思決定を行い、好みのものを選択します。
情報出典:Think with Google|4 new moments every marketer should know
SEO対策を用いてWEB集客やメディア運用をするのであれば、検索クエリの種類を十分に理解することが非常に重要です。
そこで本章では、4種類の検索類型についてより詳細に説明していきます。
Doクエリ
Doクエリはトランザクショナルクエリと同じ意味を持っていて、「何かをしたい」という漠然な意図が含まれた検索語のことを指します。何かを入手する、ダウンロードする、会員登録することなどアクションに結び付く検索語がDoクエリに該当します。
- 「Slack ダウンロード」
- 「スマホ 壁紙」
- 「ソロキャンプ 場所」(どこかに行きたい)
Knowクエリ
Knowクエリはインフォメーショナルクエリと同じ意味を持っていて、なにか情報を知りたい、知識を手に入れたいという意図が含まれた検索語を指します。単に知識を要求するクエリだけではなく、「疑問を解決したい」という意図も含まれます。
- 「オムライス 作り方」
- 「熱が下がらない」
Goクエリ
Goクエリはナビゲーショナルクエリと同じ意味を持っていて、ある特定のWEBサイトへ訪れたいという意図が含まれた検索語を指します。
「WEB上ではない、現実の特定の場所に行きたい」検索意図をGoクエリに分類する考え方もありますが、ここでは便宜上「WEBサイト」に限定して説明します。現実のどこかに行きたいという要求はDoクエリに分類しています。
- 「Youtube」
- 「株式会社センターグローブ」
Goクエリの存在は、サイト名やブランド名にこだわるべき理由のひとつにもなります。
検索ユーザーが自社ブランド名を検索したとき、ユーザーを適切に自サイトへ誘導するために、唯一無二のネーミングをするべきでしょう。
Buyクエリ
BuyクエリはDoクエリに含まれる検索語ですが、Doクエリよりも「購入したい」という欲求がより強烈に表れている検索語が該当します。
- 「ゲーミングマウス おすすめ」
- 「脱毛 東京」(東京都の脱毛サロンに行きたいという購入欲求)
SEO対策において抑えておきたいクエリの種類
SEO対策を講じる際に抑えておきたいクエリは自社メディアの運用目的によって変わります。
例えば自社サービスの販路拡大目的で運営するWEBサイトなら、4類型のうちDoクエリは積極的に狙うべきですし、とりわけBuyクエリに関しては漏れなく確実に上位表示させておきたいです。
DoクエリやBuyクエリは人間の購買欲求により近い検索意図を持っていて、それだけ成約(コンバージョン)に近い検索クエリだと言えます。
地域密着型のキュレーションメディアを運営しているなら、KnowクエリやGoクエリを網羅する必要があります。その地域の情報をまとめるにあたってWEBサイトの存在意義を最も果たす検索語だからです。
文章型の検索クエリはどう扱えばいい?
最近になって音声検索の利用者数が多くなっていることから、文章型の検索クエリが表れ始めています。
- 「ニキビをなくすには」
- 「おすすめの暇つぶし方」
- 「ハチ公前の行き方を教えて」
ただし、文章型のクエリだからといって上記4類型に当てはまらないわけではありません。検索クエリの分類を考える際は、言葉尻に囚われず、検索語に潜在している検索意図をしっかり捉えることが大切です。
検索クエリの種類を理解してユーザビリティを高めよう
本記事ではSEO対策における検索クエリについて、「検索キーワード」との違いや、4種類の検索クエリをご紹介しました。
SEO対策を考えるにあたって重要になる項目は「検索クエリの4類型」です。
自社メディアでどのようなキーワードに対してSEO対策を行い、記事を執筆するか、設計段階において必ず検索クエリを分類する必要が生じます。
これから執筆する記事に設定するキーワードの種類を適切に把握しておけば、ユーザーニーズをより明確にとらえることだけでなく、執筆へ注ぐリソース度合いも測ることができるでしょう。
自社メディアの成果に直接結びつかないようなクエリについては力をいれず、成果の近いクエリについてはできる限りのリソースを割くと言ったような、効率の良いメディア運用をしてみることもおすすめです。