2020年6月から強調スニペットの機能性が拡張され、スニペット引用部分の文章が黄色マーカーでハイライトされるなど、検索結果の様相は日々変わり続けています。
そんな検索0位とも呼ばれる強調スニペットを意図的に狙い、自サイトの記事を表示させる方法をご存知でしょうか。
本記事では「ゼロクリック検索」の原因だと忌み嫌われてもいる強調スニペットについて、SEO対策との関係性や、強調スニペットの出し方・種類についてご紹介します。
目次
SEOにおける強調スニペットとは?
強調スニペットとは、特定の検索キーワードにおけるユーザーの検索意図に対する明確な回答を、検索結果の最上位に優先して強調表示する仕組みのことを指します。
検索順位の最上位に表示される
強調スニペットに表示された記事は、検索結果の最上位に表示されるようになります(ただし、広告出稿がある場合は広告が優先されます)。
その様相は検索キーワードによって様々で、上記画像のように画像が表示される場合や、リストタグ/テーブルタグが表示される場合などがあります。
2020年6月4月からは強調スニペットの引用部分がハイライトされるように
2020年6月には強調スニペットにアップデートが入り、強調スニペットをクリックしたユーザーに対して記事内の引用部分がハイライト表示されるようになりました。
検索ユーザーは自分が求める情報をよりスムーズに見つけることができるため、検索エンジンの利便性がさらに向上したアップデートだったと評価できます。
ゼロクリック検索(ゼロクリックサーチ)の原因に
強調スニペットはゼロクリック検索の原因になるという理由から、WEBサイトの運営者からは良い評価を受けていない施策でもあります。
ゼロクリック検索とは、検索ユーザーがウェブサイトに訪問することなく、検索結果上で疑問を解決してしまう現象のことを指します。
SparkToroによる調査によれば、2018年のアメリカ国内にて計測されたゼロクリック検索の数値が33.6%までに上っていることが明らかになっています。
これは本来自サイトに訪問し、記事を閲覧するはずだった検索ユーザーを失ってしまったことと同義です。強調スニペットはWEBサイトの成果が下がる原因だとして、特にWEBマーケターからの批判の声が多く挙がっている施策でもあります。
強調スニペットの特徴
次に、強調スニペットの特徴についてご紹介します。
強調スニペットの特徴1. 検索0位と呼ばれる位置づけ
先ほども言及した通り、強調スニペットは本来の検索順位と関係なく検索結果の最上位に記事が表示されるようになることから「検索0位」とも呼ばれている機能です。
本来は自サイトの上位に位置していたはずの競合サイトを軒並み抜き去った上で、高いインプレッションを得ることができるため、SEO対策の施策としては積極的に狙っていきたい項目でもあります。
強調スニペットの特徴2. HTMLコードによるマークアップが優遇
強調スニペットはHTMLコードによるマークアップが為された記述が表示されることが多いです。
HTMLコードによるマークアップとは、特定の文章をリストタグやテーブルタグなどで囲った状態のことを指します。
Googleはリストや表などの形式でも強調スニペットが表示されると公式に提唱しています。
強調スニペット内の引用コンテンツは、段落、リストまたは手順、表などの形式で表示されます。
引用元:Google検索ヘルプ
したがって意図的に強調スニペットの表示を狙うのであれば、記事ごとに想定した検索キーワードについて、ユーザーの検索意図へダイレクトに答えるような情報を最適な形でマークアップすることが有効です。
強調スニペットの種類
次に、強調スニペットに表示される情報の種類をご紹介します。
ここで紹介する強調スニペットと類似したものとして「Youtubeのスニペット」や「FAQ方式のスニペット」がありますが、こちらはリッチリザルト/リッチスニペットに分類されるものであるため、今回は説明を省きます。
- パラグラフ(段落)スニペット
- 番号リストの強調スニペット
- 箇条書きリストの強調スニペット
- テーブル強調スニペット
パラグラフ(段落)スニペット
「太陽 公転周期」の検索結果
箇条書き(番号)の強調スニペット
「参拝 やり方」の検索結果
箇条書き(順序)の強調スニペット
「キャンプ 持ち物」の検索結果
テーブル強調スニペット
「お米 品種」の検索結果
SEO対策に効果的な強調スニペットの出し方
次に、強調スニペットの出し方を考察します。
残念ながら2020年末段階では強調スニペットが表示されるアルゴリズムが確立されていない状態です。Googleは強調スニペットについて次のように言及しています。
自分のページを強調スニペットとして設定できますか?
ご自分のページを強調スニペットとして設定することはできません。Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをシステムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。
引用元:Google検索セントラル
しかしながら、強調スニペットの特徴を踏まえることで仮説を置くことができます。
例えばahrefsによる調査によると、強調スニペットに表示された記事のうち30.9%がもともと検索1位だった記事だとされていて、さらに62.1%が2位から10位にランクインしていた記事であることがわかっています。
このことから、強調スニペットは検索順位5位以内にランクインした記事から抜粋されやすい傾向にあることがわかります。(方針1)
さらに、検索クエリの4類型についても考えてみましょう。
- Doクエリ
- Buyクエリ
- Knowクエリ
- Goクエリ
以上のうちDoクエリ、Buyクエリ、Goクエリの検索意図を満たすためには、単純な抜粋文ではなくWEBページに遷移する必要があります。
例えば「物を購入したい」という検索意図を持つBuyクエリの検索意図を満たすために、強調スニペットに商品購入リンクを掲載することはGoogleの強調スニペットポリシー上不可能です。
したがって、次のような規則性も見出すことができます。
- knowクエリにおいて
- 検索意図に対する端的な答えが適切なHTML言語によってマークアップされていて
- SERP上の記事と比較してCTRが高く、言及箇所での離脱率が高い記事
つまり「ユーザーの検索意図にダイレクトに答えていると判断できるUXデータが蓄積した記事」が、強調スニペットに表示されるということになります。(方針2)
内部リンク:検索クエリの種類
以上で確認した強調スニペットの特徴を踏まえた上で、どのように記事執筆すれば強調スニペットへの表示を狙うことができるか考えてみましょう。
検索クエリについては、下記の記事をご参照ください。
強調スニペットの出し方1. 記事を上位表示させる
まずはahrefsの調査結果を根拠に、自サイトの記事を検索上位5位以内に表示させます。
強調スニペットの出し方2. Knowクエリの記事において、簡潔な回答を用意する
次に、Knowクエリの記事において(もしくはKnowクエリに関連する見出し内で)その検索意図へダイレクトに回答する簡潔な回答を執筆します。
強調スニペットは複数サイトのうち1サイトのみが表示されるという性質上を持っています。したがって、自サイトの記事が「ユーザーを満足させる記事(ユーザーの検索意図へダイレクトに答える記事)」であるという条件も満たす必要があります。
これはページごとに蓄積するUXデータを参考に評価される指標であると予想できるため、回答を記載する場所は記事の最上部である方が好ましいでしょう。
UI/UX設計については、下記の記事をご参照ください。
強調スニペットの出し方3. HTMLコードで適切にマークアップする
そして、回答に該当する記述部分は適切なHTMLコードでマークアップします。
- 段落にはpタグを用いる
- 順序を考慮しない箇条書きにはul/li のリストタグを用いる
- 手順など順番を考慮する場合はol/liのリストタグを用いる
- 表形式のほうがわかりやすい場合にはtableタグを用いる
強調スニペットの出し方4. 強調スニペットに関するポリシーを遵守する
そして最後に、Googleが提唱している強調スニペットに関するポリシーに反していないか確認します。
強調スニペットに表示されない内容
- 露骨な性表現
- 差別的な表現
- 暴力的な表現
- 有害で危険である表現
- 公共性の高いトピックにおいて、広く合意が得られている内容と反している表現
公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られている内容と反している
社会問題、医療問題、科学論争、歴史認識などの公共性の高いコンテンツについては、専門家が広く合意している内容や十分に確立された意見と反している場合、強調スニペットに含めることはできません。
引用元:Google検索ヘルプ
以上の条件を十分に満たすことで、自サイトが強調スニペットに掲載される確率を最大限高めることができるでしょう。
自サイトの記事を強調スニペットに表示させない/ブロックする方法
何か理由があって自サイトを強調スニペットに表示させたくない場合は、ページやサイト単位でHTMLコードを記述することで対応可能です。
強調スニペットと通常の検索スニペットの両方をブロックする
- nosnippet タグで、タグが設定されたページのすべてのスニペット(強調スニペットと通常のスニペット)をブロックします。
- data-nosnippet タグでマークされたテキストは、強調スニペット(または通常のスニペット)には表示されません。
- nosnippet と data-nosnippet の両方がページに表示される場合、nosnippet が優先され、スニペットはページに表示されません。
引用元:Google検索セントラル
強調スニペットの仕組みを理解して最適なコンテンツを作成しよう
本記事ではSEO対策における強調スニペットの重要性を説明し、強調スニペットへ自サイトを表示させるための方法を考察しました。
一度強調スニペットに表示されたメディアは、検索結果内のどのメディアよりも高いインプレッションを獲得できるようになります。
また、2位以下の記事が強調スニペットに表示されることも明らかになっているため、SEO対策効果が非常に高い機能だと言えるでしょう。
自サイトを強調スニペットに表示させたい場合は、特定の検索意図を持つクエリ上でダイレクトにユーザーの要求を満たすような記事を執筆しなければなりません。
いずれにせよ、常にユーザーの利便性を満たし続けるようなWEBサイトを作成することが重要であることに変わりないのだと言えます。